FM三重『ウィークエンドカフェ』2019年2月2日

今回は桑名市多度町にある多度大社の権禰宜、杉原将一さんがお客様です。
今年のお正月もたくさんの人がお参りに訪れました。
また、近隣の町からは季節ごとの行事に合わせ人々が集います。
明日2月3日は節分、多度大社では、節分大厄除祭が行われます。
特設舞台からは、福豆が撒かれにぎやかな一日となります。

史は古く五世紀には多度大社が祀られた

多度大社は、毎年正月三ヶ日は50万人が訪れる、とても参拝客の多い神社です。
三重県だけのみならず、愛知県や岐阜県など、非常に崇敬者が多いです。
多度大社の創始は五世紀後半。
伊勢神宮の御祭神の御古神をお祀りすることから、
『お伊勢参らばお多度もかけよ お多度かけねば片参り』
と歌われました。
伊勢参宮の折には当社へ必ずお参りをしたことをうかがえ、そのため『北伊勢大神宮』とも称される古社となっています
多度両宮の神々は、雨・風を支配し、人々の命の源を守護される神様で、全国から厚い崇敬を受けています。
また5月に行われる、勇壮な上げ馬神事は特に有名です。
御殿は招待させていただいたみなさまの観覧席になっています。
昔は桑名の殿様も観覧された場所だそうです。

 

節の変わり目、邪気を払うために豆をまく『節分大厄除祭』

節分大厄除祭には、毎年6000人くらいの方がお見えですね。
豆の方も20000袋ちょっと撒かせてもらっています。
豆まきは恒例化していまして、毎年楽しみにして来られる方が多いですね。
節分は本来、年4回(立春・立冬・立夏・立秋)あり、その前日を節分というのですが特にこの時期の2月3日の節分は、季節の変わり目で一番寒さも厳しい時期です。
だからそれが一番有名な節分となり、豆まきの節分になったのではないでしょうか。
季節の変わり目には邪鬼が訪れるということがあります。
『まめ』は悪魔の『魔』と人間の『目』です。
悪魔を払うという意味、後は『魔を滅する』という意味もあります。
それで豆を撒くわけで、いわゆる邪気払いとなるわけです。
厄年の方や、9年に一度訪れる星回りの『八方塞がり』という悪い年にあたった人は、普段の祈祷とは別に、『節分大厄除祭』など特別なときに申し込んでもらって、盛大に自分の邪鬼を払うのも一つではないでしょうか。

 

は自分の年齢+2個を食べる

厄年にしても八方塞がりにしても、自分に災いが来るだけでなく人に対しても災いを及ぼすことがあるので注意して、ご祈祷を受けていただくのがよろしいかなと思います。
食べる豆の数は年の数だけと言われていますが、健康には留意していただいて・・・お年寄りになると食べる数も多くなりますからね。
食べる数も基本は数え年で数えるので、まだ誕生日が来ていなかったら実際の自分の年齢よりも2つ余分に食べるというのが通例だと思います。
みなさん一生懸命豆を拾ってくれますが、撒く方も一生懸命撒いていますので、非常に良い伝統なのではないでしょうか。
節分が終わると、今度は5月に多度祭、8月にちょうちん祭りがございます。
11月には流鏑馬祭があり、それが終わるとお正月・・・大きな行事が続くわけです。
多度祭は毎年十数万人が訪れます。
みなさんそれぞれ、思い思いの行事にお越しいただいて、お参りいただいていると思います。
鳥居というのは1つくぐる毎に、神聖な場所に近づくという意味があるので、みなさんも鳥居をくぐり頭を下げて、いよいよお参りすると気を引き締めていると私は思っています。
神社に来たら、ここの神様はどんな神様かなと考えてもらって、その上でお参りしてもらえると深いものになると思います。

 

馬が参拝者をお出迎えしてくれる

神社の境内に来てもらうとまず最初に神馬の錦山号がお迎えするような形になっております。
こちらでは1500年くらい前から『白馬伝説』という、みなさんに幸せをお届けするという伝説があり、そのため錦山号が出迎えてくれています。
馬がいる神社は珍しいので、非常に興味を持ってくださいます。
上げ馬神事、流鏑馬神事と地域の皆さんとともに歩んできた祭りで、白馬伝説を大切にしてきた多度の人々の心が伝わってきます。
ほぼ毎日来られる方も見えますし、馬は優しい目をしているので、とても人気があります。
昨年は天災などが多かったので、今年は平成最後の年なだけに、何事もなく過ごしていけたらと思います。

自分がなにか気になったときには、お参りすることで気が晴れることもあります。
氏神さんでも多度大社でも、自分の心の支えとしてお参りしてもらえたらよろしいのではないでしょうか。