三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2019年12月15日

『桑名若菜会』は百人一首愛好家が集まり、大正12年に設立。
現在も毎週火曜日と毎月第二、第四土曜に練習日が設けられ、メンバーによる白熱した稽古が繰り広げている。
畳の上の格闘技とも言われる競技かるたは、近年、映画やアニメなどでも注目を浴び、若菜会の活動も県内各所に裾野を広げ、平成14年には県下のかるた会を統合した『三重県かるた協会』が発足!
三重とこわか国体のデモンストレーションスポーツにも選ばれています!

こちらは桑名市の益生(ますお)駅からすぐ近くにある『益世まちづくり拠点施設』。
今回は、なんと!
『ゲンキみえ』史上、「最も長い歴史を持つゲンキさん」をご紹介します!

今回のゲンキさんは、毎週火曜日と第2第4土曜日に、ある競技の練習会を開いているそうなんです。
屋内で行われているのは、どんな競技なのでしょう・・・?

 

行われていたのは『競技かるた』でした!
『競技かるた』とは明治37年(1904年)、それまで地方やかるた会によって違っていたルールを統一したもので、大正・昭和初期にかけて全国的に広まり、昭和23年には『全日本かるた協会』が設立されました。
読み手が読む歌の上の句を聞き、下の句の書かれた札を互いに取り合うという競技で、その激しさから『畳の上の格闘技』とも呼ばれています。

最近では少女コミック、映画が話題となり、今やブームといっていい存在となっています。

 

17時半、会場の設営準備が始まりました。
畳を敷いているようです。
以前は和室を練習場所としていましたが、会員数が増えて手狭になったため、現在は毎回研修室の床に畳を敷いて利用しているとのこと。

 

練習会がスタートする18時前・・・メンバーの皆さんが集まって来ました。
やはり女性の姿が目立ちます。
まず、みなさんが始めたのは払い手の練習。
準備運動みたいなものだそうです。

 

「『ちはやふる』というマンガとアニメを見て、やりたいと思ってきたら、ハマってしまいました」

「札がすごく早く取れた瞬間がとても気持ち良いです」

「相手が強いと難しいけど、でも強い相手から取れると嬉しいです」

と、メンバーのみなさん。

 

『桑名若菜会』の歴史は古く、設立は大正12年、1923年のこと。
三重県で最初にできた競技かるたのグループです。
その後、一時はメンバーが減り、危機的な時期もあったそうですが、今日(こんにち)まで90年の歴史を紡いできました。
三重県のかるた界の中心的存在として全国各地のかるた大会に出場。
多くの優秀な成績を収めています。

 

練習会は、粛々とした雰囲気で進められて行きます。
18時前から始まり、19時過ぎまで。
3回の実践形式での練習試合が行われます。
早い時間は子どもたちが多く、遅くなるにつれ、社会人や学生がやって来るそうです。

 

札を取ったときに飛び散りますが、みなさん札を覚えているので元の位置に戻すことができます。
手を上げているのは、札をまだ整理し終わっていないので、読み手に待っていてほしいとの合図です。

 

ルールの説明を『三重県かるた協会』会長の太田富夫さんにしていただきました。

「100枚の札を裏向きにしてよくかき混ぜ、そこから互いに25枚を持ち札として取ります・
札は100枚のうち50枚を使用。
持ち札25枚は自分の方を向けて三段(上・中・下段)に自由に並べます。
札と札の間は1cm、自陣と敵陣の間は3cm空けます。
競技線の幅は87cmです」

 

ちなみに自分の前に並べたのが自陣。
当然、相手の前が敵陣になります。
敵陣の取り札を取った場合、自陣の札を1枚、相手に渡します。
つまり先に自陣の札をなくしたほうが勝ち。
試合の前には15分間の暗記時間があり、自陣と敵陣の50枚の札の位置を頭に焼き付けます。
並べる時に覚えやすい並びにするのがコツです!
残り2分になると、素振りをしながら覚えてもOK!
身体も温め、本番に挑みます。

 

練習会場では本日3回目の模擬試合が行われていました。
社会人や学生が加わり、更に迫力が増しています。

 

「受験を経て、3年ぶりの参加です。
スピード感と、パワー感が魅力ですね」

「子どもが『競技かるた』をしていて、大会に参加していたときに待っていてもしょうがないなと思い、自分もはじめました。
子どもよりも頭がついてかなくて覚えるのが大変でした」

「娘の方が強いですかね。
頭が良くなってくれればいいかなと思うところもあります」

「歳をとっても続けられるような趣味が欲しいなと思っていて、いろいろと自分で情報を見つけて探して出会ったのが『競技かるた』でした。
家のようにあったかい雰囲気だなと思っています」

と、メンバーのみなさん。

桑名若菜会は、戦前から桑名市内で全国大会を開催。
来年3月に開催予定の大会で78回を数えます。
また三重県に競技かるたが根付くようにと、歴代のメンバーが県内各地で体験会を開くなど普及活動を実施。
現在、員弁、鈴鹿、津、伊賀へと輪が広がり、1992年には『三重かるた協会』を設立。
タイトル戦を誘致するまでに至りました。

 

「場所がないとか、指導する側の人数が全然足りないとか、非常に苦労することも多いですが、少し前までは初心者講習会を開いても誰も来ないということもありました。
そのことを思うと、本当に嬉しい悲鳴ですね。
逆に、一時のブームで終わらせないために、たくさんの会員のみなさんをどう引っ張っていくのか、かるたを続けてもらう為にはどうすればいいのかなと責任を感じています」

と、『三重県かるた協会』太田会長。
『三重県かるた協会』は平成14年からは桑名若菜会が行ってきた諸事業を継承し、毎年桑名市内で開催されている全国大会を運営しています。

 

「市を上げてかるたを盛んにするという例は全国にあります。
『東京都文京区』『滋賀県大津市』『福井県あわら市』は、競技かるたの聖地と呼ばれ、行政も巻き込んでのPRが行われています。
我々も行政の方と一緒になって、もっとたくさんの方が『競技かるた』をできるような環境を作り、桑名を『かるたの聖地』にしたいという夢を持っています」

と、『桑名若菜会』の加藤誠さん。

ぜひみなさんも競技かるたを体験してみませんか。
関心のある方は、『三重県かるた協会』のホームページを御覧ください。