三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2017年10月1日放送

津市、高田本山専修寺の寺内町として知られる一身田地区のブランド力を高めようと2年前に発足した『一身田印認定協議会』!
地元の一身田商工振興会や自治会、高田短期大学、三重短期大学などで構成される協議会は、一身田の町のイメージに合うかなどの基準などで、商品に対して『一身田印』を認定しています!
短大生が参加し地元商店と協力し商品化へとつながったものが多数あります!

こちらは津市、真宗高田派本山専修寺のお膝元『一身田』の寺内町です。
今回ご紹介するのは『一身田印』という地域ブランドで、商店街をゲンキにしようとがんばっているみなさんです!

 

まずお邪魔したのは、高田本山のすぐ側にある、和洋菓子店『岡田屋』。
明治元年に創業、現在は五代目が店を守ります。
一番人気はアーモンド入りのクッキーがシューの上に乗った『シュークリーム』だそう。

 

そして『一身田印』がついているのは、こちらの『しょーゆブレッド』。
『しょーゆブレッド』は、岡田屋・高田短期大学・地元の醤油店のコラボ商品として開発されたもの。
『一身田印認定商品』には蓮のマークが付いているのが特徴です。

「このマークは何?と聞いてくるお客さんもいますし、それで興味を持って買ってもらうこともあります」

と、岡田屋の岡裕貴さん。

 

『一身田印認定協議会』の会長であり、名古屋学院大学商学部准教授の杉浦礼子さんに、協議会を立ち上げた経緯をお聞きしました。

「この一身田の地域には、昔から魅力のある商品がたくさんあるのですが、広く知られていません。
そこで地元の人やこの地域で学ぶ学生たちが『地元のことを知って、そして、再発見をする』という認識を持ち、話題性のある商品を作ることによって、『魅力ある地域』としてブラッシュアップさせていきたいと思ったのがきっかけです」

『一身田印認定協議会』が立ち上がったのは、2年前。
地元の商工振興会、自治会、高田短期大学、三重短期大学などで構成されています。
短大生が商品開発に参加し、伝統を守りながらも、新たな発想で「一身田名物」を生み出しています。
『一身田印認定商品』のお披露目は今年1月の高田本山の法要『お七夜(おしちや) 』。
地元商店が開発した6つの商品が販売されました。
その後、認定された商品の数は増え、協議会発足から1年で、14商品が『一身田印』に認定されました。

 

『一身田印』認定第1号は、高田本山御用達の和菓子店『春乃舎』の『蓮の花』。
細かく刻まれ、醤油と味醂、お砂糖で味付けした蓮根を刻んだものが餡に入っています。
シャキシャキしていて、和菓子ではなかなか味わえない食感が魅力です。

「初めて『一身田印』の話をもらった時は、大変だなというのが実感でした。
けれど一身田の町自体が少し寂れてきているので、少しでも賑わいを取り戻すために協力させてもらいました」

と、『春乃舎』の下井弘子さん。

 

「お店の方々の協力がなければ『一身田印』の事業は進みません。
なにより、一身田のお菓子屋さんは歴史が深く、技術も確かなのでそれをうまく引き出し、活かせる仕組みを作っていくのが私たちの仕事だと考えています」

と、『一身田商工振興会』会長の中川隆功さん。
地元のお店と協議会をつなぐ重要な立場です。

 

続いては『下津醤油株式会社』の工場の一角にある直売所。
こちらの『一身田印』認定商品は、下津醤油が昔から作っている「地域に愛されている醤油」ということで認定の申請をしたという『特級しょうゆ』です。
そして三重県でとれた大豆や小麦を使って作られている、『大地のしずく(濃口・薄口)』。

 

さらに地域で作られたお米と自社製のタレを使った『利兵衛だんご』も『一身田印』認定商品。
団子の生地に丸大豆醤油を混ぜ込み、醤油をかけて食べる『しょうゆだんご』と、甘じょっぱいタレのかかった『みたらし団子』の2種類。
どちらも米粉ではなく、蒸して潰した米を使っているので、米の甘さをより感じることができます。

 

「醤油の新商品は難しいと思いますが、醤油を生かした新商品作りであれば、うちから材料を提供できます。
たくさんある和菓子屋さんを中心に、新商品の材料という形で商品を使ってもらって、『一身田印』の輪が広がっていけば、ありがたいですね」

と、下津醤油株式会社代表取締役の下津浩嗣さん。

 

6商品からのスタートだった『一身田印』。
商品デザインやパッケージの工夫など短大生のアイデアを生かした商品開発、そして、元々一身田にある「地域に根ざした商品」の掘り起こしなどで『一身田印』に認定される商品は増え、現在、21商品のラインナップとなっています。

協議会では、さらに『一身田印の輪』を広げようと地元一身田以外の業者にブランドを活用してもらえる方法を考えたり、より一身田らしさが発信できる商品の開発に向けて、定期的に集まって会議を重ねています。

 

「今まで一身田としての『お土産』というか『一身田印』というのはありませんでした。
知ってくれている方が増えると、一身田の名前も広まるので、うれしいと思いますね」

と、『たけや製菓店』の井上令さん。

「いろいろな店の方と取り組むと刺激になりますし、新しい何かを作ってみようかなという気持ちになります」

と、『つるや製菓舗』の草深和也さん。

 

「実際に、自分で企画をしたりマーケティングなどに触れること。
生の素材があり、勉強の一環として、こういうことに参加することで、自分で考えるということが身につくと良いですね」

と、高田短期大学キャリア育成学科教授の中畑裕之さん。

「これからもっと認知度を広め、お菓子屋さんや一身田町に興味を持ってもらい、たくさんの方々に訪れてもらえるような、PRに力を入れていきたいと思っています」

と、杉浦さん。

 

『一身田印』・・・どんな商品があるのか、興味が湧いてきませんか?