三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2017年9月10日放送

大紀町では、海・山・川と自然を体験してもらう体験民宿を提供!
夏休みの最後に体験民宿をすることになった、名古屋の少年野球チームに密着し、子どもたちだけの民宿での宿泊や、干物づくり体験・木工体験、いかだつくりなど、普段体験できないことに取り組む姿と、大紀町のみなさんが受け入れ、触れ合っていく姿を紹介します!

子どもたちが海で遊んでいますね!
こちらは大紀町の錦地区。
錦といえば、大紀町で唯一海に面しているところで、毎年ぶり祭りが開催されるところとしても知られています。
いったい、この子どもたちはどこから来たのでしょうか。

 

『大紀町地域活性化協議会』会長の奥川拓さんに、お話をお聞きしました。

「三重県南部は海と山ばかりで観光名所があまりありません。
そんな中、交流人口を増やし、都会の人を招くために誇ることができるのは、ここで暮らす僕たちの心だと思いました。
都会の雑踏の中で生活している子どもたちを田舎で心豊かにし、そして元気にして帰ってもらおうと。
僕らが民宿をすることで、面倒を見るこちらも元気になります。
高齢化が進む中、家に閉じこもるのではなく、子どもと交流することで相乗効果が生まれて、地域も元気になっていくのではと思い、『体験民宿』をはじめました」

『体験民宿』とは、三重県の許可を取得した、農林漁業体験を提供する小規模な宿のこと。
豊かな自然、地域資源を活かした「体験型観光事業」に取り組む大紀町では『大紀町地域活性化協議会』が中心となり、この『体験民宿』をベースにして、さまざまな自然体験、わくわく体験をツアーとして提供しています。

 

冒頭の子どもたちは、今回大紀町の体験民宿に訪れた『名古屋スラッガー』という少年野球チーム。
前日は、大紀町内で野球練習のあと、阿曽温泉で汗を流し、入村式で、大紀町のみなさんの歓迎を受けました。

現在、大紀町内には、地域の人とアットホームなふれあいができ、大紀町ならではの体験ができる体験民宿が9軒。
今回のような大人数の団体客も、それぞれの宿が協力し、みなさんを受け入れています。

 

受け入れ体験民宿の1軒、『井戸ばた』で宿泊の様子に密着!
天然鮎が自慢の宿とあって、少年たちを待っていたのは、もちろん目の前の大内山川でとれた天然鮎です。
『井戸ばた』での大紀町体験は、天然鮎の塩焼き。
そして夕食はバーベキューです。
鮎にかぶりついて、思わず「うめっ!」の声も。

 

夕食のあとは五右衛門風呂体験。
ちょっと3人は入り過ぎでは・・・。
まるで田舎のおばあちゃんの家に遊びに来たような、楽しい夜を過ごしました。

 

翌日は、大紀町錦で『わくわく体験ツアー』スタート!
まずは、漁協直営の『魚々錦(とときん)』という施設で、錦であがったばかりの新鮮なイワシを使った干物づくり体験。

 

「干物づくり体験をする人は結構多いですね。
『大紀町地域活性化協議会』が、地元の小学生や学童の生徒さんなどを体験によく連れてきてくれています。
子どもたちは普段、魚を触ることがない子ばかりですので、反応が新鮮です」

開いたイワシは塩水でよく洗って天日干し。
これはみんなのお土産になります。

 

干物づくり体験のほかに、養殖漁場エサやり体験、釣り堀体験、漁船周遊体験、郷土料理体験なども行っている『大紀町地域活性化協議会』。
子どもたちを案内し、調整に動いているのは、体験ツアーのコーディネーター山添みゆきさん。

「私たちが大事にしているのはローカルホスピタリティ。
田舎ならではのおもてなしを体験してもらえればと思っています。
体験民宿は最初1軒からはじまって2年目に3軒、現在9軒が開業して、今年度はさらに5軒が今、準備中です。
今年度中は20軒にまで増やしたいというのを目標にしています。
最初は抵抗あった方々も、一度経験すると『とても良かった、次はいつ来てくれるの』 と言ってくれるほどなので、大紀町全域に広がることを期待しています」

 

続いての体験は、大紀町の主観産業の林業を少しでも感じてもらおうと、間伐材を使った木工体験。
箸作りとうちわ作りです。

 

なんとお昼ごはんは、港で。
いただいたのは、錦の郷土料理、錦真鯛のべっこう寿司と、ヒロメの味噌汁。
味も眺めも最高。
これで美味しくないわけがありません!

 

最後の体験は、おまちかね『錦向井ヶ浜遊パーク』のトロピカルガーデンで海水浴!
用意されていたのは、なんとイカダ!!
しかも、子どもたち全員の名前が入った大漁旗も用意。
これが大紀町のみなさんの気持ち、おもてなしです。
最後の組み立てと仕上げを子どもたちでやって海へ浮かべます。

 

こちらでは、いま流行りのSUPを体験。
子どもたちはみな、大紀町を全身で楽しんでいます。

 

1泊2日の大紀町の体験ツアーが終わりました。

「今日はありがとうございました。
川で遊んだり、夜はバーベキューで美味しいお肉を食べさせてもらったりありがとうございました。
また、この町に来てみんなと遊びたいので、これからも元気でいてください。
ありがとうございました」

少年から最後のあいさつ。
そして『井戸ばた』のお母さんから、みんなで撮った写真が手渡されました。

大紀町で過ごした夏のひととき。
それは子どもたちの心にどのように刻まれ、思い出として残されていくのでしょうか・・・・。

「子どもたちに、田舎へ来たらいつでも優しい心で触れ合うことができて、元気になれるということが伝わったと思います。
口で言わなくても態度でわかりますし、これだけ元気にはしゃいでくれると僕たちも元気になります」

と、奥川さん。

 

体験民泊を中心とした大紀町体験ツアーで、みなさんも大紀町を心と身体で体験してみませんか。