第162回『サルシカ隊長レポート』2017年6月

発作的にはじまった「サルシカ隊長のふと立ち寄ってみたシリーズ」。第1回は松阪IC近くの「泉の森」を訪ねます。

 

車を運転していて、ふと目に入る看板・・・・。
パッと見はそんなに気にならないのだけれど、よーくよーく考えると、じわじわと気になってくるものがある。

みんなには何かも知れないけれど、わたくしにはある。

それが、まず最初に取り上げる松阪インター近くの交差点にある看板「泉の森」なのである。

看板を目にした直後は、
「ふーん、そういう名前の森があるのね」
ぐらいな認識であった。
が・・・
「あ、おいちょっと待てよ、森の泉だったらあのタレントじゃないのか・・・・」
となり、通り過ぎる頃には、
「ひょっとして、湧き出る泉がある森ってことか・・・!? 誰も気に留めないけど、実は結構神秘的で美しいところじゃないのか・・・!?」
などと思い至るのである。

が、その頃にはすっかり車は件の看板を通り過ぎており、わざわざUターンをするのも面倒だし、おれ結構仕事が忙しくて先を急いでるし、早く昼めしのラーメン食べたいし、そういやさっきからおしっこがしたいし、と言い訳を思い浮かべながら過ぎ去ってしまい、また今度確認すればいいやと思いつつ二度と思い出すことはない。

普段なら間違いなくこうなのだ。

 

 

なので。
今回はUターンしてみた。
いや、こうやってひとつずつ気になるものを取材していくレポートがあってもいいのではないか。
これがネットならではの展開ではないかと本気で思ったのだ。

Uターンをして来た道を戻る。
さきほどの看板があった交差点を今度は逆方向から眺めつつ通り過ぎる。
そしてちょいと先で改めてUターンし、わずか3分ほどまえに走った道を再び走る。

看板が見えてきた。
助手席にいた妻に看板の写真を撮ってもらう。

信号に、「泉の森」・・・しかも入口とまで案内があるのだ。
これはそれなりにそれなりのスポットに違いないのだ。

わたくしは別にあった看板に従い、ハンドルを左へと切ったのであった。

 

 

 

田んぼに挟まれた農道らしき道をいく。
正面には雑木林らしき茂みが見える。

あれが「泉の森」であろうか。

 

 

茂みに突き当たり、道は茂みに沿って左へと折れる。
看板も案内もない。
この茂みがその森なのであろうか。

 

 

車を停めてみるが、下草がかなり生えていて、とても中に入れそうにない。

「泉の森」から連想するイメージは天使とか小人であるが、この様子からだとケモノとかモノノケという言葉が浮かんでしまう。

「さすがにここじゃないんじゃない?」

妻の声にはあきらかにすぐさまここから立ち去りたい願望が伝わってきた。

 

 

が、車を動かしてすぐ、残念な看板が目に入ったのである。
やはりここは「泉の森」だったのだ・・・。

「やっぱりここだよ。細かい字は読めないけど、ちゃんと書いてある」
「まさかこの草むらの中に入るの?」
「いやだってオレ、サンダルだもの。さすがにここに入るのはオレでも嫌だよ」

たぶんちゃんとした入口があるはずだから、ぐるっと回って探してみよう、ということで再びエンジンをかけた。

 

 

森に沿うように車を走らせる。
が、裏の方は人家が連なり、その通りを抜けると、あっという間に元きた場所に戻ってしまった。
つまり森を周回してしまったのだ。

 

 

で、再度、同じ道を走って、なんとか足を踏み入れることができそうな場所を見つけて、超嫌がる妻を引き連れて森に入る。

「いや〜〜〜!!!」

妻が悲鳴をあげる。
振り向こくと、彼女は両手をぶんぶん振り回している。

「すごい蚊!! もうあちこちにいる!!!」

 

 

東屋らしきものが見えたので、なんとかそこまで行こうとがんばる。
が、下草がどんどん茂りはじめ、ちょっとサンダルでいくのは無謀な状態になった。

そばには水路らしきものもあったが、水はまったくなく、ずいぶん長く干上がっているようであった。

家に戻ってからいろいろネットで調べたところ、わずかであるが情報が見つかった。

さきほどの看板にはこのようなことが書いてあったらしい。

泉の森
旧大神神社の境内にて泉があるので泉の森を呼ばれている。
この水で近隣の水田を養っており、又松阪城主・古田織部正が茶の湯に使用したので、
城主より社領として十石を給わって居た。
大神神社は大物主を祀り延喜神名帳五鈴遺響に記述されており
一志郡、飯南郡の祖を祀り飯南郡第一の大社と言われていたが明治四十一年伊勢寺高福神社に合祀された

 

どうやら本当に豊富な湧き水が出る泉があったのだ。
が、いろんな方のブログなどをチェックしたところ、2010年ごろまでは出ていたようであるが、その後はほとんど枯れてしまっているような状態のレポートばかり。
たまたまタイミングがわるかったのか、それとも季節の問題の可能性もあるので、断定はできないが、少なくとも今回、行けるところまで行って水路を確認したところでは、水はまったくなかった。

 

 

え、まさかこれでレポート終わりかって?
うん終わり(笑)。
ま、こういうこともあるのが、このシリーズってことで、次回へとつづきます!(笑)

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