第161回『サルシカ隊長レポート』2017年5月

吉野熊野国立公園を代表する景勝地・瀞八丁の崖のうえに建つ、築100年以上「瀞(どろ)ホテル」。その名前のとおりもともとは旅館であったが、2013年に先代の息子夫婦が、食堂・喫茶として営業を再開。
まるで童話の世界に出てくる仙人やもののけの宿を、カヌーツアー途中のサルシカ隊長が訪ねた・・・・。

 

えっとですね・・・・
最初に断っておかないといけないのだけれど、今回訪ねた「瀞ホテル」は、奈良県にあるのだ。

「えええええええええ!!」

ゲンキ3ネット関係者のみなさん、いま思いきり反応しましたね。

でもね、本当なの。
三重県じゃないの、ごめんなさい。

三重の情報を伝える「ゲンキ3ネット」なのに奈良県を情報を載せるのはそりゃあいかがなものかと思うけれど・・・あまりに素敵なところだったので、「ゲンキ3ネットに載せさせてください!」ってご主人に言ってきちゃったんだもの。
ちゃんと調べるまで奈良だって知らなかったんだもの(笑)。

ま、そんなことでどーかひとつお許しいただきたい。

 

さて。
この「瀞ホテル」の本館が建っているのは奈良県だけれど、吊橋(現在は使用不可)を渡ったところにある別館はなんと和歌山県に存在する。
そして本館と別館から瀞峡をはさんで見える対岸は三重県なのである。

つまりここは3つの県が重なっている「三県境」と呼ばれるところで、川をちゃぷちゃぷしたら三重県熊野市なのだ。
というわけで、基本情報のエリアも強引に熊野市に登録して、情報をお伝えしちゃうのだ(笑)。

 

 

瀞ホテルは、瀞峡のバスのロータリー(行き止まりなのでぐるりと転回するところ)のすぐ下にある。
つまり崖をくだったところにあるので、バス停からはその姿は見えない。

いったいどこにそんな建物があるのかとウロウロしつつ、とりあえず瀞峡の景色を楽しむかと下を覗き込んで、そこに悠然と佇む和風建築に息を飲む。
その向こうに広がる瀞峡の景色も驚くから二度息を飲む(笑)。

 

 

こんな味わいのある階段をおりて瀞ホテルの玄関方面へ・・・・。

あ、ちなみにサルシカ隊長のわたくしは写真右ね。
左は、県内の銭湯をすべてめぐり、いま日本中の銭湯巡り歩いている銭湯評論家のケロリン桶太郎。

実はこの日は、この瀞峡をカヌーでくだろうとやってきたのだ。
そしてまずは食堂・カフェとして営業している「瀞ホテル」で腹ごしらえをしようではないかと考えたのだ。

 

 

瀞ホテルの玄関まえ。
崖の形を利用して作られているので、なんとも不思議な空間が広がっている。

川はずっとずっと下なので、見下ろすと怖い。

 

 

それにしても、このすばらしい眺めはなんだ!!
すばらしすぎるじゃないか!!

瀞ホテルの下・・・急勾配の坂を押していくと・・・ウォータージェット船の乗船場がある。
このウォータージェット船でやってくることもできる。

 

 

こちらの「瀞ホテル」は、大正6年に「あづまや」として開業。
山で切り出した材木で筏を組んで運ぶ「筏師」のための宿からスタートしたという。

昭和初期には「瀞ホテル」という名前に改称。
その当時は、周辺に他の宿もたくさんあり、このあたりは宿泊地として賑わっていたらしい。

1993年。
多くのファンに惜しまれつつ閉館。

築100年以上の歴史ある老舗の宿がその役割を終えた・・・
かに見えたが、その10年後の2013年、先代の息子さん夫婦がカフェとして営業を再開。
現在、絶景のカフェ・食堂として営業し、話題になっているのだ。

 

 

店内の様子。
メインの席は、窓際のカウンター席。

景勝地・瀞八丁を「これでもか!」というぐらい見下ろすことができる(笑)。

 

 

お水が出てきただけで、こんなに絵になるのですよ。
わたくしだけじゃなく同行者も写真撮りまくり(笑)。

この日のランチメニューはハヤシライスしかなかったが、たまたまであろうか。
事前にいろんなブログなどを調べていたら、定食のようなものもあったような気がするのだけれど・・・・。

 

 

食事の用意ができるまでの間、二階を見学させていただいた。

大広間から。
ここで落語なんかやったらさぞすばらしいことだろう。

 

 

もう文句なしに眺めは最高!!
高いところが苦手な人には文句なしに恐ろしい。
わたくしは怖くて立ち上がることができない(笑)。

 

 

他にも店内には歴史を感じさせるものがいろいろと展示されている。

 

 

大正モダンって感じの洗面所。
古いだけじゃなくて、それにセンスよく手が加えられている。

 

 

オーダーしたハヤシライスがやってきた。
窓際のカウンター席にもどっていただく。

コクがあってまろやか。
手間ひまをかけてつくった正統派のハヤシライスだ。

マフィンも人気のようだが、お腹をいっぱいにしてしまうとカヌーに乗るのが苦しくなるので遠慮しておいた。
今度はゆっくりとお茶も楽しみたいものだ。

 

 

三重県内においても北勢、中勢からだと決して近くはないところである。
三重県の県庁所在地である津市からは、片道で150キロ近くあった。

が、たまには少し足をのばして、絶景の中で食事とコーヒーを楽しんでみてはいかが。
お隣とは思えない旅気分が味わえますよ!

 

*瀞ホテルの連絡先などは基本情報をご覧ください。