三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2017年6月4日

衰退していく町をなんとかしようと、地域の大きな資源である広の浜の美しさを知ってもらい、地元で獲れた魚介類などを提供しようと、今年の1月『海女小屋体験 火場・広の浜』をオープン!
実際に海女さんによる漁が行われる広の浜を目の前にのぞみ、海女の歴史や道具の展示を見学できるほか、炭火で焼いた魚介類を味わうことができ、施設自体の貸し出しも行っています!

こちらは志摩市和具の広の浜です!
本当に本当にきれいな景色!
すばらしい海が拡がっています。

そしてなんとこの海は海女さんたちが漁をする漁場となっていて、実際に海女さんたちが漁をしている姿を見ることができます。

 

そんな風景を独り占めできるのが、今年1月にオープンした『海女小屋体験 火場・広の浜』。
太平洋の大海原を目の前にして、海女小屋の雰囲気を楽しみながら、志摩の海鮮料理に舌鼓をうち、憩いのひとときを過ごせる体験型施設。
運営は、志摩市に住む元漁師や元教諭、経営者などでつくる『志摩なぎさ企画』が行っています。
3名以上で予約可能なコース料理から、伊勢海老やアワビなどの追加もOK!
施設だけのレンタルにも対応しています。

 

『火場・広の浜』の海女小屋には、海女の仕事ぶりを伝える写真や、実際に使っていた漁具が数多く展示され、志摩の海で生活してきた海女の文化、そして歴史を紹介しています。

 

『火場・広の浜』の竹内壽治さんに、この海女小屋風の建物を作った経緯をお聞きしました。

「昨年開催された伊勢志摩サミットが決まった時に、志摩地区が少子高齢化で寂れる一方だからなんとかしないとという話になり。
この土地を持っているメンバーに、使わせてくれないかと聞いたところ快諾してくれたので、食事をしてもらう場所を提供しようとなりました」

 

草がぼうぼうだった状態からスタートし、地元を中心とした10人の男性が、自分たちで資金を出し、知恵と身体を使って作り上げました。
もちろん大工さんは雇ったものの、みなさんもお手伝いして作った、まさに、おとなの秘密基地です。

 

仕入先は、志摩半島の先端、御座漁港、メンバーの1人が営む『海産物卸・小売 山吉』。
伊勢志摩の海産物だけを取り扱っているこちらで、生きのいいサザエやアワビ、伊勢海老を仕入れます。

「他の地域から来た人に、この地域の食材を食べてもらい景色を見てもらい、堪能してもらってまた来てもらう・・・その思いでみんなでやっています」

と、『山吉』の山川義春さん。

 

海女小屋に戻ると、メンバーが火をおこしてお客さんを迎える準備中。
海女の格好をしたスタッフは、志摩名物の手こね寿司をつくっていました。
こちらもコース料理のひとつです。

 

この日のお客様は、地元の婦人会のみなさん。
こちらでなんと3人前。

 

つきだし・さざえ2個・バタガイ2個・干物2種・いか焼き ・手こね寿司・煮物小鉢・あおさ汁・漬物小鉢が付いて『広の浜御膳』は3500円。
さらにちょっと贅沢して伊勢海老とアワビを追加しました。
なんとも贅沢なランチですね!

 

香ばしい磯の香りが立ち込めると、思わずお母さんたちも会話を忘れます。

 

「きれいな景色を見ながら、美味しいものを食べられるのは素晴らしいですね。
映画を見ながら食べているみたいです」

「やっぱりアワビが最高です!
こんなにすごいアワビ、普段は食べられませんから」

「場所も広く、夜とか星空とかキレイだと思うので、そういうイベントにも良いと思います」

と、婦人会のみなさん。

 

お客さんが帰った午後、メンバーのみなさんが動き出しました。
男性は物置の塗装。
女性は除草作業です。
自分たちの手でつくりあげたおもてなしの城を、こうして手間ひまをかけて守っています。

「この地域は本当に少子高齢化が進んでお店もなくなり、地元の人もなかなか行き場所がなくなってきています。
そういう人たちが気楽に来てくれて盛り上がってくれる場所になってほしいというのが私たちの思いです。
景色と食材と雰囲気を兼ね備えた場所なので、みなさんが喜んでくれたらもっともっと広がっていくに違いないと、夢と希望を持っています」

 

みなさんも『火場・広の浜』で、おいしい海女小屋体験をしてみませんか?