三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2018年7月8日

田んぼアートは、榊原町の農家で構成される「榊原みずすまし会」のみなさんを中心に9年前にスタートしたプロジェクト!
榊原の田んぼに、これまでに8つの作品が彩られました!
今年も新たな作品が登場しますよ!

清少納言の『枕草子』にも詠われ、古くから湯治場として栄えてきた榊原温泉。
なぜか田んぼに、たくさんの人が入っていますね!

 

ここに集まっているみなさんは、実は色とりどりの苗を植えて田んぼに絵を描く、田んぼアートの制作中!
榊原町の農家で構成される『榊原みずすまし会』のみなさんを中心に9年前にスタートしたプロジェクトで、榊原の田んぼに、これまでに8つの作品が彩られました。
毎回200人近い参加者が集まり、たくさんの見学者がやってくる、もはや榊原の風物詩ともいえるアートなんです!

 

『榊原みずすまし会』の会長である中尾兼隆さんに、この会についてと田んぼアートについてお聞きしました。

「榊原にある農業関係の水路やため池農道などを適正に管理するために結成されたのが『榊原みずすまし会』です。
榊原の自然を守りながら農業も守るため、交流に重点を置いてはじめたのが『田んぼアート』。
最近の子どもたちは田んぼに触れることもないので、とても楽しみにしてくれる人も多く、毎年来てくれてる人も増えてきました。
そのおかげで会員の人も意欲的になってきて、ゲンキに活動しています」

『榊原みずすまし会』は農地・農道・水路・ため池等の点検、補修、管理、地域の自然・景観を守るための活動を目的に平成19年設立。
町内で農業に従事する約500戸で構成されています。

 

『榊原温泉 田んぼアート2018』田植え当日の午前9時、受付がはじまりました。
毎年参加している地域の子どもたち、噂を聞きつけて申し込んだという市内外のみなさんが、続々とやってきます。

 

開会式。

「今年のテーマは『祭り』です。
難しいですが、みんなで田植えをし、完成するまでに何度も見に来てほしいですね」

と、中尾会長。

「田植えをする人がだんだん減って大変です。
これからも一生懸命応援するので、みなさん一緒にがんばりましょう!」

と、津市前葉市長。

 

今回の田んぼアートは、優秀賞の長谷川翔哉くんと中山貴登くんの作品を組み合わせたもの。
榊原のさわやかな夏をイメージしています。

 

こちらが用意された苗。
うるち米の他、黄・白・緑・紫・紅の異なる6色の稲を用いて、田んぼに鮮やかな絵を描きます。
今はまだあまり色に違いはありませんが、成長と共にどんどん色が変わってくるそう。

 

いよいよ田植えが始まりした。
参加者のみなさんは、絵柄の色ごとにチームをつくり、苗を持って順番に田んぼに入っていきます。
誘導するのは、みずすまし会や地元の皆さん。
今から植える苗は、アートとして楽しむのがひとつ!
そして、育ったお米は参加者のもとに届けられることになっています。

 

このラインは苗の色が変わる場所や絵の輪郭など。
スタッフが事前に測量を行い、それを基に田んぼに下書きをし、テープで色分けをする等様々な下準備を進めてきたのです。
大変な作業ですね。

 

「子どもたちが毎年楽しみにして、この時期になると結構いろんな地区から来てくれます。
普段こういう体験をあまりしないので、大人も楽しんでくれています。
楽しみにしてくれているので、大変ですが続けています」

 

「いつもいただいているお米ができる場所を子どもたちに教えたかったんです」

「こんな機会がないと思いっきり土の中で遊べないので。
やっぱり泥んこが好きなので、楽しそうですね」

参加者のみなさん、楽しそうです!

 

みんなで作業をして2時間。
田植えが終わりました。
この日のためにスタッフが掃除した用水路で、みなさん手足を洗います。
今度は水掛け遊びになっていますよ!

 

参加者が帰った後、『榊原みずすまし会』のメンバーは残って補植作業です。
広大な背景部分はこうして機械で一気に植えていきます。
このあとも、田んぼの水の管理や草刈りなど、スタッフの地道な作業で、巨大アートが完成し、秋には実りの時を迎えます。

 

「ありがたいですね。
みなさんがこんなにたくさん来てくれて、楽しんでもらえると、やりがいを感じます」

「泥んこになりながら、非日常的なこの空間を、子どもたちがとても楽しんでくれるのが一番です。
こういう笑顔を見ると、次はどうしようか、ああしたらどうなのかと、どんどん想像が膨らんできますね」

と、スタッフのみなさん。

「続けられる限りは、続けていこうというのが今の会の思いです。
これが定着して、田植えから稲刈りまで、1年に何回も榊原を訪れてくれれば、地域の活性化の一因になるのではないでしょうか」

と、会長の中尾さん。

みなさんも、榊原温泉『田んぼアート2018』を眺めに来てはみませんか。