三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2017年6月18日放送

大阪から移住してきた夫婦が営むカフェ『古民家cafeこのは』!
古民家を探していたところ、名張市内で空き古民家を見つけ、その立地条件などを気に入り、購入、そして、移住を決意。
名張市が取り組む「若者移住定住チャレンジ支援事業」の補助を受け、店をオープン!
出来る限り地元食材を使ったランチメニューは好評で、市内外から多くの人が訪れ、さらに、カフェは地域の新たな交流の場にもなっています!

近鉄赤目口駅に程近い名張市の井手地区に、今年1月にオープンしたばかりの『古民家カフェこのは』。
大阪府羽曳野市でテイクアウトの店を営んでいた内本さん夫婦がこちらに移住し、お店を切り盛りしています。
3年前に物件を購入。
大きな工事以外は、自分たちでこつこつとリノベーションしてきました。
木のぬくもりと手作り感、そして地元食材にこだわった家庭料理が人気で、なんとランチは2週間先まで予約でいっぱいだそうです。

 

『古民家caféこのは』の内本良さんはこの賑わいを予想していたのでしょうか?
お話をうかがいました。

「正直、まったく予想はしていませんでした。
店が軌道に乗るまではおそらく1年以上かかるので、それまでは厳しいだろうと。
しかし最初に市の広報に載せていただき、地域のたくさんの方もいつの間にか宣伝してくださっていて。
大阪から移住してきたのに、ずっとこっちに住んでいたという気持ちになるくらい良くしてもらっています」

 

今と昔が見事に調和する『古民家cafeこのは』の店内。
吉野杉の床が、まずお客様をおもてなし。
お母さんにもゆっくりしてもらいたい・・・そんな思いからキッズスペースも設けています。 

 

裏庭の建具を使ったモダンで可愛らしい仕切。
室内の装飾は紅理子さんが手がけ、古いものと新しいものをバランス良く調和させています。

「古民家で古いものだけでそろえると少し暗い雰囲気なってしまうので、明るい雰囲気を出すために新しいものも飾りながら、ちょうど間をとろうと思いました」

と紅里子さん。

 

食材となるキノコを届けに来たのは、錦生地区の住民とともに、閉校した校舎を利用してキノコを栽培している『地縁法人 錦生自治協議会』の冨山修さん。
すでにつながりができていたのですね。

「古民家を利用したこういう食事処で地元の食材を使い、みなさんに喜んでいただけるようお役に立てることは、非常にありがたいです」

と、冨山さん。

 

続いて届いたのはお米。
お店で使っているお米はなんと、庭から見える田んぼで作られたもの!
これぞまさに究極の地産地消です。

「間違いなく美味しいお米なので、使ってもらえると本当にありがたいです。
やはり地産地消というか、地元でつくったものを地元の店で消費してもらえることがベストだと思います」

と、農事組合法人三重伊賀里山整備活用組合の福本基成さん。

 

さて、忙しいランチタイムになりました。
すでにほとんどの席が予約客で埋まっています。
しかし『古民家cafeのは』は、わずかながら当日席も用意しています。
それは、予約が必要なことを知らずに来てしまったお客さんを、そのまま帰すのは忍びないという理由からだとか。
どこまでもお客さん本位のお店です。

 

「品数多くて、いろんな味が食べられて美味しかったです!」

「予約してやっと3回目でやっと取れたので今日は楽しみにきました」

「内装も素敵になっていて驚きました。朽ちていきそうな古い民家を使って上手に作られてるなって思って。
くつろげるし良いお店だし、来週も来ようかなと話していたくらいです」

この満足度の高さ、いつも満席なのも納得です。

 

メニューは週替りの『このはランチ』。
この日は鶏むね肉のピカタをメインに、小皿料理が3皿ついて850円。
お値打ちです。

 

胸肉は塩麹に漬け込んであるので、とっても柔らか!
ソースはチリソースとマヨネーズを合わせたもので、胸肉にコクを追加しています。
温奴には錦生きのこの佃煮を乗せて。
キノコの風味が強く、歯ごたえもしっかりしています!

「基本的にはこの地域で取れたものを中心に使っています。
家庭料理でありつつ、ひと手間ふた手間加えて家で食べるのとはまたちょっと違う料理に仕上げています」

と、内本さん。

見知らぬ土地で店をオープンさせる・・・大きな決断を内本夫妻にさせたのは情熱だけではありません。
その二人の背中を押し、そして支えたのは、名張市の支援でした。

 

内本さん夫婦が店を開店させるにあたってお世話になったという、名張市役所産業部の西口さん。

「名張市は関西のベッドタウンですが、それだけでなく市内で働く場所を得て市内で経済が活性していく仕組みづくりを進めています」

「ここでなかったらお店もオープンできなかったし、ここまで成功していませんでした。周りを巻き込みながら、助けてもらいながら営業させてもらっています」

と、内本さん。

「こういう地道な作業で地域をどんどん盛り上げることにより、名張市全体としても盛り上がってきていると思います。
今年の相談に来ている人も『古民家cafeこのは』さんのことはみなさん知っていて、それでまた広がっていっているので、広告塔になってくれています」

と、西口さん。

 

受け入れようという気持ち。
期待に応えようという努力。
そんな新しい風が名張に吹きはじめました・・・。
それは次の夢を運び、育て、また新たな風を巻き起こします。