FM三重『ウィークエンドカフェ』2017年4月1日放送

今回は『NPO法人地域と自然』の理事長、中西崇雄さんが今日のゲストです。
中西さんは兵庫県のご出身、名張の自然が気に入ってこちらで活動をスタートされました。
NPO法人を立ち上げようと思ったのは、日本の自然のすばらしさを日本中に、そして世界中に発信したいから・・・。
昔ながらの原風景が残る名張の自然は中西さんにとってとても素敵な場所です。
運営している『ちょいまるカフェ』のこと、よし笛のこと、生き物図鑑のこと・・・聴きたいことは盛りだくさん。

ょいまるはニックネーム

お店の名前は、法人名が『地域と自然』なので、そう呼んでいたのですが、なかなか覚えてもらえなかったんですね。
地球と自然とか。
じゃあ、誰もが1回で覚えてくれる名前にしようと。
忍者にちなんだ土地なので『まる』を付け、小さな幸せを積み重ねていくと大きな幸せになるよ・・・という願いを込めて『ちょいまる』という愛称にしました。
それがお店の名前になり、最近では私の愛称にもなっています。
スーパーでお買い物をしているときも「あっ、ちょいまるさんだ!」と、声をかけられることもあります。

 

べるイベント・音楽イベントは必ず興味を持ってもらえる

昔から河原で色々なイベントをしてきところ、あることに気づきました。
植物について説明しても、なかなかおもしろいと思ってもらえない。
ところが「じゃあ今から野草の天ぷらを食べましょう」というと、みんな目が輝くんですね。
それか、今から音楽しましょう、歌いましょうと言うとノッてくる。
食べることと音楽は、やはりみんな楽しんだと発見しました。
そこからカフェをしたり、よし笛をしたり。
音楽は、河原や自然の中では電源がありませんので、エレキはできません。
自然素材の学期が良いなと考えた時に、川で生えているものとしたら葦(よし)。
ある時、よし笛を発見したので、よし笛を吹くようになりました。
よし笛は小学校で習うソプラノリコーダーと一緒で、最初から誰でも音を出すことができます。
難しいと思われる方も多く、フルートの日本版である『篠笛』と間違えられることもあります。
そのため、最初から音が出ないのでは・・・と思われる方が多いですが、大丈夫です。
25cmくらいと小さいので、持ち運びも簡単ですし、肺活量もそんなに必要ありません。
なので幅広い年代の方から挑戦できる笛なんです。
音色も優しく、そんなに大きな音も出ないので、お家でも練習がしやすいのも利点です。

 

ごみのパスタはこごみを採ることから

僕がこだわっていることは、こごみや葛など、良い物なのに邪魔もの扱いされている植物を使って商品をつくること。
とても手間暇がかかりますが、工夫を凝らしてたくさんの人に興味を持ってもらえるように作っています。

一例として、河原に生えている『こごみ』。
これを採ってきて。処理をして食べられるように加工して、それをパスタの麺の中に入れ込んで、ソースもそれで作って提供させていただいています。
採った後の処理に膨大な時間がかかります。
最近はお茶も扱うようになりました。
お茶も日本のソウルフードというかソウルドリンクなので、それを練り込んだ茶そばも始めました。
日本の自然そのままという感じですね。
ウチは普通のレストランではないので、冷凍食品や添加物は一切使わずすべて手づくりです。
お客様に怒られますが、営業時間も水木土日の週4日。
時間も12時から14時と短いです。
すべて手づくりのものを提供するためには、これ以上長く営業するのは難しいのです。
今日はお茶のプリンを作っていますが、香料を入れれば使うお茶自体の量を減らすことはできます。
が、そういうものを入れずに素材にこだわり、素材をたくさん入れて手づくりしますから、何をするにしても時間がかかります。
出来合いのものを出すくらいなら、ウチは営業しないという方針なので、そうすると営業時間がどんどん短くなってしまう・・・非常識なのはわかっているんですけどね。

 

べ46000人がクリーン活動に参加!

名張市には名張川と宇陀川が合流しているところがあります。
そこにはとても良い自然が残っているので、注目してもらいたいです。
川は雨が降ったら流れ込むところ。
そして雨だけじゃなくゴミも流れ込みますし、人の心も流れ込むので、そこを綺麗にするというのが出発点でした。
ゆくゆくは川を活用した経済の活性化ができればなと、始めてもう14年。
これまでに参加してくれた人数は、延べ46000人にのぼります。
昨年の伊勢志摩サミットで、一般の人も参加できる『おもてなし大作戦』が三重県中で行われました。
花を植えたり綺麗のクリーン活動を名張でも開催したところ、中心的な会場として鈴木知事も来て、一緒に活動をしました。

 

の顔が見える『生きもの図鑑』

『おもてなし大作戦』の日は、クリーン活動の後、『長靴ウォーキング』というイベントも行いました。川をずっと歩き、野鳥や植物を自然観察。
そこにはいろんな発見がありました。その発見を集めたものが『生きもの図鑑』です。

『生きもの図鑑』はすでに5〜6千冊販売しています。
一般の方でも楽しくなるように書いた図鑑なので、写真も多いです。
種類も厳選しました。
川魚の項目がありますが、魚を捕まえ、透明なケースに入れて写真を撮りました。
普通の図鑑だとあまり出てこない顔の写真も載っています。
やはり楽しくないと、ということで顔の写真は全部載せようと決めました。
カメラ目線をなかなかくれないので、写真を取るのが難しくて。
しかし見ていると愛着が出てくるというか、知っている人に似ているような気がするというか(笑)。
あるお客さんから、まだ字の読めない2歳の子どもが毎日見ていると言われました。
お母さんも一緒に毎日見ているので、だいたい覚えたそうです。
今度は図鑑を持って、フィールドに出てくれると嬉しいですね。
最近は電子書籍化もし、スマホの中へ保存しておけば、現地に行って見たいところだけ拡大できたり・・・と今の時代にも対応するようにしています。
本でもサイズはB6と小さくカバンに入りますし、できるだけ持ち歩きやすいように薄く軽くしています。
そのため、普通の本だと表紙が厚かったり、表紙の裏に白い紙が挟まれていたりしていますが、この図鑑では余分なページは一切作りませんでした。

日本の自然はとても寛容です。
それを全世界に向けてPRしたいと思っています。
たとえばよし笛の演奏を海外に広めていくとか。
5月にはよし笛コンサートも開催します。
また、名張川で色々なことをしながら、草の根運動でみなさんに自然を知ってほしいと考えています。