三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2017年6月11日放送

鈴鹿峠のふもと、亀山市坂下にある天文台を拠点に活動する天文愛好家グループ『坂下星見の会』は定期的に星空観察会を開くなど、星空や宇宙を身近に感じてもらえるイベントを開催!
今回は春の星空観察会の様子を紹介します!

関宿から、国道1号線を滋賀方面へ。
鈴鹿峠のふもとに、かつての宿場町「坂下(さかした)」はあります。
こちらは廃校になった小学校の木造校舎を利用した体験型施設『鈴鹿峠自然の家』。
その敷地内にあるのが天文台『童夢(どーむ)』。
天文ファンの間では、密かな人気スポットになっています。

 

その『童夢』を拠点に活動する天文愛好家グループが『坂下星見の会』。
代表の瀧本麻須美さんに、お話をうかがいました。

「最初は自分たちで見るだけの小さな楽しみでした。
天文は一人でも楽しめるので、単独で見ている人が多いのですが、折角だからみんなで集まって意見交換をして知識も広げようと。
話が弾む場にしてもらいたいと、続けています」

子供会の小さな星空観察会からスタートした『坂下星見の会』。
気付いてみれば、活動はもう15年以上になりました。
定期的な星空観察会のほか、星空や宇宙を身近に感じてもらえるような様々なイベントをこれまでに開催してきました。

 

拠点となっている天文台『童夢』。
口径400mm、反射望遠鏡と口径115mm屈折望遠鏡を、各1台備えています。
天井のスリットが開き、外からの余分な光をカットし、天文台の中で星を見るとようになっています。
覗くのは横から。
天文台の望遠鏡は、やはり普通のものとは違うんですね!

 

この日は、『春の星空観察会』の開催日。
天文台の隣、鈴鹿馬子唄会館では、メンバーのみなさんが準備に追われていました。
現在、『坂下星見の会』のメンバーは、およそ40人。
近隣に住む星空愛好家だけでなく、県外から参加しているメンバーもいるそうです。

 

「ここができたときから入会しています。
星が見えることと、同じ趣味の友達ができて、話が盛り上がるのが楽しいですね」

と、顧問の不破為和さん。

「僕は名古屋なんですが、市内からだと星の見えるところがけっこう遠いんです。
それに仲間と一緒にやる方が楽しいですから」

と、メンバーの近藤正浩さん。

「小学生や中学生の子どもたちに、お話しすることで、さらに星が好きになってもらい、未来の天文学者が出て来てくれたら、もっといいですね」

と、同じくメンバーの千草啓義さん。

 

天文台前では沢山の人が集まり、準備中。
なぜ天文台があるのに、天体望遠鏡を準備しているのでしょうか。

「たくさんの望遠鏡で、夜空で見える色々なものを見てもらいたいと思って。天体望遠鏡のタイプも様々なので、同じ星でも見比べて楽しんでほしいです」

と、メンバーの宮本秀明さん。

 

さあ、いよいよイベントがスタートです。
参加費無料、申込み不要で星空観察だけでなく、様々な催しが楽しめるようになっています。
行っているのは、星座のランプシェードづくり。
ランプを囲む星空のイラストは好きな星空を選んで、作ってもらいました。
さらに今回は、笑いを交えた星座解説で人気を集める『星のお兄さん』のトークコーナーも開催しました。

 

暗くなり、星空観測が始まりました!
行列ができるほどの盛況ぶり!
みんなで順番に、天体望遠鏡を覗きます。

 

「木星が見えた! 縞々だった!」

「月を見ました。初めて見て感動しました」

「もっと見たい! 望遠鏡が欲しくなった」

と、参加したみなさん。

 

さらにこの夜見えたのは、『プレセペ星団』と『アルクトゥールス』。
プレセペ星団は星がいくつも集まった星団、アルクトゥールスは大きくきらめくオレンジ色の光です。

 

「まだまだわからないことが宇宙にはたくさんあるので、それを少しでも覗けるというのが好きです」

「自分たちも長く活動してきました。
次は子どもたちが成長して、ここをホームグラウンドにし、星を見るという活動を広げていってほしいと思います」

と、メンバーの越山多加子さんと田尾明久さん。

「子どもたちに望遠鏡を通して色々見てもらったり、講座に参加して知識を持ってももらったり。
『ゆくゆくはJAXAへ行きたい』とか、『宇宙飛行士になりたい』という夢持ってもらえるというのが、私たちが提供できる『良いこと』かなと思います」

と、代表の瀧本さん。

 

見上げてごらん、夜空の星を。
坂下星見の会のみなさんは一人でも多くの人に夜空を見上げてもらおうと
出前教室を開いたり、遊んで星に親しめる『星かるた』の作製など様、々な工夫を凝らして、
星の、夜空の、そして、宇宙の魅力を伝えています。

※『ペルセウス座流星群観察会』8月開催予定