FM三重『ウィークエンドカフェ』2018年9月29日

一般社団法人社会をデザインするネットワーク『イガデハク実行委員会』代表理事の下猶茂樹さん。
普段は会社員として働いていて、仕事が終わった後や、休日の時間を使って活動をしています。
下猶さんの考えているコンセプトをわかってくれる作家さんたちが集まり、多くの人の協力を得て今のイガデハクが行われています。
今年の開催は11月30日〜12月2日の3日間。
趣旨を変えることなく、ブレすにずっとやり続ける事が大切なことです。

家のためのイベント『イガデハク』をはじめて15年

『イガデハク』をはじめて、今年で15年になります。
年に1回の開催なので、ここにたどり着くには時間がかかりました。
いろいろ試行錯誤をしながらやってきました。
はじめから『作家のためにイベント』をベースに考えていました。
要するに、作品は作家さんの分身だと思っているので、作家さんとそのブースを大切にするような作品を大事にしていくようなイベントにしたいと。
ただ売れたら良いとか集客できたらいいとか・・・そんな考えははじめからありませんでした。
「お客さんが来なくてもいいイベント」と自分で触れ回っていたくらいなんです。
その考え方をみなさんに理解してもらい、このイベントだったら安心して作品を出せると思ってもらい、かかわってもらう。
そういう作家さんを増やしていくのに、最初はとても時間がかかりました。
仲間集めに苦労し、それで3〜4年はかかりました。
始めた頃は、ちょうど『手作り市』というのが流行り始めた頃で、今でこそマルシェやマーケットってイベントをあちこちでやっていますが、当時はそんなイベントがたくさんありませんでした。
誰でも親しめるイベントが増えてきた反面、作家さんがより作りこんでじっくり見せるイベントが減ってきたんです。
僕が始めたイベントは最初から、じっくり作り、しっかり作家さんと作品をみてもらうコンセプトだったので、それが今の時代に生き残ってこられた理由かな。

 

初はボランティアの交流会だった

はじめはクラフトのイベントではなく、ボランティアや地域活動や市民活動に携わっている人たちの交流会だったんです。
その時のメンバーが新しくイベントをしようとして立ち上げたのが『イガデハク』でした。
元ボランティアのイベントだったのですが、借りている会場がとてもコストがかかり、相応のコストに合わせていこうとすると、コンセプトもそういう形に煮詰めて行かざるをえなかったのが、結果的にこの流れになったのかもしれません。
アート的なものとか、伝統工芸などいろいろなジャンルの作家さんが自分の作品を持ってきてもらいます。
地元のお友だちだけではなく、全国から募集をしていきたことが、今のスタイルを作り、ずっとやって来られたのだと思います。
おかげさまで一緒にやってくれる仲間が10人、20人と集まって、それで運営してきました。
が、ここ最近、少子高齢化の波がここにも押し寄せてきて、僕自身も含めてメンバーが高齢化してきまして、今まで簡単にできていた作業が難しくなってくるということが、ここ2〜3年で増えてきました。
そこであえて地元の企業さんや業者さんに協力をお願いして、イベントの準備や撤収のお手伝い、広報のお手伝いをしていただいて、地元の企業さんと取り組んでいくという形に、シフトしています。
企業さんでもボランティアではなく、お仕事としてお願いしています。
お仕事としての原資というのは、出店者の出店協力費(参加費)からとなっています。
高額な参加費用をみんなで負担して、みんなで作るという形で取り組むことがいい結果につながっているのかなと思います。

 

在の出店はなんと100ブース!!

『イガデハク2018』には100組以上の方に参加の意思表明をしてもらっていますので、当日に向けて今、調整しているところです。
常連さんで皆勤の方もいます。
同じ会場でずっと開催しているので、実は回数を重ねている方のほうが、展示の仕方とかお客さんとのやり取りなど、一枚も二枚もうわてです。
壁や床の使い方も上手ですし、空間を上手に活用しているのは、さすがにすごいなと思います。
ぜひ見てもらいたいと思います。
全国に公募していて、かなり広い範囲から作家さんに来てもらっています。
日頃、みなさんのイベントに来る作家さんとはまったく違う作品を持ってこられるので、新たな発見が多いのが『イガデハク』の特徴の一つです。
あの人はどこにいるの?と聞かれることもありますが、そういう時はなぜかたまたま欠席しているんですよね(笑)。
いろいろ事情もあるでしょうし、また曜日違いでいない場合もあります。
常連さんにはだいたい同じ場所でブースを構えてもらっているので、お客さんがお目当ての作家さんを探している姿が、恒例の光景となりつつあります。

 

賀のイベントとして、三重のイベントとして頑張りたい

クラフトをメインでしているイベントは、おそらくとても少ないと思います。
我々を入れても、あと1〜2件あればいいほうじゃないかな。
にぎやかなイベントはたくさんあるし、お客さんがたくさん入るイベントもたくさんありますが、クラフトメインでやっているのは数少ないですね。
『伊賀でデザイン博』をギュッと縮めたのが『イガデハク』。
でもそうは言いながら、伊賀・名張の出店者は全体の4割もいません。
あとの6割は峠の外側や県外、岐阜や愛知、大阪、兵庫・・・遠いところだと東京や福岡、なぜか北海道から来られる方もいます。
広い範囲からの作家さんに、三重の伊賀の会場に作品を持ってきてもらって、みんなで一つのイベントを作っているという形ですね。
もちろん伊賀にお世話になっているので、伊賀が一番なんですけど、僕的に思っているのは伊賀が一番、なおかつ三重が一番。
『イガデハク』は三重のイベントとしてみなさんに覚えてもらっていて、「三重のイガデハクですよね」と言ってくださる作家さんも多いんですよ。
だから伊賀のイベントとしても大事ですが、三重のイガデハクとしても大切にしていきたいなと思っています。

「伊賀でつながる、伊賀からつながる」を合言葉に、『イガデハク』は人との交流を大切にずっと続いていきます。
作家さんの心意気のようなものを感じ取っていただいて、手にとっていただいて、そして良ければお家に連れて帰っていただきたいですね。
そこが一番大事です。

 

イガデハク2018
開催日時 11月30日(金)12:00~18:00
     12月1~2(土日)10:00~18:00(最終日16:00)
開催場所 県立ゆめドームうえの
     三重県伊賀市ゆめが丘1-1-3
     伊賀市ゆめぽりすセンター
     三重県伊賀市ゆめが丘1-1-4