『ミエてくる!』 2017年10月23日

「紀伊半島日記」では、紀伊半島の豊かな自然の中で体験できることと、そこで味わえるおいしい食を紹介したいと思っています。
さて今回は…

 

伊勢から和歌山の熊野三山へと続く巡礼の道、熊野古道。
その中で、かつて「伊勢の国」から「紀伊の国」の国境だったのが「ツヅラト峠」です。
近くに住んでいても、なかなか歩く機会がなかった熊野古道。
台風一過でよく晴れたこの日、JR梅ヶ谷駅で降りて約4時間ほど歩くコースに挑戦してみました。

 

 

ツヅラトとは、「九十九折」のこと。
その名の通り、小さなカーブが連続する山道です。
昔ながらの石垣や石畳の道がしっかりと残っています。

 

 

 

登り続けて、だんだん疲れがたまってきた頃、峠のてっぺんに到着。
とつぜん目の前に、紀伊長島の町並みと海がぱあっと広がります。

 

 

かつて、この場所は「伊勢」からずっと山の中の道を歩いてきた巡礼者が、初めて海を目にする場所だったそうです。まぶしく輝く海を見て、昔の人も同じように感動したのかも。

峠を下りきると、紀伊長島の町に出ます。
ちょうどお昼の時間帯になったので、JR紀伊長島駅前の「万両寿し」に。

 

 

創業約70年の「万両寿し」では、3代目の今田信弘さんが作る「サンマ寿司」をいただきました。
疲れた体に、サンマ寿司のほどよく酢の効いた味が、しみわたります。
さっぱりしていて食べやすい味なので、どんどん箸が進みます。

 

 

少しあぶって皮が香ばくなった焼きサンマ寿司もおいしくいただけます。

サンマの開き方、酢や塩の具合などにもこだわり、先代から受け継いだというその味には、県内外のファンも多く、「また食べたくなったよ」と店を訪れるリピーターも多いとのこと。

季節限定で、地元の紀北町の白石湖でとれる「渡りかき」を使った寿司もあります。
こちらは、15年ほど前にメニューに加わったもの。
もともとは、地元で祝いの席で食べられれていた郷土料理だそうです。

 

 

ふっくらと甘辛く煮詰められた牡蠣と、ぴりっと効いたカラシの味が絶品!

自然豊かな熊野古道とおいしい郷土の味が楽しめる「紀伊の国」の玄関口に、来てみませんか?