『ミエてくる!』2018年5月2日

藤堂高虎と伊賀忍者ゆかりの温泉地、中伊勢温泉郷。
津、伊賀、名張にまたがる11の名泉をサルシカ隊長が入浴レポ!
サービスショットもあります(笑)。

中伊勢温泉郷をめぐる旅、その③である。
前回と同じく、名張市赤目にある温泉宿「赤目温泉 山の湯 湯元赤目 山水園」である。

 

赤目の森にひっそりとある一軒宿と何かに書かれていたが、まさにその通り。

「え、この先に宿があるの?」というような道を看板に従い突き進むと、湯屋谷(ゆやだに)川沿いに忽然と現れるのが、山水園である。

 

訪ねると、社長の小川さんが宿の案内をしてくれた。
こちらはフロントのすぐ近くにある御食事処「忍者屋敷」である。

「実は当館は、貸別荘として父がスタートさせたのがはじまりでしてね。
敷地には別荘が立ち並んでいたんですよ。
それぞれの部屋にはもちろんキッチンがあるんですけど、観光をして疲れて帰ってきて食事の準備というのもイヤじゃないですか、それでもともと管理棟だったところに食堂をつくったのがここなんですよ」

なんと!
今では温泉宿である山水園であるが、もとは貸別荘であったのだ。
歴史もさぞ長いことだろうと思っていたら、まだ創業43年。
しかも社長は赤目どころか名張の生まれでもないという。

「わたしが生まれたのは天理です、奈良の。
わたしが高校ぐらいのときに父がここで商売をはじめましてね、最初はずいぶん山奥に来たなあと思いましたけど、いまじゃあこのまわりの自然環境は代えがたい財産です」

 

貸別荘だった名残で、客室はすべて「離れ」として展開している。
別館、東館、西館、客室離れ・・・。
宴会場も別にある。
ひとつの宿というより、小さな村という感じだ。
本館から離れにいくには、外の通りを歩かなければならない。

上の写真は、東館1F。
このフロアだけで部屋が4つ。
2階に3つある。

貸別荘のイメージでいると、もっとログハウス風な建物を想像されるかもしれないが、なかなかの高級感である。

 

お部屋もかなり豪華。
貸別荘の名残で、簡易なキッチンも備え付けられている。

 

「じゃあ、食事は管理棟の食事処まで移動してということですか?」

雨が降ってたり寒かったりしたら嫌だなあと思って、社長に聞いた。

「いや、うちはすべて部屋食です。
これがなかなか大変なんですけど、お客さんに面倒をおかけできませんから」

なるほど。
でもこの広大な敷地に広がった客室に食事を運ぶのは大変だろうなあ。

 

人気は伊賀牛を使ったメニュー。
網焼き、すき焼きで、いただける。

 

さあ、そろそろ温泉に・・・と思ったら、社長に「もうひとつぜひとも見てもらいたい部屋があるんですよ!」と案内された。

湯屋谷川に面した茶室「三昧亭」。

 

この豪華な部屋をご覧ください。
天井は大きな無垢板ですよ!
調度品もすべて「おっ!」と思うものばかり。

かつては茶室としてだけ活用していたが、いまは客室として宿泊も可能だという。
その理由は・・・・

 

「理由はもちろんこの湯屋谷川ですよ。
こんなすばらしい清流が目の前に流れているんですから。
うちの宿のウリはこの自然です。
赤目の山であり、森であり、そしてこの川なんですよ。
今後はもっと川を感じてもらえるように、京都の川床のようにデッキを広げてそこで食事もしてもらいたいなあと思ってるんです」

 

小川社長はとにかく歩くのが早い。
なにか思いつくと、さっと自分で走る。
話し出すと情熱のようなものがほとばしる。
この人はアツい人なのだ。

しかし、このレポートは社長のアツさを感じるのではなく、温泉のアツさを感じてプヒーしなくちゃいかんのであった。

 

というわけで、ようやく山水園の温泉へ。
温泉へは館内(といっても屋外へ出るけど)を通っても行けるが、日帰り湯のお客さんは一度フロントを出て、駐車場の反対側にあるこの門から再度中へ入る。

 

山水園には大浴場と中浴場。
そしてそれぞれに露天風呂がある。

あとはサイズは小さいが露天付きの貸切風呂が3つもある。

温泉のみの利用はおひとり800円。
貸切露天風呂は別料金がかかる。

 

まずは露天風呂から。

「ほひゃ〜、気持ちえええええ〜!!!!」

写真撮影をする妻M子は、わたくしのオーバーリアクションを完全無視。
黙々と撮影する。

「わたしね」

M子は湯に浸かるわたくしを見下ろして言ったのだ。

「この取材終わったら、まったく同じコースを辿るから。
プライベートで温泉も料理もお部屋も楽しんで。
いいわよね?」

怖いのだ。
とっても怖いのだ(笑)。

 

山水園の山の湯の泉質は、単純弱放射能鉱泉。
弱アルカリ性。
お肌にやさしく馴染む感じのお湯だ。

中伊勢温泉郷の温泉は、美肌の湯ぞろいなのである。

 

さて、最後に共通入浴手形にスタンプを社長に押してもらって3つ目の宿の取材完了〜。
小川社長、本当にありがとうございました。

さて、
サルシカ隊長のわたくしとカメラマンM子は、小川社長にもらったチョコレートナッツのお菓子を食べながら、次の温泉宿へと向かうのであった。

 

■赤目温泉 山の湯 湯元赤目 山水園
三重県名張市赤目町柏原1203
0595-63-1034
http://akame-sansuien.jp/