コアラみたいな模様?「サメハダマンジュウモドキ?」

■内容

2020年11月18日、志摩の漁師の方から受贈した個体です。オウギガニの仲間で、全身が顆粒で覆われていて、甲面には3つの黒い斑紋が入り、前側縁は浅く分かれています。当館にある書籍でスタッフが調べてみましたが、これだという種が判明しなかったため、「すさみ町立エビとカニの水族館」の皆様に写真を見ていただいたところ、実物を見ないと断定はできないが「サメハダマンジュウモドキ」ではないかとご教示いただきました。特徴もある程度一致しますが、情報が少なく、今回は「サメハダマンジュウモドキ?」として展示することにしました。

【展示開始日】2020年11月20日(金)~
【展示場所】イチオシmini水槽
今回展示した「サメハダマンジュウモドキ」と思われる個体
【学名】Atergatopsis cf. alcocki
【分類】十脚目 オウギガニ科
【甲長】51.3mm(2020年11月20日測定)
【甲幅】35.7mm(2020年11月20日測定)
 
 
「サメハダマンジュウモドキ」
【学名】Atergatopsis alcocki
【分類】十脚目 オウギガニ科
【甲長】32mm前後
【甲幅】48mm前後
【分布】日本では紀伊下楠井から採集例あり。他、シンガポール、セイロン、クイーンズランドなど。水深15-35mほどの、砂底や砂利底などに生息するオウギガニの仲間です。体全面が不ぞろいの顆粒で密に覆われ、鉗脚や歩脚も甲面同様に不ぞろいの顆粒で覆われています。甲域の分画は不明瞭。前側縁は浅く4葉に分かれていて、各頂点がわずかに尖ります。
<参考文献>酒井垣. 1976. 日本産蟹類. 講談社.