三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2019年1月20日

「環境」「福祉」「健康・子ども」「安全・防災」「文化・広報」など、5つの部会を中心に、「誰もが安心して住み続けられるまちづくり」を目指し活動する『蔵持地区まちづくり委員会』!
災害時の地域住民の生活用水を確保する為、防災井戸として2013年度から掘削作業を始め、2015年1月から使用を開始しています!

名張市のほぼ真ん中に位置する蔵持(くらもち)地区。
かつて村と呼ばれた古くからの地域と、新興住宅地から構成され、この15年で300世帯以上が増加しています。

 

そんな蔵持地区のまちづくりに取り組んでいるのが『蔵持地区まちづくり委員会』!
蔵持地区6地区(里・原出・芝出・緑が丘(東・中・西))の住民らでつくる住民主体のまちづくり組織で、蔵持市民センターを拠点に、地域交流や地域活性化等に取り組んでいます。

 

「『環境』『福祉』『健康・子ども』『安全・防災』『文化・広報』等、5つの部会を中心に、『誰もが安心して住み続けられるまちづくり』を目指して活動しています」

と、『蔵持まちづくり委員会』の会長、上田忠さんと中森佐さん。
街の美化、子どもの安全のためのパトロール、子ども部会、またお年寄りのための敬老の会、そして広報。
活動は多岐にわたっています。

 

そして非常時に命を守るもの・・・なんと、『蔵持地区まちづくり委員会』の拠点である蔵持市民センター敷地内に、井戸がありました!
その名も『蔵清水(くらしみず)の井戸』!

「『蔵清水の井戸』は、災害時の地域住民の生活用水を確保する為、防災井戸として2013年度から掘削作業を始め、2015年1月から使用を開始しています。
阪神淡路大震災をきっかけに、災害時に必要なのはまず水だということで、井戸を掘ることにしたのです」

と、上田さん。

 

井戸水は毎分230リットルと豊富な水量を誇り、水質検査も受けています。
畑用の散水はもちろん、近隣のパン屋さんや鮎の養殖業者も利用しているほどのきれいな水だそう。
通常は1回50円(20リットル)、年間2000円の利用料で自由に利用が可能で、
災害時には無料で使うことができます。
非常時には誰が来ても無償でもらうことのできる、貴重な井戸です。

 

また、大切な活動の1つが『青色防犯パトロール隊』、略して『青パト』。
蔵持地区では2011年、自主防犯組織として名張市ではいち早くパトロール隊を立ち上げ、雨の日も、風の日も、地域の安全を守る為に巡回パトロールを続けてきました。

 

その活動は地域住民、そして地元警察からも高く評価され、2016年には名張警察署から感謝状を受け取りました。

 

講習を受けた46名のメンバーが13班に分かれてローテーションを組み、蔵持地区6地区を月に6回巡回。
1回1時間ほど、一年で計75回パトロールします。
パトロール車に乗ることができるのは、警察で研修を受け、許可証を持っている人だけです。

「小さなお子さん、小学生から中学生くらいまでを中心に、危険な場所で遊んでいないか・・・例えば公園の片隅などを見て回ります。
長く活動を続けていられるのは、『ご苦労さん』と声をかけてもらえるありがたさですね。
これまで青パトに乗った人たちも、我々は役に立ったんだという思いで、後に引き継いでいくんです。
この地域から犯罪や交通事故による怪我がなくなるようにしてくというのが、みんなの願いですね」

と、パトロール隊の原田克信さん。

 

そして新たな取り組みにもチャレンジ。
それが『レトルト食品事業部』

「検査に出した結果、井戸の水質がかなりよいとわかり、その水を有効利用するためにレトルト食品を完成させました」

と、久保田光男さん。

 

センターの敷地内災害時に必要な『備蓄食料』を作る加工所として2017年に『まもくら工房』をオープン。
地元の米や野菜を使ったレトルト食品の開発に取り組み、『蔵持地区まちづくり委員会』のメンバー6人と女性スタッフ4人でレトルト食品を作っています。

 

調理主任・栄養士の森本恵利子さん。

「調理担当者の体調や服装をはじめ、調理器具や工房内の消毒等、衛生管理を徹底して製造に取り組んでいます。
地区内でとれた米や野菜を素材とし、真空パック器や滅菌器を備えて衛生管理と品質管理を徹底することに努めています」

 

こちらは現在試作中のレトルト雑炊。
災害時は薬などが手に入らないこともあるので、血圧の高い人など、誰でも安心して食べられるよう、塩分は加えず、食材の旨味で味を付けています。
防災の日に地域住民に向けた試食会を開催したところ大好評だったため、さあに意見を取り入れながら、新たなメニューの開発を目指しています。

 

「名張地区は東南海地震が起こった場合、震度6と言われています。
おそらくかなりの家が倒壊すると思われるので、なんとか被害を最小限に抑え、水の確保と非常食の確保をしたいと思っています。
そのための確保ですね。
そして子どももお年寄りも安心して暮らせる街にしていけるよう、活動を続けていきます」

と、会長の上田さん。

防犯・防災のまちづくり!
『蔵持地区まちづくり委員会』の活動は、まだまだ広がりを見せています。