三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2017年7月9日放送

伊勢湾や熊野灘で獲れた旬の魚を骨抜き、加熱処理、小分けをした無添加の離乳食材で、紀北町の会社が開発、製造し、通信販売を行いながら離乳食教室などのイベントも開催している『mogcook』!
着実にファンを増やしつつ、さらに全国に広めようとするみなさんを紹介します!

東紀州の玄関口、紀伊長島駅からほど近いこちらの会社で、ママを応援する商品を開発・販売しているそうなんです!

 

それがこの『mogcook(モグック)』!
『mogcook』は、魚まちと呼ばれる紀伊長島で誕生した離乳食材。
県内で水揚げされた旬の魚をカットして、骨などを丁寧に取り除いてスチーム加工しました。
販売はネット販売が中心。
全国から注文が舞い込む人気商品になりつつあります。

 

お魚は皮が付いたまま。
その理由を、『mogcook』PRプランナーの樋口佐恵子さんにお聞きしました。

「あえて皮をつけたままにしているのは、魚の栄養と旨味は皮と身の間に一番詰まっているので、そこもしっかりお子様に食べてほしいとの思いからです。
お刺身を茹でるお母さんが多いのですが、旨味が詰まった脂が流れ出てしまいます。
新鮮な魚を加工して冷凍することで、味付けしなくても旨味を保った状態になります」

 

『mogcook』を事業化した、株式会社ディーグリーンの立花圭さんに、そのきっかけをうかがいました。

「私たちは地元のホームページやパンフレットを作っているデザイン会社なんですが、この町の基幹産業である水産業が最近元気がないという話を、地元のお客様から聞きました。
私たちが水産業を活発にするためにできることを考えたのが、もともとのきっかけです。
子どもに魚を食べさせたいという思いはあっても、どうやって調理したら良いかわからなかったり、そもそも離乳食として食べさせて良い魚を知らなかったり・・・そういうことに興味を持っている人をターゲットにしています」

安心安全でママを応援できるものを。
地域の資源、資産を活かせるものを。
そんな思いから開発された離乳食材『mogucook』。
試食会や離乳食の料理教室を全国で開催し、地道にファンを獲得してきました。

 

そんな『mogcook』の加工所の一つ、『つぐみ工房』がこちら。
なんとすべて手作業です!

 

この日、スタッフの杉久さんが加工していたのは『ヘダイ』という魚。
毎朝市場に足を運び、新鮮な魚を仕入れてもらっています。
週や季節によって揚がる魚が変わるため、新しい魚が入荷した時はその都度栄養士の先生に相談しながら選んでいるそうです。
赤ちゃんが食べるものだけに、何よりも求められるのは安心と安全。
衛生は徹底的に。
そしてどんな小さな小骨も見落としません。

 

『mogcook』の離乳食の最大の特徴は、魚をスチームで加熱すること。
茹でるよりもしっとりジューシーで、栄養とうまみが保たれるそうです。
『mogucook』を口にする赤ちゃんやお母さんの顔を思い描きながら、ひとつひとつ丁寧に手作りされていきます。

「地元の魚がおいしいのはわかっていたので、若い人が一生懸命尾鷲の魚を全国の人に伝えてくれることがうれしいです。
出荷する時に、北海道から九州沖縄までの住所を見るだけでもワクワクします」

と、『つぐみ工房』の黒次美さん。

 

続いて訪れたのは、尾鷲にある栄養管理士の西村恵美子さんのお宅。
ちょうど『mogcook』の新メニュー開発中でした。
『mogcook』の離乳食レシピは毎月6種類を考案。
商品とともに3種類のレシピをお届けし、ホームページでも残り3種を公開しています。

西村さんに、レシピ作りについてお聞きしました。

「お魚のレシピは数が少なく、離乳食を作っているとマンネリ化することがあるので、たくさんのレシピを提供するようにしています。
はじめは大変でしたが、旬のお野菜使を使ったり、手っ取り早く時短で作れるものを考えたりすると、6種類くらいになりますね」

 

西村さんが作った『mogcook』を使ったメニュー。
あおさのりと鯛のにゅう麺。
麺は細かくカットされています。

 

『イラ』というこの地域ならではの魚を使ったハヤシライス。

 

そして鯛の白身と、いま話題のネバネバ海藻『アカモク』が入ったヘルシーハンバーグ。
味付けはまったくしていないのに、とても魚の風味が生きています!

「赤ちゃんの消化器官は未熟なため、月齢に沿って使える食材と使えない食材に気を付けています。
離乳食の期間は短いので、このようなサポートがあると楽しい離乳食期を過ごせるのではないでしょうか」

と西村さん。

「これからの展望としては、『mogcook』がもっと広まって、離乳食といえばまずは『mogcook』を食べさせようというくらい定着させていきたいですね」

「作業している人に『お客さんが喜んでいましたよ』と話すと、とても喜んでもらえます。
赤ちゃんの商品を作ることに対して、みなさんの反応がとても良く、地域全体で子育てしているような感覚でくれているように思います。
3年間で全国およそ3500世帯のご家庭にお魚をお送りしました。
離乳食を卒業する家庭も増えているので、今後は新しく、ご家庭向けのサービスを展開していきたいと考えています」

と、樋口さんと立花さん。

 

赤ちゃんにとって本当によいものを・・・
信頼できる生産者が真心こめてつくったものを・・・
そしてママを応援できるものを・・・・
紀北町紀伊長島の小さな点から発した光が、波紋のように全国にひろがっています。