FM三重「ウィークエンドカフェ」2011年11月12日放送

今回のお客様は、尾鷲市でマグロの卸売り、海産物の加工販売をしている、『尾鷲金盛丸』の村瀬晃健さん。
今年の7月に直販のお店をオープンしました。
小売は初めて。大変だけど楽しい。
村瀬さんはそう、笑顔で語ってくれます。

■名古屋から尾鷲に戻ってきて、海産物加工のお仕事を継ごうとされているとか…

はい、僕は名古屋でIT関係の仕事をしていたのですが、昨年、こっちに帰って来ました。
ウチは『まぐろの角煮』が名物でして、今までは家族だけでやっていたのを、今年から3人のパートさんに入ってもらって。

もちろん、思いを共有してくれる人たちです。
そういう意味では、比較的仕事をしやすい、新しい展開を考えやすい環境を作ってもらっていますね。

『尾鷲金盛丸』の四代目というプレッシャーは、実はないです(笑)
名古屋から尾鷲に帰ってくる時、「こういうことがしたい」「尾鷲に対してこんなことできたら良いな」という思いは既にあって、その手段としていろいろやっている…というか、好きなようにやらしてもらっているのが今ですね。
失敗しても良いと思っています…立ち上がれないほどのは困りますけど(苦笑)

今は毎日が楽しいですね!
充実感は、名古屋にいた頃と全然違います!
前の晩に「明日はああしよう、こうしよう」と考えて、朝起きたら、「さあ今日もやるぞ!」って。
名古屋にいた頃は、「今日も一日はじまるのか…」って(笑)。
一日一日、目的があるのとないのでは、えらい違いです。



■これからの港町への思いは…

この地域は、ふらっと寄れるような場所ではないんですよね。
何もなくて…。
今後の夢としては、賑わいが出て欲しいです。
そのためには、食べるところも欲しいし、泊まれるところも欲しいし、何か体験できるような場所も欲しい。
つまり、(店のある)通りで完結できるような…そんな形ができるのが、夢ですねぇ。

昔はこの辺りにも、駄菓子屋や銭湯もあって、子供たちもワイワイいたんですよ。
今は外で遊んでいる子がすらいない状態。
やっぱり寂しいですよね。

だけど、それだけに、これからストーリーが描ける町なんじゃないかと思うんです。
港町の長屋チックで、情緒があって…実際問題、空き家が多いので、これを利用して何かできないかな…と、考えています。



■これから村瀬さんがすべきことは?

ウチは昔から、角煮・干物・生の魚を扱っていたわけで、それを続けてきた親はスゴイと思います。
僕が帰って来てからしたことは、販路の拡大だったり、システムを変えたり、固定費を抑えたり…。
これからは(魚の)技術を磨かないと、と思います。
そっちに行くのはどうかな、と思ったりもしますけど、できないと魚屋じゃないですしね(笑)

ただ、勉強は続けていくつもりです。
名古屋では経営に関する勉強もしていて、今も続けています。
自分の考え方以外の考え方を聞くことで刺激も受けるし、いろいろな経験もできますし。
ただ、いろいろな経験をして、たくさんの人の話を聞いても、最後は自分の考えが大切だと思っています。

先週、仲間で上海へ視察に行ったのも、良い経験になりました。



■携帯電話で情報発信?

やはりナマモノを扱っているので、入った情報はすぐに伝えたいです。
「コレできたよ!」「この魚が入ったよ!」など、すぐに欲しい人には、情報発信をしています。

しかし、尾鷲はネット環境が整っているとは言いがたいので、携帯電話のメールアドレスへ直接。
「今日はこんなん揚がったよ!」と配信すると、気になっていたお客さんは、すぐ買いに来てくれるんですよ!

特に『マグロの中落ち』は大人気ですが、毎日あるとは限りませんし。
インターネットやツイッターは便利だけど、やっぱりメール。
メールなら、お年寄りもできるでしょう。
昔はみんなお店にワーッて来たものだけど、今はそうも行かないので、一番簡単な方法で情報発信しているんですよ。
沖ギスやイサキのすり身や出来立ての干物…かなりお得な情報もありますよ!

メールの登録は、お店に来て、登録の申込用紙に書いて下さい!
インターネットのHPだけを見ているお客さんも大事だけど、やっぱり実際来てくれるお客さんを大事にしたいんですよ。
登録者ですか?
今はまだ7名くらいです(笑)