FM三重『ウィークエンドカフェ』2017年7月15日放送

今回は『公益社団法人燈光会』の大王崎支所長、宮間千鶴さんがお客様。
宮間さんが大王崎灯台にお勤めするようになってから4年。
たくさんのお客様をお迎えしています。
団体旅行のみなさん、ご夫婦、カップル、お友達同士。
訪れる人はさまざま。
最近は海外からのお客様も増えました。
「ここで働いているとストレスがたまることがないんですよ。
灯台の上に上がって、さわやかな空気を吸えば心もすっきり。
この気持ち、たくさんの人に感じてほしいな」・・・と宮間さん。

王崎灯台ができて今年で90年!

大王崎灯台ができたのは昭和2年。
その20年ほど前に、灯台を作らなければという考えがありましたが、できるまでに時間がかかってしまったんですね。
ちょうど今年90歳。
よく頑張っていると思います。

 

国にある上れる灯台15基のうち2基が志摩に

車を駐車場に停めてから灯台まで上がってくるのがけっこう坂道なので、高齢者には少しきつい部分もあると思います。
灯台に来て、さらに上まで登るのは大変なんですが、でもお客様はみなさん、上がって良かったと言われます。
上まで行くと、風が違います。
爽やかです。
湿度のある日でも、上まで行くと全然違います。
ぐる〜っと360度回って見ることもできますし、景色も最高ですよ。
普通の灯台はなかなか見学することができません。
登ることのできる灯台は全国でたった15基。
その中で三重県では、こちら大王崎灯台と、ここから車で30分ほどの場所にある『安乗埼灯台』の2基。
15しかない中で、三重県に2基あるのは、すごいことだと思います。

 

王崎の灯台の光は赤と白で光は34km先まで届く!

灯台の隣にある『大王崎灯台ミュージアム』では、灯台の歴史をはじめ、いろいろなことがわかります。
海の安全を守る灯台の役割を勉強することができるんですよ。
365日どんな天気でも点灯していること、その光の色、その場所によって全然違うことがわかってもらえると思います。
ちなみに大王崎灯台の光の色は、白と赤。
これは夜にみなさんに見てもらいたいですが、なかなか難しいですね。
光は白い方で34km、赤い方は32km先まで届きます。
自分でもその距離がどのくらいかわかりません。
地平線の方まで届いているそうです。
スゴイですね。
その距離を聞くと、本当に海の安全を守っているんだなと思いますね。
海を守るべき灯台。
道路だと信号があるように、灯台は海の信号代わりなんです。
ここは岩が多く座礁しやすい場所。
大王岩という岩があり、昔はそれに当たって遭難ということが結構あったようで、この波切というか大王は、難所だったらしいですよ。

 

成16年までいた灯台守さん

台風があったりいろいろありますが、90年、耐えてきました。
『大王崎灯台ミュージアム』では、以前いらした灯台守さんがどういう仕事や生活をしていたのかわかるようになっています。
平成16年までいましたが、本当に24時間交代制で、明かりを消すことがないようにしていました。
大変なお仕事だと思います。
一家族ではなく、何家族かで交代していたみたいです。
ここに散髪屋さんが来てくれたりなど、地域のみなさんと密着しているというか、交流があったようです。
ここを離れることができませんから。
今は24時間、海上保安庁が管理をしていて、月に何回か点検に来て、故障部分があるかどうかなどのチェックしてもらっています。

 

から「大王崎の前を通るよ」と電話が入ることも

今いる場所から灯台まで23mあります。
上に上がると、冬はうっすらと富士山の輪郭まで見ることができる、最高です!
そして夏の海と、秋の海、冬の海・・・色がまったく違うんです。
また、色だけでなく遠くの見え方も違うんですよね。
夏の海は青く、冬場は爽やかな色、そして空気が澄んで遠くまで見える感じです。
船に乗って、海から灯台を見るのも素敵です。
いつもこの前を船で通っている方が、灯台を見に来ることもあります。
そういうことがあると、私もとても嬉しくなります。
いろいろな方が船で灯台の近くを通っています。
ここを毎日通っている方はもちろん、何ヶ月かに1度通る方もいます。
たまに「今から前を通るよ」なんて電話がかかってくることもあります。
慌てて外に出て、その船を探すのですが、さすがに手を降っているところまでは見えませんね。
なので、あの船かな・・・と、思いを馳せながら見ています。

 

ることのできる灯台に足を運んでほしい

ぜひみなさんに灯台に上がってもらい、その役割を理解してほしいと思います。
まずは自分の家に一番近い灯台に行ってみて、その良さをわかってもらえたらいいなと思います。
そしてもちろん、この大王崎の灯台にも来てほしいです。
灯台までの細い坂道には真珠屋さん、干物屋さん、食堂やお土産物のお店が並んでいます。
ちょっと懐かしい風景です。お店のお母さんたちとおしゃべりも楽しい。
そして、ここは絵かきの町として知られる大王町。
灯台には、スケッチブックをもってお出かけするのもいいですね。