発心門王子は九十九王子のなかでも五体王子の一つで(文献により諸説ありますが)別格とされています。
嘗ては大門があり これより熊野本宮大社地とされていました。

中世に一度衰退退転するも江戸享保年間八代将軍吉宗の時紀州藩により再建され現在に至っております。
五体王子とは熊野三山三社共通に祀られる熊野十二所権現のうち五所王子のことです。

また発心(ほっしん)とは修験道における四門「発心」「修行」「等覚」「妙覚」 発菩提心のことで御仏に帰依する心を起すことです。 

藤原定家の歌碑は「入りがたきみ 法の門は けふすぎぬ いまより六つの 道にかえすな」
六道輪廻「地獄」「餓鬼」「畜生」「修羅」「人間」「天」の輪から脱し仏の世界に入ることを「解脱」と言い、当に「発心」が叶った喜びを歌にしております。