FM三重『ウィークエンドカフェ』2019年9月21日放送

今回のお客様は『真宗高田派乙部山 潮音寺』の住職、村上英俊さん。
色々な取り組みをお寺でしています。
みんなと成長するお寺、まちのお寺の学校もその1つです。
お寺の学校を開くと若い人たちが集まるようになりました。
それを檀家さんたちも嬉しく思っていてくれます。

ガ教室を4年前に開講

愛知県の知り合いのお寺で、4年前に『寺ヨガ』をしているのを見て驚きました。
普通お寺に来られるのは高齢の方が多いのですが、その時は若い方がヨガマットを持ってたくさん来ていました。
それを見て衝撃を受け、是非ウチでもやりたいと思い打診したところ、三重県でもいいですよと。
それで4年前から始めることになりました。
最初は12月で寒いときだったのでストーブを焚いて、誰か来てくれるかなとヨガの先生と話しながら見ていたら、門のところに行ったり来たりしながら覗いている人がいるんですよ。
ヨガをしたいと来てくれた人で、そこからずっとご縁をいただいています。
今のところは月に2回、開催。
今月はちょっとお休みさせていただいて、10月から先生もパワーアップしてクラスも増やす計画です。
鳥取県にいる、私の兄貴分のような住職に最初に言われたのが『場を開けば場に鍛えられる』という言葉。
その言葉を聞いた時に、このお寺という空間をもっと広く開放しなければならないという気持ちとなり、いろいろなイベントを開催するようになりました。
言葉の通り、来ていただいた方にいろいろなことを教えていただいたり、もともとの『潮音寺』の価値のようなものをおしえていただいたり、本当にさまざまなことを教えていただき、自分自身の成長にもつながっています。

 

寺は避難場所、心の休まるところ

最近はみなさんとてもフレンドリーというか、あたたかく見守っていただき、ありがたいなと思っています。
去年の11月に、とあるテレビ局の生放送がありまして。
足を使った『ソクササイズ』というマッサージをこのお寺から中継するということで、檀家さんにもたくさん来ていただき、喜んでもらいました。
うちに来て、本堂に来るなり寝転んで身体を伸ばして「あ〜幸せ〜!」という方もいます。
お寺とか仏教はもともと、インドの言葉で『避難所』という意味もあったと聞きます。
現代は心の安全性というか、心からホッとする場所が少ないようなので、そういう方たちが潮音寺を選んでくださるということで、もっと敷居を下げて、安心して来ていただけたらなと思います。
来るのはわりあい若い方が多いですね。
若い方たちで自分を表現したい方がいらっしゃいます。
例えば若い女性がメイク教室をしたいと来たので、それも行っています。
写真を取る場所としてお寺を借りたいとか、または異業種交流会とか、マッサージ、先日は竹内さんが来まして尺八のコンサートも行いました。
でも、私自身が一番楽しんでいますね。

 

ゴム銃は、津支部の支部長で世界チャンピオンの銃を作った

昔、割り箸で輪ゴムを飛ばす『割り箸鉄砲』を作った経験のある方もいると思いますが、それが今進化していて、全世界で3000名を越えた会員を持つ『日本ゴム銃射撃協会』というのができています。
実は私はその『津支部長』を務めさせていただいています。
自分自身の記録は大したことありませんが、4年前の世界チャンピオンが使った銃は私が作ったものなんです。
最近では『レーザーポインター』を付けたり、さまざまな工夫を凝らしています。
競技ですが、小さなお子さんからお年寄りまで誰でも楽しむことができて。
また付き添いできたお母さんも熱中してしまうような、和気あいあいとした楽しみ方ができます。
照準器を付けてあるのですが、当たらない銃につけても仕方ないので、いかに当たる銃を作るかが非常に難しいところですね。
横幅1.5cmの一番小さな的を狙うフラッシュという競技があるのですが、それでもほとんど外さないですね。
精度が出せるようになってきました。
私はもともと模型飛行機づくりが好きだったので、木などを削って、そういう大会にも出ていたんですけど、ある時子どもが切れ端を使って輪ゴム鉄砲を作ったんです。
それで遊んだら楽しかったので、ちょっと検索してしまったら、ハマってしまいました。
昔は『ライトプレーン』というゴムでプロペラを回す競技に出ていましたが、あれも本格的な全国大会がありまして、それで5位になったこともあります。

 

代供養の樹木葬も行っている

最近、永代供養の『樹木葬』という墓地を作り、名前を『結びの丘』と名付けました。
お墓というとどうしても暗い、ネガティブなイメージを持たれがちですが、樹木葬の『結びの丘』は芝生の丘が3つあり、そこに『おむすびさん』という小さなお地蔵さんを墓標の代わりに建てるという形になっています。
これからますます孤独な社会が来て、問題になると言われていますが、その方たちも安心して集っていただけるような場所に、どんどんしていきたいと思っています。
いろいろな方とご縁ができるお寺は、これから大きな可能性を秘めているなあと実感しています。
家の中に閉じこもっていないで、外に出るということが大事だと思います。
閉じこもっているとどうしても、自分の思いや殻に閉じこもってしまうと思います。
一歩出ていろいろな方とご縁を結んで、広い世界が見えるようになれば、人生がもっと輝くのではないでしょうか。

みんなと一緒に成長していくためのお手伝いを、潮音寺がしていきたいですね。