地元の商店街と観光客を橋渡し・・・『ユメビトハウス』(ゲンキみえ)

三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2017年3月19日

伊勢市の商店街の空き店舗を改装したゲストハウス『ユメビトハウス』
ゲストハウスが単なる素泊まりの格安宿であるだけでなく、高齢化や後継者不足で空洞化に悩む商店街に観光客を呼び込むきっかけとなる存在になるよう、力を注いでいます!

伊勢市の中心市街地にある『伊勢銀座新道商店街』は、江戸時代に整備された『しんみち』に沿って形成された商店街。
東西に570メートルに伸びるアーケードは、伊勢市最長です。
かつては買い物客で賑わいましたが、今は残念ながらシャッターの下りた店が目立ちます。

 

そんな空き店舗を利用した『宿』が、伊勢神宮の遷宮の年、2013年にオープンしたゲストハウス『ユメビトハウス』
もともと音楽教室だった建物をリノベーションし、旅人が安く快適に宿泊でき、国籍や世代を問わず、自由に交流できる場所を提供しています。

 

代表の水落勝彦さんは四日市出身。
三重県の中間支援NPOでの勤務を経て独立し、伊勢銀座新道商店街の空きビルを利用した『ユメビトハウス』を設立しました。
なぜ今ゲストハウスなのか・・・その理由をお聞きしました。

「商店街の店舗の住居スペースは実はあまり使われていないんです。
そのスペースでシェアハウスなどのビジネスをしようとしました。
しかし、例えば名古屋などは就職するために引っ越して来て最初のうちシェアハウスに住むなどの需要がありますが、伊勢だとそれは難しいんですね。
そこで観光地ということもあり、ゲストハウスという形にしました。
宿泊者がIターンにつながっていくケースが少ないのでヘルパーをしてもらい、地域の人とつながることで就職先が見つかったり、みんなでIターンし、ゆくゆくはお店をオープン・・・という流れを作りたいと考えています」

 

そんな『ユメビトハウス』の中を見てみましょう。
1階は受付と交流スペース。
この交流スペースでみんなで夕食を作って食べることで、親密になるのが『ユメビトハウス』の醍醐味。
人との出会いが思い出となり、またお互いに知り合うことで安心して宿泊できます。

 

2階の宿泊スペースはドミトリー式。
2段ベッドの相部屋方式で、最大13人宿泊可能。
ベッドは大学の建築学科の学生と作ったもの。
ハシゴもありプライベートな空間も確保しています。
女性専用の宿泊ルームもあり、ひとり旅の女性も安心して泊まることができます。
さらに3階の共有スペースで、宿泊者は自由に、思い思いの時間を過ごすことができます。

「『伊勢銀座新道商店街』を選んだのは、起業したい人のプレゼンイベントに参加したとき、このビルのオーナーさんも来ていたんです。・
『自分たちも商店街をなんとかしたいと思っているので、同じ思いで挑戦してくれるのだったら使って欲しい』と。
本当にオーナーさんの懐の深さに助けられたという感じです」

と、水落さん。

 

チェックアウトが終わったお昼前、ヘルパーさんと呼ばれるスタッフが清掃を始めます。
宿の仕事を手伝う代わりに無料で宿泊ができる、ゲストハウスならではの仕組みで、この日は以前泊まったお客さんがお手伝い。

「僕は東京から来ました。
宿泊している人と交流ができたり、神宮についての交流をしてみたり、それからオーナーさんの人柄とかもあり、ヘルパーをしています」

「去年自転車で日本を旅していた時に泊まったのがこちらの宿。
一番印象深かったので、今度は働く側として来ました。
ヘルパーをしていることでできた地域の方たちとのつながりが、地域の活性につながっているのかなと思います」

 

この日に訪れたお客さんと、連泊中のお客さん。

「姫路から移動してきて内宮行って、ここ来ました。
ネットで検索したところ、町がこの宿を応援していると知り、また町づくりをしていると書いてあったので興味があってきました」

「私はリタイア組です。
宿泊にはあまりお金をかけずに、食べることに重点を置いていたので、ここに来ました」

『ユメビトハウス』を選んだ理由は、人それぞれです。

 

こちらも商店街の一角。
なんと『ユメビトハウス』にはすでに2号店ができていました!
お店を営業していても住んでいる人がいないと町に元気がないように見えるため、空き店舗の住居スペースを活用しました。

 

『伊勢銀座新道商店街振興組合』理事長の河村武彦さんに『ユメビトハウス』の取り組みについての考えをお聞きしました。

「『新道商店街』は地元及び周辺の方が来てもらう商店街でしたが、宿ができれたことで地元だけでなく全国、世界中からいろいろな人が商店街に来てくれるようになりました。
それが僕らにはない、彼が持つ魅力というか力だと思います。
若者特有の突破力を非常に期待していますし、うまくいかない所を、僕ら上の世代がフォローしていくつもりです」

 

そしてこちらは『ユメビトハウス』が宿泊客に紹介している銭湯『井筒温泉』。
宿にもシャワーがありますが、出来るだけ地域との関わりを持ってもらいたいと案内をしています。

「『ユメビトハウス』がここを紹介してくれることで商店街活性化につながり、お客さんも来てくれるのでありがたいと思っています。
宿泊客の方と地元の方たちがお風呂の中で和やかに話をしている声を聞くとうれしいですね。
伊勢市自体も活性化するし、水落さんたちにはがんばってほしいです」

 

夕食はユメビトハウス恒例の、ホームパーティ形式で。
参加した宿泊者全員でお金を少しずつ出し合い、みんなでテーブルを囲みます。
こうして広がる人と人の輪。

 

「夕食を家族の団欒のように食べるのは珍しいですね。
ちょっとドキドキしながら楽しんでいます」

「今回少し勇気を出して参加してみてみました。
普段関わらない方々なので、話を聞いているだけでとても良い経験になるかなと思います」

「定年すると、そこからある程度考えが固まってきますよね。
こうやって来ればまた違ったものが入ってくるから、それがいいんのではないでしょうか」

と、宿泊客のみなさん。

 

これからさらに宿泊施設をこの商店街に増やしていき、観光客と地元の人たちをつなぐ架け橋になるのが『ユメビトハウス』を運営する水落さんの狙い。

 

『ユメビトハウス』に宿泊して、新道商店街を堪能してみませんか?