新しい暮らしを求めて巡りあった土地『関宿』!
偶然の出会いと地域の応援で、築120年の古民家が『旅人宿・石垣屋』として生まれ変わりました!
今回ご紹介するのは、東海道の宿場町『関宿』で、築120年の古民家を宿としている『旅人宿 石垣屋』。
旅する人に安く宿を提供するゲストハウスで、ゆっくりしたひとときを過ごすことができます。
ご主人の堤さんは、大阪出身。
旅が好きで、石垣島から高速船で10分ほどのところにある竹富島で、ガイドとして暮らしていたことも。
そして、旅先で出会った奥さんと、新しい暮らしを探していたときに巡り会ったのが、ここ関宿でした。
堤「北海道から鹿児島まで、家探しの旅を半年ほど続けていた時、偶然この町に来て、偶然このお家の家主さんと仲良くなりまして。
で、僕らが家探しの旅をしていることを話したら、『君なら家貸してあげてもいいよ』と言われたんです」
堤さんはここに住んでから、関宿の街並みの素晴らしさを知り、また宿がほとんどないことを受けて、2009年に『旅人宿 石垣屋』をオープンしました。
宿泊できるのは、奥の部屋と離れで、一泊素泊まり3500円、寝袋持参の人は2500円というシステム。
メインのお客さんは、旅人たち。
オートバイや自転車や、中には江戸(東京)から東海道五十三次を歩いて来る方もいるそうです。
この談話室が堤さんとお客さん、そしてお客さん同士の交流の場。
棚に並んでいるのは、宿泊された旅人さんから、差し入れで持ち込まれたお酒です。
自由にお酒を飲み交わしながら、出会い、交流することができるのです。
堤さんが『石垣屋』をオープンするにあたり、後押ししてくれたのは、昔から関宿に暮らしている人たちでした。
銘菓『関の戸』を販売する深川屋の服部さん
服部「旅人やライダーがやってくることは本当に少なかったので、この町を知ってもらうという意味では、とても新鮮ですね」
街並みの保存会や地域の活動にも積極的に参加している堤さんを、関宿のみなさんは大絶賛。
すっかり関宿の一員のようです。
夕暮れ時の『石垣屋』。
宿だけの収入では生活できないため、外で働いている奥さんも帰宅。
奥さんの支えもあって、石垣屋は成り立っているのです。
馴染みのお客さんばかりのこの日は、みんなで晩ごはんを作ってシェアすることに。
堤さんと奥さん、長男のカズヤくんももちろん一緒です。
関宿へやってきた旅人、関宿で暮らすご近所さん、そして堤ファミリーそろっての大宴会です。
古民家の一室で開かれた小さな小さな交流の場。
可能性が大きく広がる、本当に賑やかな食卓です。
みんなを惹きつける石垣屋の魅力。
それは旅人が集まれる居心地の良い空間づくりと、堤さんと奥さんの人としての魅力かもしれません。
「町の人や三重県内の人が、もっと気軽に遊びに来てくれるような場所になっていけば良いなあ。
もっともっといろんな人たちが交流できる場になっていけば良いなあ」
それが『旅人宿 石垣屋』の願いです。