三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2017年9月3日放送

近年の工場鑑賞ブームで愛好家から「聖地」と呼ばれ、工場夜景が人気を呼んでいる四日市石油化学コンビナート。
そんな工場夜景を海上から眺めようと2010年からスタートした『四日市コンビナート夜景クルーズ』でガイドを務めるのが『コンビナート語り部の会』のみなさん!
四日市コンビナートの企業のOBが中心となり、コンビナートの歴史や役割、公害の移り変わりなどを語り伝えることで四日市市の魅力を発信しようと、さまざまな活動を行っています!

こちらは四日市市のコンビナートです。
『コンビナート』とは、「生産を効率的に行うために、原料や燃料、工業施設を計画的に結びつけた企業の集団」のことなんですよ!

 

そんな四日市コンビナートの夜景を楽しむ『四日市コンビナート夜景クルーズ』は、8年前の2010年にスタート。
今では四日市を代表する観光ツアーになっています。
クルーズを運行しているのは、四日市の旅行会社。
そしてコンビナートの案内を『コンビナート語り部の会』のみなさんが担当しています。

 

四日市港ポートビルの展望スペースで定例会中の『コンビナート語り部の会』。
みなさんは同じコンビナート企業に勤めていた元同僚。
コンビナートの夜景クルーズの運行が決まり、ボランティアガイドを募集していると聞いて申し出たのがきっかけだそうです。

 

「今行っているのは、月のスケジュールの調整です。
毎金曜土曜に開催しているので、月にだいたい8回、1人2回になりますが、今は非常に好評でして、特別便が入ると、1人月4回とか5回ガイドするスケジュールとなっています」

と、『コンビナート語り部の会』共同代表の古川勝敏さん。

 

「コンビナートに勤めていたので、その時に自分たちが知っていたことをみなさんにお伝えできれば、それもひとつの社会貢献になると思い始めました」

「最初3回くらいまではみんな同じ原稿で読んでいたが、それでは面白くないから、4回目くらいからはオリジナルになっていきました。
技術系出身の人は細かい数字の話、私は地元出身なので歴史や海のことなど・・・一人一人が、違ったキャラクターで説明しています」

と、大西通さんと寺本佐利さん。

『コンビナート語り部の会』のみなさんがご案内する夜景クルーズのコースは、60分コースと、90分コースの2つ。
第1、第2、第3と分かれるコンビナートのそれぞれの名所を海からめぐります。

 

「夜景クルーズの目的は、まず、美しい夜景を案内すること。
それから、コンビナートが私たちにどういう役目をはたしているのか、そして公害がどんなふうに起きて、どう四日市が変わっていったのかを説明することがガイドの役目です」

と、今回ガイドを担当している筒井孝男さん。
夜景の美しさだけでなく、公害の歴史も含めて伝えるのが、みなさんのガイドのようです。

 

鉛色の無機質な昼の顔とは一変し、幻想的な姿を見せるコンビナート。
無数の灯りが、さまざまなフォルムを浮かび上がらせます。
船から見ることで視界を遮るものが何もなく、しかもクリアなので光がとてもきれいに見えるのが、『夜景クルーズ』の利点です。

 

「おばあちゃんが四日市クルーズの名前を聞いて、ぜひ乗りたいということで一緒に来ました」

「良かったですわ。
テレビで見て、行きたい行きたいと思っていたのがようやく叶いました」

と、お孫さんとおばあちゃん。

「今日は天気が良くて海も穏やか、心地よい風のもとでクルーズガイドさせていただきました。
私としてはとても良いコンディションで、みなさんが満足していただけたと思っています」

と、筒井さん。

 

『夜景クルーズ』などの取り組みを通して、コンビナートを理解してもらうことの必要性と、今の四日市の姿を知ってもらうことが目的だという『コンビナート語り部の会』のみなさん。
そのために、夜景クルーズの案内だけでなく、実際に昼間歩いての案内や、体験事業を充実していこうと考えています。

 

コンビナートで作られた材料を使った『入浴剤づくり体験会』も開催。
こうしたイベントや出張授業を通じて、コンビナートへの理解を深めてもらおうとしています。

 

「四日市市が港とコンビナートで栄えてきた町であるということも、若い人に伝えていきたいですね」

「こうして地域貢献することで、四日市が少しでも元気になればと思っています」

「みなさんに来てもらい自分の目で見て、肌で感じて、四日市を判断してもらうよう、これからもやっていきたいです」

と、寺本さん、大西さん、古川さん。

夜の海に幻想的に浮かび上がるコンビナートの夜景。
そこにあるのは、四日市のいまとこれまでの歴史。
そしてとっておきの美しさ。
その魅力を『コンビナート語り部の会』のみなさんは伝えていきます。