『ミエてくる!』 2017年10月30日

三重県東紀州エリアで、半日~1日でぶらりと歩いて旅ができるスポットを毎月1つずつあげていく『くまのプチ歩き旅』!
第一号は三重県紀北町と尾鷲市にまたがる便石山のビューポイント、「象ノ背」をご紹介いたします。

基本情報はこちら

 

三重県東紀州と言えば、みなさま何を思い浮かべますか?
海?熊野古道?美味しいお魚・・・・・?

大自然や自然の恵みを求めて東紀州を訪れる人は県内からも県外からも年々増えて来ています。そんな中、近年話題になっている穴場ビューポイントがあります。それは、標高
698mの便石山東側に突き出る巨岩、象ノ背!

どんな道のりが待っているのか、そこに立てば何が見えるのか・・・・・
今から行ってみよう!!

スタート地点は、国道42号線沿いに位置する「道の駅海山」。
ここで飲み物とお弁当を買い込み、出発。

 

 

歩き旅の拠点、道の駅海山

国道42号線を600m歩くと、熊野古道馬越峠の登り口が見えてきます。
ここからは馬越峠までは熊野古道を歩くことになります。
徐々に勾配は増しますが、江戸時代から残る石畳、尾鷲ヒノキの森を優しく照らす木漏れ日が疲れを忘れさせてくれます。
途中の林道交差点にあるベンチからは、三重県最高峰の大台ケ原とそこから連なる雄大な大台山系が眺められます。

 

 

石畳が敷き詰められた馬越峠

 

 

馬越峠の道中
雄大な大台山系を見ながら一休み

登り口から50分ほどで、馬越峠に着きます。
ここは古来の巡礼道の峠であるのと同時に、現在では色々なところへ向かうトレイル・ジャンクション、直進すればそのまま熊野古道を辿って尾鷲の街へ、東へ行けば天狗倉山、そして今回の目的地、象ノ背のあるは西側へ。

 

 

標高325mの馬越峠
季節、天候ごとに違った姿を見せてくれます

馬越峠からは便石山と象ノ瀬まではおよそ1時間半。
前半は快適な尾根道ですが、320mピークを過ぎてゆるく下った後、いよいよ便石山に向けての心臓破り直登が構えています。
所々でベンチが用意されていますので、ゆっくり休憩と水分補給をしながら上を目指していきましょう。

 

 

馬越峠から先は、快適な尾根道が続きます。
便石山の直登ポイントまでは・・・

勾配がゆるくなり、キャンプイン海山からのトレイルとの合流点が現れたら、便石山の山頂はもうすぐそこ。

 

 

キャンプイン海山からのトレイルとの合流点
ここまでこればあと少し

いよいよ山頂に。
あれ、展望がない・・・?

 

そうです。三角点のある便石山自体は木々に覆われており、展望はありません。
象ノ背は、この山頂からすこし東に下ったところにあります。
山頂には、地元で整備してくれている団体がつけてくれた象ノ背への道標がありますよ。

 

 

標高598mの便石山

木の枝が絡む道を滑らないように下ることすぐで、突然視界が開けると同時に、大きな岩が目に入ってきます。その形は、まさにここの名の通り、象の背中のよう。

決して広くはない、足を滑らさないようにゆっくりゆっくりこの岩を進んでみよう。
すると・・・・・

 

 

そこには大絶景が待っています。眼下の銚子川、紀北町相賀の町並みと尾鷲市の市街地、その二つの市町を分け隔てる尾根、尾根の先にそびえる天狗倉山の雄姿、延々と志摩半島に延びる海岸線、果てしない太平洋・・・

「鳥になって空を飛べたらいいなあ」という願いを叶えてくれる場所です。

ここでの注意点はたった一つ、あまりにもの雄大さに見とれて転落しないこと、これに尽きます。

帰路は、同じく来た道を戻る方法と、キャンプイン海山へと下る道、二通りあります。
いずれも木段や石畳を主とした急勾配の下り道となるので、足元には十分注意をしながら歩いてください。

☆このルートのポイントと注意点☆
・道の駅海山を起点とした場合、休憩や昼食時間を入れて往復約6時間です。午前9時までには出発するように心がけてください。
・道中に、自販機やトイレはありません。十分な水分を携行してください。
・地元には、プロのガイドもいます。