FM三重『ウィークエンドカフェ』2018年4月28日放送

春の夜、空を見上げると北斗七星でよく知られているおおくま座、うしかい座のアルクトゥルス、おとめ座のスピカが光っています。
今回は『坂下星見の会』の代表、瀧本麻須美さんがお客様。
瀧本さんたちの活動拠点、亀山市の『鈴鹿峠自然の家』には天文台があります。
ここで、星の観察会が行われています。

を作ったきっかけは坂下の空と星の美しさ

坂下は空がきれいなんですよ。
まあ田舎ということもありますが。
星好きにとって田舎は、街場よりも格別の思いがありますね。
私が天文好きになったきっかけは、小学校の時の社会見学で行った、科学館のプラネタリウム。
音楽に載せて解説員が紹介する星の話はとてもドラマティックでした。

高校の時に小さな天体望遠鏡を手に入れていたこともあり、坂下に来てからまた、ちょこちょこと観始めました。
そんな折、近所のお向かいさんや親子で集まったとき、たまたま三日月が出ていたんですね。
望遠鏡で見ませんかと声をかけたら、みなさん乗り気で、
普段望遠鏡で覗くということはあまりないので、観てもらって感動してもらったときの表情が良かったんですね。
子どもたちもまあまあ良かったのですが、お母さんたちがとても表現豊かに、こちらが感動するくらい喜んでくれたんです。
その時に、これはイケるのではと思いました。
とはいえ、自分ひとりでは活動になかなか結びつかなかったのですが、ここ『鈴鹿峠自然の家』は天文台もあり宿泊もできるので。子どもたちがキャンプに来るんですね。
たまたま、小学校の団体さんの先生が、私が望遠鏡を持っていることを知っていて、お話がつながり、今度はみんなでもっと集まってみませんかという話になりました。
さらにいろいろなところで声をかけていくと、天文をしている方が案外いたんです。
年に1回くらいは星を見ようということで、知り合いだったり、近所の親子、地域の人で興味のある人と一緒に始めたところ、それがだんだんと大きくなり『星祭り』みたいなことができないかなと考え始めました。
はじめは季節の観察会という程度で、見映えのする天体を望遠鏡で見るだけでした。
夜に出るのって楽しいんですよね。
最初は10人ほどのメンバーでスタートした観察会が、今では50人。
たくさんの人が繋がりました。

 

年は火星が大接近

今年の夏に大接近する火星は、15年に1回の周期で近づくんです。
少接近、中接近、大接近とありまして、2年2ヶ月で地球のまわりを回っている動きと、火星の回っている動きに関連して、今年は大接近の年に当たります。
7月31日が一番接近すると言われていますが、そこだけでなく、前後も大変大きく見えるので、あちこちで観望会というか、星を観る機会が増えてくると思いますよ。
5月くらいはまだ小さいですが、すでに今でも深夜には見えてきます。
模様も見えるようになるので、夏休みのメインになるような日程を組んで、ぜひ、望遠鏡のあるところまで足を伸ばして、家族で、または友だちと観てほしいですね。
もちろん火星だけでなく、土星や木星も出ています。
惑星的には見頃な年ということで、いろいろなところで楽しめると思いますよ。

 

動プラネタリウムネットワークのこと

『鈴鹿峠自然の家』を拠点として、みなさん来てくださっていろいろなイベントをしてきました。
何年か活動している中で、学校の授業や子ども会など、いろいろなところから要望があり、出向いて講座をさせてもらう機会が増えてきました。
みえ星空環境案内人『星のソムリエ』の講師も務めていますので、希望があれば、出張講座しますよ!
それから『坂下星見の会』も参加し、9団体ほどで『移動プラネタリウムネットワーク』を立ち上げました。
全国的にも『移動プラネタリウム』は、あまり耳慣れない言葉かもしれませんね。
エアで膨らませたお椀型の中で、内側から投影することで、中側がスクリーンになるというもので、全国各地でちょこちょことと動き出しているんです。
ビジネスとして行っているところもあります。
ウチはまだボランティアというか、学習の一つや何かのアイテムにどうぞ、というくらいですが、ゆくゆくは全国の移動プラネタリウムを一斉に集めて、東京ドームのようなところでドームだらけにしたら楽しいのではと、今、動き出しているところです。
『移動プラネタリウムネットワーク』を交流というか情報交換の一つのアイテムとして活用していきたいと思います。
例えば、来てくれるよう要望があっても遠くていけない場合、その近くでしている団体を探して、代わりに行ってもらうとか。
そのつながりができたらいいなと思っています。
世間一般的にはまだ、移動式のプラネタリウムを目にした方は少ないので、この機会に出向いてもらいたいですね。
一般的なプラネタリウムで観るのとはまた違う、臨場感がありますよ。
うちはまだ直径4mの小さなものなんですが、中に入るだけでも、また違う世界が見えてくるというか。
私自身がプラネタリウムから星の世界に入ったということもあるかもしれませんが・・・。
今現在は10組の登録団体がありますが、その他にも全国各地にいると思うので、もっと提携して、いろいろな形で企業さんや学校に知ってもらい、活動を広めていきたいですね。