三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2018年2月25日

情報機器関連の企業で営業一筋38年だった吉岡さんは、定年後に乗馬インストラクターの資格を取得し、第二の人生をスタート!
営業時代に培った話術で生徒たちと打ち解けるのも早く、同じように定年後の趣味で乗馬を始めた同年代の生徒たちにも希望を与えています!
吉岡さんが勤務する『クレイン東海』では、こうした活動を積極的にバックアップ中!

『名鉄乗馬クラブ・クレイン東海』は、桑名市の長島スポーツランド内にある老舗の乗馬クラブ。
馬は110頭、会員数は1750人と、東海地区最大規模。
およそ20人の指導員が在籍しています。

 

その最年長の指導員が吉岡茂樹さん、65歳。
情報機器関連企業の営業職を38年勤めあげ、定年後、この道に転身しました。

 

「高校入学と同時に乗馬部に入り、一年生と二年生の時に大阪代表として国体に出場し、大学卒業までの7年間乗馬に親しみました。
定年後、体力維持の為に通い始めたスポーツクラブで乗馬インストラクター養成コースのチラシを見たことがきっかけで、こちらに入会。
最初は会員として馬に乗り始めたのですが、経験者であることから物足りなさを感じ、インストラクター養成コースに通うようになったのです」

運動量の多い仕事なので身体が鍛えられ、サラリーマン時代からなんと10キロも痩せたとのこと。

 

乗馬クラブの朝は早く、朝日が出てまもない時間から馬たちを馬場に出して、トレーニングが始まります。
見事な手綱さばきです。

 

それもそのはず、練習していたのはインストラクターの方々。
毎朝、会員レッスンが始める前に馬を馬場に出し、練習をしながら馬のコンディション等を見るとともに、会員さんに指導する気持ちを向上させる目的があるそうです。

 

インストラクターの仕事は、馬のお手入れも。
ブラッシングはもちろん、一日が終わった後は、足の汚れを洗い流したり、爪の掃除など。

「私にとって、馬は一緒に仕事をしてくれる同僚でもあり、お友だちですね。
人間と一緒で、馬にも性格があるので、関わっていくうちにわかってきます。
この子はおとなしい子ですね」

と、吉岡さん。
名古屋で情報機器関連の営業職を38年やっていた吉岡さん。
当時は毎晩、お酒とカラオケの日々でした。
60歳で定年後、インストラクター養成コースに1年通って、乗馬の基礎から厩舎管理、レッスン指導をマスターしました。
現在は週に3回ほど働いていて、インストラクター歴も4年になります。

 

そんな最年長指導員である吉岡さんに任されているのが、こちらの『おひさしぶりレッスン』。
しばらく乗馬のレッスンから遠ざかっていた人を、気持ちも身体もリラックスして迎えようというものです。

「馬の動きを思い出してもらうためにリラックスしてまたがってもらう・・・いわば基本を行います。
会員のみなさんそれぞれが持っている目標を感じながら、その人に沿った指導を心がけています」

 

「一か月半ぶりだったんですけど、吉岡先生がとても親切に教えてくれたので、とても楽しく乗馬できました。
私はぜんぜんわかりませんが、吉岡先生は馬のことをとても良くわかっているので、すごいなと思います
これからも吉岡先生に、いろいろ教えてもらいたいですね」

と、『おひさしぶりレッスン』の生徒さん。
吉岡先生もとてもうれしそうです。

 

『おひさしぶりレッスン』を吉岡さんに任せる理由を、『クレイン東海』チーフの吉川友規さんにお聞きしました。

「『おひさしぶりレッスン』を吉岡さんにお願いしているのは、以前の職場の経験が生かされていて、いろいろな方に対応でき、とても人当たりも柔らかいので、お客さんにも安心していただけるからです。
インストラクターよりも目上のお客さんが多い中で、吉岡さんは年も上ですし勉強になることが多く助かっています」

現在、『クレイン東海』に体験に来るのは年間2500人ほど。
なんと4割強が60代以上となっているため、インストラクターも同年代だと安心してもらえるのかもしれませんね。

 

午後6時すぎ。
今日の仕事を終えた吉岡さんが帰宅しました。
お住いは職場のある桑名市のお隣、東員町。
現在は奥様と娘さんの3人で暮らしています。

奥様とお茶を飲みながらホッと一息。
吉岡さんにとって、心休まる時間です。

 

「家にいても本当に趣味がなく、ジムなどにも行っていましたが、やっぱり昔を思い出したのではないでしょうか。
年齢的にクタクタになってはいますが、それでも好きなことをして楽しいのはいいことです。
以前より、乗馬を始めてからのほうが元気ですね」

と、妻の圭子さん。

 

「生き物に会員さんを乗せているということで、気持ちの上で非常にプレッシャーを感じながらレッスンをしているので、無事終わって家に帰ると、ホッとします。
体力が続き、みんなの迷惑にならない間は続けたいですね。
若い指導員の方々から不安がられるようになると、お役に立つのではなくお荷物になってしまうので・・・。
セカンドライフも長いわけですよ、やはり。
私の場合は馬でしたが、同じくセカンドライフを迎える方も、長く続けられるものを探してほしいと思います」

と、吉岡さん。

 

新たな趣味に、健康づくりに・・・乗馬を始めてみませんか?