FM三重「ウィークエンドカフェ」2011年11月05日放送

今回のお客様は、紀伊長島にある『手作り工房ワーイワイ』の井谷三枝子さん。
16年介護の仕事をしていた井谷さんは、人との交わりや触れ合いをとても大切にしています。
その経験を生かして、地域のお年寄りたちに「家にこもらんで、みんなで遊びましょ」と声をかけて始まったのが、『手作り工房ワーイワイ』。
古紙古布を使っての作品作りに取り組んでいたところ、徐々に周りの人たちも興味を持ってくれて、工房の活動が盛んに。
今では、オリジナルの商品づくりをするほどになりました。


■今が一番忙しいと聞きましたが…

干支の人形を毎年作っているんで、忙しいですよ!
作りはじめて、今年で7年目なるんですが、毎年予約が増えているんで大変です(笑)
去年150体だったかな。
完成品だけでなく、自分で作りたい人用のキットも用意するんですが、これを作るのも大変なんです。
でも、安いし自分で挑戦したいという人もいますからね、お店に来て作る人もいるんですよ。

他にも年末恒例の『年末港市』に向けての景品づくりもあってね。
手作りのポチ袋を35000枚作ったり、観光バスでいらっしゃるお客さん用の箸袋を2000袋作ったり。
あんまり大変なんで、さすがに今年はもうやめようと思ったんだけど、今年はお客さんがすごく多いって聞いて、じゃあやろうかと。
だって、去年49台だったのが、今年189台来るっていうんですよ!
もう全然景品が足りなくて、どうしよう(笑)


■生きがいづくりを!

時間に余裕ができた今だからこそ、生かせる時間があるでしょ。
社会に生かされて、自分が必要とされているということを感じることが大切なんです。

仲間はいい人ばっかりですよ!
ケンカしながらも、みんな火・水・木・金曜日の10時から3時(15時)に来ますもんね。
いろいろあーだこーだ言ったら「やかましい!」って。
女はうるさい動物やで、まとめる人が必要なんですよ(笑)

毎日来てくれる76歳のおばあちゃんもいます。
家にいたらTV見るばっかだけど、来たら色々作ったり体験できるでしょ。
それだけじゃなくて、外に出るからにはちゃんとお化粧したり、着るものも考えたり…生活にハリが出るんですよね。

イベントにもどんどん参加したいんですけど、旦那さんやお孫さんの面倒があったりで、難しい時もありますね。
やっぱり人手が欲しいんで、参加してくれた人にはちょっとだけサービスしています。ボランティアだけじゃなく、少しでも喜んでもらえるような…言うたら、100グラム100円の肉を買うところを200円のが買えるくらい…そのくらいのサービスです(笑)


■工房ワーイワイの一世一代の作品!

きっかけは、「美し国おこし・三重」の事業で、何かしたい!と思ったことでした。
紀伊長島で何百年前から続く『船だんじり』という伝統行事があるんですけど。
これはカツオの一本釣りを模して、餌に見立てた飴を撒くという行事なんですね。
長島では「日帰りカツオ」というのも盛んなので、カツオの形を生かして、何か作れないかと。

それでできたのが一世一代の作品、『かつおの抱き枕』!
松阪もめんを使って、中には尾鷲ひのきと綿を詰めたもので、カツオの形をした抱き枕なんです。
この商品は「美味し国おこし・三重」にも登録され、助成金もいただけることになりました。


■納得のいく人生を

目的ってわけでないけど、家にこもっていないで何かしていたら、TVや新聞に紹介されて。
最初の頃は周りの人に「ま~た出とったな」と言われていたのが、最近では「がんばっとんな」と声をかけられるようになったのが、嬉しいですね。
怒ったりすることがあっても、翌日になったら反省して、また工房に行って。

お姑さんがが3年前、92歳で他界したんですが、いつも「人に喜ばれることをするように生きろ」と言われてましてね。
起きられなくなってからは、お姑さんにとっても私にとっても「納得のいく人生」だったろうか…と考えたり。
年寄りはいつか自分の行く道ですからね、優しくせないけませんよ。

■20年に一度の『御造営奉祝祭』!

平成23年11月5日は、20年に一度行われる長島神社の『御造営奉祝祭(ごぞうえいほうしゅくさい)』なんですよ!
本町や新町や他にもいくつかの町…全部の町が、それぞれ特色のあるハッピや浴衣を着ましてね。
踊りも町ごとに全部違って、地域が湧き上がるようですよ!
町から神社まで、踊って踊って…踊りで祭りを盛り上げるんです!
そりゃもう、素晴らしいです!