『ミエてくる!』2018年6月5日

伊勢志摩国立公園を代表するスポットといえば、横山展望台。この春のリニューアルをネタにしようと思っていたら、なんと展望台への道が通行止めに! えーーーっ!!! ゲンキ3ネットに記事を送るって言っちゃったし、ど、どうしよう! あれ? 回り道があるの・・・?

※3月31日撮影

こんな感じの写真を載せて、「新しくなった展望台へは、ビジターセンターから歩いてたったの15分」なんて書くつもりだったのに、

 

まさか道路工事で通行止めになっちゃってるとは。ぬぬぬ。

 

看板の地図もルート上に×印。
あ、でも「迂回路」ってあるぞ。別の回り道があるのかな。行ってみよう。
回り道ヘは、ビジターセンターから歩いてすぐの「創造の森駐車場」そばみたい。
おや、そこにいるのは!

 

沿道の草花を調べたり、

 

散策する人たちに声をかけたり・・・

 

ハット帽の女性は環境省アクティブレンジャーの麻生里衣さん。
ワッペンの付いたキャップ帽は伊勢志摩国立公園のパークボランティアの証で、乾淳子さんと吉岡正之さんです。
お三方とも以前に取材でお世話になったことがあります。
ごぶさたです。

この日は横山園地を歩きながら訪問者に自然を案内する、ガイドウォークの最中でした。
ここから展望台に行くところなので、同行させてもらうことに。よろしくお願いします。
この日の天気がよく5月初旬にしては暑いくらい。
駐車場脇に、ぼんぼりみたいで涼しげなホタルブクロの花がふくらんでいるのをパシャリ。

 

「これは柿の木の花ですよ」

 

「池のそばにアヤメがありますね」

 

「あれはオニヤンマみたいだけど、違うかな?」

 

しょうぶ園の池を眺めつつ、ガイドウォークの3人は観察と記録を続けます。

 

池を通り越すと、小川をさかのぼり森の中へ。薄暗い山道の両脇にわさわさとシダが生い茂っています。

「このへんでやりましょうか」と言って、麻生さんがおもむろに取り出したのは、イラストや写真が入ったファイル。
シダの仲間の「ウラジロ」が、お正月飾りのしめ縄の材料に使われている理由を、目の前の実物と資料で説明してくれました。

 

次に進むと、小川をはさんで大きな横穴が見えました。
そこで今度は乾さんが、「なんのほら穴でしょう?」とクイズを出題。かなり大きいので「クマの住みか?」と答えたら、残念。
正解は防空壕の跡でした。
ええっ、こんなところに!?

 

麻生さんが教えてくれました。

「国立公園と言っても伊勢志摩は、”人の暮らしがある自然”が特徴です。横山もそうで、備長炭にしたウバメガシとか、ひと昔前はどこの裏山にもいた動植物が多い。生活に必要なものを切り出す山だったんですね」。

なるほど。じゃあ戦争中は、なおさら大事な山だったんだろうなあ・・・。
森に入ってからは登りっぱなし。さすがに疲れてきたところへ「もう少し」の励まし。

 

ところが、行く手を見上げると果てのない石段。

 

うなだれる僕を尻目に3人は軽快。とくに吉岡さん、ぜったいに70代とは思えません。
関係ないけどそのリュックちょっとかわいくないですか?

 

リュックを見ながらぜえぜえと石段を登っていると、吉岡さんがふと足を止めて何かを覗き込んでいます。

「サルトリイバラですよ。ほら、トゲがある」

 

珍しいんですか?

「この葉っぱでまんじゅうを挟んで蒸すんです。この時期によく売ってますよ」

まんじゅう? 甘い物には目がない僕ですが、さっぱり思い浮かびません。
帰りに和菓子さんに寄ってみよう。

 

再び上り出すと、おっ、森がひらけた。ここを登れば・・・

 

後編へと続く!!!