三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2017年5月7日

飲食店が1軒もない桧原地区を少しでも盛り上げようと、自動車修理工場だったところをリノベーションして2年前に営業をスタート!
今年3月から、埼玉から移住してきた中村康一さんが中心となりリニューアルオープン!
こだわりスパイスで作った宮川ダムカレーや、鹿肉を使ったジンギスカン『もみジンギスカン』などの料理を提供するほか、夏からは鮎のつかみどりイベントなども開催します!

清流宮川の上流域、かつて大杉谷村と呼ばれた、大台町桧原(きそはら)。
大杉谷といえば、大杉谷自然学校や宮川ダム湖観光船、そして自然豊かな地域です。
その旧大杉谷村の一角をなすのが桧原。
かつては林業で栄え、映画館もありましたが、今は過疎高齢化が大きな問題になっています。

 

そんな桧原の大自然の中に忽然と姿を現すお店『花…咲くところ』は、2年前にオープン。
飲食店が1軒もなかった桧原を少しでも盛り上げようと、元自動車修理工場をリノベーションして営業をスタートしました。
運営は、オーナーの中村賀代さんが代表をつとめるNPO法人。
そして移住者である中村康一さんが中心となって切り盛りしています。
人気は、地元でとれた鹿肉などを使ったジビエ料理。
季節になると、すぐ下を流れる宮川で鮎のつかみどりや、バーベキューなど、体験型イベントも開催しています。

 

テラス席からは清流宮川が!
今の時期は緑が綺麗ですね。
これからは良い気候となるので、テラス席で食事をいただくこともできます。

 

『花…咲くところ』の自慢の料理は『もみジンギスカン』
ラムの代わりに使うのは、地元大杉谷で捕獲された鹿肉。
秘伝のタレにつけて焼いていきます。
タレと鹿の脂が野菜に染み込んで、とっても美味しいです!
臭みがまったくなく、赤身なのに柔らかい!
もともと鹿肉は柔らかいそうですが、タレに漬け込むことで、さらに柔らかくなるとのこと。
獲れたての鹿を使っているので、要予約となっています。

 

一番人気は『宮川ダムカレー』。
カレールウがダム湖の水、そしてご飯がダムを、パプリカのピクルスはダムの水門をあらわしています。
14種類のスパイスを使い、8時間以上煮込む鹿肉入り本格カレー。
スパイスがとても効いていて、香りもよく、後から辛さがやってくる感じです。
鹿肉がたっぷり入っていて、どこを食べても鹿肉の食感があるのがうれしいですね。

 

他にも肉うどんや猪の塩焼き、鹿の串焼き、猪肉・鹿肉のしゃぶしゃぶなど、大杉谷の自然が味わえる料理が盛り沢山です。

 

「大自然と人のあたたかさがあったので、ひとりで越してきてもやっていけると思ったのが、こちらに来たきっかけです。
ストレスのない生活で、日々楽しくやっています。
これまではなんでもお金を出して買えばすみましたが、ここでは買うところがないので、自分で工夫する必要があります。
なんでも自分でしないといけないので、たくましくなったと思います」

と、これらの料理を開発した中村康一さん。
実は中村さんは東京の出身。
若い頃から田舎での暮らしに憧れ、全国各地で開催されている移住セミナーに参加。
その1つで、ここ大杉谷を知り、何度か通ううちに移住を決意しました。
そして、オーナーの中村賀代さんからの出会いから、『NPO法人大杉谷さいこうプロジェクト』の理事に就任。
この宮川の清流を見下ろす『花…咲くところ』で働きはじめました。

 

そんな康一さんをサポートするのが、オーナーの賀代さん。
うまれ育ち、結婚をして子を育てた桧原に、何か恩返しがしたい・・・そんな思いから、この店を立ち上げました。

「夫が亡くなって10年たち、ここで何か役に立つことをしたいと思いました。
一人でも多くの人に来てもらい、みんなが和む集いの場、外から来た人と地元の人との交流の場を作りたかったのです。
みんなに楽しんでもらい、移住する人が一人でも増えたらうれしいです。
また、みなさんとお話することで、自分も元気が出るので続けたいです」

康一さんはマイペース。
賀代さんがせっかちなので、2人合わせてちょうど良いそうですよ。

 

康一さんが向かったのは、原木しいたけを育てている生産農家の谷口さん。
かつて桧原で盛んだったシイタケの栽培。
その復活も康一さんの夢のようです。
このホダ木にはまだしいたけはなく、1年8ヶ月後にできる予定だとか。
しいたけは、すでにお店で提供しており、加工食品としてネット販売もしていくことも考えているそうです。

 

こちらは康一さんが借りている家。
オーナーの賀代さんに世話をしてもらいました。
まだここで生活して8ヶ月目ですが、すでに敷地内の畑で野菜をつくり、田舎ぐらしを満喫しているようです。
店で出す野菜は、なるべく自分の手で作りたい。
それが康一さんの意気込みです。

「まずはここで収穫したものをお客様に出せるようにし、ゆくゆくはお弁当の配達、加工食品のインターネット販売もしていきたいと思っています。
そして地域の方々にお店で働いてもらい、お給料を支払えるようにしていきたいですね」

と、康一さん。

 

『花…咲くところ』。
のんびりと訪ねてみてはいかがですか。