父と姉が川崎に帰る日。
タイミング良く、席を予約することができました。

 

津市美杉町、『日本料理 朔』です。
こちらは何度お邪魔しても、その都度紹介したいのです。

 

奥様の作品が変わっていました。
正面から撮れなかったのが残念。

 

八朔と梅の酵素ジュース。
甘酸っぱくてあっさりしています。
胃がキュウ〜っとスタンバる感じ。

 

ブロガー泣かせな、長いお皿での前菜。
でも、美しいんですよ。
まるで一幅の絵のようです。

 

左から、青梗菜となめこだけの生姜風味、白髪葱添え
原木椎茸と鹿の詰め物、大洞山のみょうがたけ、筍の木の芽田楽、コシアブラ。
もうね、食材が良いのと料理が丁寧なのがわかるのです。

 

紀伊長島のサザエ、筍、わらび、こごみ、実えんどう、赤ウニきんとん、藤の花の塩漬け。
素晴らしかった!
なんだろう・・・別々の素材なのに、味が統一されているというか・・・しっくり納まっているというか・・・。
そこをさらに赤ウニがまとめている感じ。
食べ終わるのが惜しかったです。

 

焼いてから6日間熟成させた香良洲の初鰹、蕗を夏の雄鹿の脂で炊いた蕗。
鰹・・・すごいです。
熟成が進んで、ねっとりしていて、旨味の塊となっています。
本当にあり得ない旨味。
淡白な蕗も香りの良い鹿の脂が染み込み、こちらも旨みたっぷり!
しかし蕗の爽やかな風味もしっかりあります。

 

旬の天魚は、炭の傍らで1時間10分焼き上げたもの。
水分が綺麗に抜けて、身の美味しさだけが残っています。
そして左利きの私のために、他の人のとは逆方向を向けてくれています。

 

新玉ねぎの黒焼き、道明寺と香良洲のアサリ、クレソン、鈴木牧場のモッツアレラチーズ、シークワーサー胡椒、クレソンの花。
道明寺がとろっとして、言うなれば和風リゾット。
食材すべてが渾然としていて、どこを食べても複雑な美味しさ!
玉ねぎの甘味と、アサリの風味、それらをすべてまとめる道明寺。
なんでこんな料理を思いつくんだろう・・・と不思議になります。
足し算でもなく引き算でもなく、味の相乗効果・・・掛け算に近いような。
一口一口、料理に思いを馳せつついただきました。

 

メインはもちろん鹿!
美杉の古田さんが獲った、3歳の雌鹿を藁焼きに。
付け合せは山うど、筍、エリンギ、スナップエンドウ、ジャガイモ、大根。
ソースは土佐酢あん。
いつも感じるのは、食材に対する真摯な姿勢。
だからこそ、いつ食べても絶妙な焼き加減なのです。
付け合せも旬の素材を使っているので、しみじみと滋味深い味わいです。
土佐酢あんのソースは、鹿肉の邪魔をせず、肉の味を鮮やかにしています。

 

締めはご飯とお味噌汁とお漬物。
いつものごとく絶品。

 

お漬物は良い漬かり具合。
ちゃんと漬けてあるので、身体に優しい味わいです。

 

ご飯おかわり。
お米ピカピカ!
陶製の釜で炊いているからなのか、お焦げの部分も良い塩梅で水分が抜けて、カリカリならぬサクサク。
結局3杯いただきました。

 

デザートは、ほうじ茶のミルクプリン。
お茶っ葉から自家製。
ほのかな香ばしさがあり、甘さ控えめ。
食事全体の終わりを飾るにふさわしい、余韻が残る味わいでした。

ここで食事をするたびに、食に対する姿勢について考えさせられます。

ご馳走様でした(*^_^*)

 

日本料理 朔
住所 三重県美杉町八知3541
TEL 080-6928-3939
営業時間 11:30〜16:00
     ランチタイム 11:30〜と13:15〜の2回
定員 各回6名様まで(完全予約制)
価格 4300円(税込み)のお任せコース 
定休日 水、木、金曜日(詳しくは、HPの予約表のページをご覧下さい)