三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2020年1月12日放送

南伊勢町五ヶ所浦に2019年8月にオープンした『アッパッパ屋 はなれ』!
伊勢志摩の味として知られる檜扇貝は、地元の人たちにはアッパッパ貝と呼ばれ親しまれているが、日持ちがせず、今までほとんど外には流通してきませんでした
アッパッパ貝の美味しさをもっと広めたいと、真空パックにして県外に売り出すなど販路拡大に取り組んできた、南伊勢町でアッパッパ貝の加工と卸売業を営む濱地武さん・三保子さん夫婦
新たに『アッパッパ屋 はなれ』をオープンさせ、アッパッパ貝を具材にした、たこ焼きならぬ『あっぱ丸』の販売をスタートしました!

南伊勢町五ヶ所浦に、去年8月、久しぶりに新しいお店がオープンしました!
それがこちら『アッパッパ屋 はなれ』。

 

こちらで販売しているのは、見た目はたこ焼き。
しかし中身は『アッパッパ貝(檜扇貝)』という貝が入った、その名も『アッパ丸』です!

4個で300円、8個で550円。
食感がザクザクしていて、食べごたえがあります!
ホタテのような見た目で、すごいお出汁が効いています!
美味しい!

 

「もともとアッパッパ貝を販売していて、美味しい貝なので味をもっと知ってもらいたいとアッパ丸を考案し、2019年8月に『アッパッパ屋 はなれ』をオープンしました」

と、『アッパッパ屋 はなれ』の濱地美保子さん。

 


房総半島より南の沿岸に生息するカラフルな二枚貝、檜扇貝。
三重県では主に真珠養殖の副産物として、志摩市・南伊勢町で多く養殖されています。
焼くと貝が開いたり閉じたりを繰り返すことから『アッパッパ貝』と呼ばれるアッパッパ貝、アッパ貝とも呼ばれています。

 

まずはアッパッパ貝を育む南伊勢の海へ。
南伊勢町阿曽浦から1キロほどの沖で、アッパッパ貝はいかだ養殖されています。
きれい好きでデリケートなアッパッパ貝は育てるのも一苦労。
水が汚れてくると成長しなくなってしまい、出荷をしても1日しか日持ちがしません。
手間がかかり、広く出回らないのがアッパッパ貝なのです。

 

漁師さんからアッパッパ貝を受け取っているのは『アッパッパ屋』の濱地武さん。
これから持ち帰り、加工するのだそうです。

 

『アッパッパ屋 はなれ』を運営する濱地夫妻は、10年ほど前から檜扇貝・・・アッパッパ貝を加工し、飲食店などに卸販売する『アッパッパ屋』を営んできました。
アッパッパ貝の最大の課題。
それは日持ちがしないこと。
そのため遠方への流通が難しく、知名度もいまひとつ。
そこで濱地夫妻は、アッパッパ貝のおいしさ、南伊勢の魅力をもっと広く知ってもらおうと、様々なことに取り組み、挑戦を続けています。

 

こちらはアッパッパ屋の加工場(かこうば)。
こうしてひとつずつ、手作業で、アッパッパ貝を研磨して、表面の汚れを落としていきます。
こうすると元の美しい色が出てきます。
洗うときには、真水は大敵!
アッパッパ貝は真水に弱いため、研磨機で磨いた後も再び海に持って行き、海水で洗います。
手間がかかるんですね!

 

磨いた商品は二枚貝の片方だけを外し、真空パックにして冷凍で出荷。
三重県のアンテナショップである東京の『三重テラス』、松阪の農場レストラン、名古屋のイタリアンレストランなどに提供しています。
日持ちがしないこと等から元々は地元だけで消費していましたが、近年は南伊勢町の特産品として、都市部への販路拡大に取り組みはじめました。

 

さらに、たくさんの人に南伊勢町の良さを知ってもらいたいと空き家になっていた実家をみんなで手直しし、民泊をスタート!
それがこちら『民泊あっぱっぱ屋の家』。

1日1組限定で6名まで。
リビング、和室1部屋、洋室1部屋となっています。
最初の頃のお客さんは、ほとんどが海外の方だったそう。
言葉は話せないけれど気持ちでイケます!・・・と武さん。

 

宿泊客はオプションでバーベキューを楽しむことが可能。
もちろん食材はアッパッパ貝!
味付け無しでも感動する美味しさですよ!

 

加工販売や、民泊の運営だけでも大忙しなのに、昨年新たに『アッパッパ屋 はなれ』を始めたのは、飲食店が少ない地元に少しでも貢献したい、そしてアッパッパ貝をもっとたくさんの人に食べてもらいたいという、美保子さんの強い希望からでした。

 

「美味しいですよ!
タコも美味しいけど、これまた違います!貝の味がまた、一味違います!」

「お店ができたことは、本当に良いことだと思います」

「ドイツから来ました。
とても美味しいです」

と、来店中のお客さんたち。

建物は建設業の事務所だったところを借りました。
どことなく事務所っぽいのは、そのためだったんですね。
気取らない感じが、みんなが集まるのに良さそうです。

 

「味付けなしでも美味しい貝なので、安心してみなさんに食べてくださいと言うことができます。
みんなに喜んでもらえるのが、元気のみなもと。
宝くじでも当たったら、東京の原宿にでも支店を出しますかね!」

と、美保子さん。

「2枚貝というとホタテっていうイメージがありますが、アッパッパ貝もそれに近づくくらいの知名度になってほしいと思っています。
地元でまだ、貝の養殖をしている漁師さんがいるので、がんばってもらって、もっともっとアッパッパ貝が有名になるようにしたいと思います」

南伊勢の美味しさがぎゅっと詰まったアッパ丸。
ぜひお召し上がりください!
まずは『アッパッパ屋 はなれ』へ!