三重テレビ「ゲンキ!みえ!生き活きリポート!」2012年3月3日放送

古代遺跡や神社などが立ち並ぶ北緯34度32分の『太陽の道』。
その道上にある美杉町太郎生は、歴史的遺産と自然遺産で、地域を盛り上げます!

奈良県との県境に位置する、美杉町太郎生地区。
ここには、北緯34度32分の線上にあるとされる道『太陽の道』が通っています。
『太陽の道』とは、西は淡路島から、大阪堺市の大鳥神社、奈良の長谷寺、室生寺、そして三重の太郎生、斎宮、二見の夫婦岩、神島へと続き、何かの符号のように、古代遺跡や由緒ある神社が立ち並ぶ、神秘的な道なのです。


そんな歴史文化とロマンを感じる道にある歴史的遺産や自然の遺産を守って、地域を盛り上げていこうと活動しているのが、『太陽と風の道つくりin太郎生』。
平成20年の設立で、現在のメンバーは17人。
美し国おこし三重のパートナーグループにも登録されています。


『太陽と風の道つくりin太郎生』代表の国嶋泰彦さん。
同じく太郎生で活動を行っているまちおこしグループ『太郎生道里夢(たろうどりーむ)』のメンバーでもあります。

国嶋「『太陽の道』というのを知り、この近くに昔からある湿地を再生することで、神秘と自然の両方の観点から、ここ太郎生地区に皆さんが訪れていただければ、と思いまして」


『太陽と風の道つくりin太郎生』のメンバーが活動を行なっている『池の平高原』。
もともとは池が二つあったそうですが、木が占領し、景観が失われてしまいました。
その木を倒して元の形に戻そうと思ったのが、この活動を始めたきっかけだったそう。


こちらが、昨年夏の湿原の様子。
これまでに切った木の切り株から出てきた新しい芽の摘み取りをする作業です。
これを3年ほど続けることによって、湿原に負担をかけることなく、木を枯らすことができるのです。
気の遠くなるような地道な作業をみんなで繰り返し、湿原を元の姿に戻そうとがんばって来ました。


そして現在の様子。
この『池の平高原』は、水苔などが堆積されて出来上がった『高層湿原』と呼ばれるもので、このあたりでは珍しい湿原だそう。
数十年前までは綺麗だったこの池・・・思い出の中に思い出の中にある、美しい湿原の姿を取り戻したい。
そんな思いから月に1度、こうしてメンバーが集まり、湿原を覆った木を切り開いているのです。


参加メンバーは、近所の人や、知人から湿原再生の話を聞いて参加している人。
そしてなんと、ここの山に惚れ込み、広島から移住してきた人もいるんです!
「目指せ尾瀬!です(笑)」


他に『太陽と風の道つくりin太郎生』が目を向けているのは、大洞山の中腹、三多気より太郎生へ通じる旧道沿いにある『西蔵王堂(にしざおうどう)』。
こちらも太陽の道の線上にある、歴史的遺産のひとつで、倶留尊山と大洞山を結ぶ、ほぼ線上にあるそうです。
このような地域の遺産の発掘と情報発信のため、『太陽と風の道つくりin太郎生』では勉強会や見学会を実施しています。


そしてさらに今、新しい交流も生まれています。
2012年、今年の4月に、大阪の浜寺公園から伊勢の夫婦岩まで、およそ200キロを走る『太陽の道ウルトラマラニック』が開催!
地域の新たなつながりと、集客が期待されています。

歴史とロマンの道で、地域をつなぎ、人をつなぎ、そして思いをつなげる。
地域の自然と遺産を守り、次の世代へとバトンタッチする。
『太陽と風の道つくりin太郎生』のみなさんは、ふるさと太郎生を守るため、力を合わせ、足並み揃えて走ります!