三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2017年5月14日

毎月4と9の付く日に、四日市市富洲原地区で開催されている青空市場『四九市』
青果・海産物など 地区の物産品が販売され、出店者は地元富洲原地区をはじめ近隣地区からも!
昭和29年にスタートして以来、地元に根ざした市として、多くの方々の憩いの場としても愛されています!

こちらは四日市市の富洲原地区で開催されている『四九市(しくのいち)』です。
『四九市』とは昭和29年から60 年以上にわたって、地元の人に利用され、愛されてきた「毎月4と9のつく日」に開催されている青空市場のことなんです!市は、地元の自治会の管理のもと、四日市共栄会が運営。
現在22軒のお店が参加しています。 

 

『四九市』当日の準備の様子。
『四九市』が開催されている場所は、普段はごく普通の道路。
なので、市の日は、みなさん、テントや屋台を作るところからスタート。
朝から準備に追われます。

 

こちらは青果店。
実えんどうやそら豆など、旬のモノから、掘り出しモノ・お値打ちなモノまで取り揃えています。

「父の世代から、50年以上出店しています。
やはり良いものをお値打ちに販売できるのが魅力です。
お客さんの顔を見て、商品説明をすることで喜んでもらえますし。
毎週来るお客さんも多く、友だちみたいになっていますね」

と、店主の仮屋さん。

 

続いて菓子店。
商品が少ない気がしますが、なんとテントが立つ前の朝早くにお客さんが来て商品が売れてしまう、人気のお店なんです!

「お菓子は手づくりですし、パンも娘が焼いているんですよ」

と、小澤さん。

 

一方こちらは佃煮と漬物屋さん。
一番売れているのはアサリのしぐれ煮。
こうして味見をしながら購入できます。

「お店を出して、今年でちょうど50年です。
お客さんとの対話があるのが楽しくて、病気は風邪ぐらいしかしたことがありません」

と、中崎さん。

 

履物を扱っているのは、『四日市共栄会』代表の犬飼正雄さん。
『四九市』でも一番の古株で、なんと市がスタートした昭和29年から出店しています!

「始めたのは23歳の頃でした。
現在『四九市』で地元の富州原地区から出店しているのはもう4〜5軒。
他は桑名や四日市など、近隣の地域からの出店が多いですね」

 

午前9時をまわって、『四九市』の客足も増え始めました。
テントの前では、買い物を楽しむお客さん、会話を楽しむお客さんと、青空市ならではのアットホームな雰囲気を感じます。

『四九市』に並んでいるのはその日の朝仕入れてきた新鮮な野菜や海産物。
他にも、佃煮や漬物などの加工品、卵、そして、お花など。
ごはんのおかずから日用品まで、地域のみなさんの暮らしを支えてきました。

 

「せっかくの市の日なのでたくさん買いました。
住まいが近所なので、よく来ています」

「晴れた日はなるべく来ます。
小さい頃からある所なので、ここに来るのが当たりまえと言うか、生活のひとつになっている感じです」

 

一方、こちらでは『富洲原在宅介護支援センター』による、健康チェックを開催。
毎月1回、健康や介護についての無料相談を行っています。
出店者のみなさんも訪れ、顔見知りになっているそうです。

 

『四九市』を管理する『松原連合自治会』会長の坂本寛さんに、この市の歴史についてお聞きしました。

「以前は、向こうに東洋町というのがあり、東洋紡績の東洋を取って繁華街の通りがありました。
それと同時に併用して、この『四九市』を開催していたんです」

 

初めは小さな市だった『四九市』が大きくなった理由。
それは、四九市のすぐ側にある『東洋町商店街』にありました。
この商店街は、かつて、この地区にあった紡績工場で働く人で、賑わいました。
しかし、昭和40年頃からの繊維不況により、平成に入り紡績工場は閉鎖。
東洋町商店街への人の流れが変わり、次第に、賑わいが失われていくようになりました。
その打開策として、地元の人が注目したのが『四九市』。
以来、地元自治会も、市(いち)の運営をサポートし、出店者と一緒に地域のにぎわいを作ってきました。

「この『四九市』が撤退すると町自体が衰退してしまう。
だから集客できるよう、出店者に努力してもらいながら続けています」

と坂本さん。

 

「今の課題は、店舗数の減少と後継者がいないこと。
それから人がなかなか集まってくれないということですね」

「この市が続くために取り組んでいることは、新鮮な商品をお値打ちに提供する。
これが一番の基本です」

四日市共栄会役員の亜師村伸介さんと、仮屋尚義さん。

 

「『四九市』が地区の人に気楽に来てもらって、喋って、笑って帰って行ってもらえる存在であってほしいですね」

と、犬飼さん。

 

毎月4と9の付く日は『四九市!』ですよ!
みなさん、来てくださいね!!