FM三重『ウィークエンドカフェ』2021年4月3日放送

今回のお客様は津市安濃町にある『MOKUZAN 森谷木材』の森谷哲さん。
お店には、森谷さんが作ったテーブルや椅子、アンティークの雑貨が所せましと並べられています。

をPRしたいと思って作ったのが木の器

トラックで原木を運ぶ仕事をしていました。
結局、ず〜っと木で生活していたので、なんとかみなさんに木をPRしたくて、思いついたのが木の器を作ること。
今63歳ですが、その当時も、もう50歳を越えていましたから、そんな歳から修業に出るのもできません。
木工旋盤という機械を使ったらなんとかできると思いました。
じゃあその機械をどう入手するかというときに、たまたま私の友だちが菰野で木工の仕事をしていて、3台持っていたんですよ。
そのうちの1台を買ってほしいと持ってきたので…それがきっかけです。
それで作るようになりました。
独学です。
売ってくれた友だちにどうやって作るのかと聞いたら、四角い木をだいたい丸くして、穴を開けて、回してそこに刃物当てて…。
えっ? なんだって?
最初は失敗の連続ですよ。
どうしても慌てるので、刃を立ててガン!と削ろうとすると、食い込んだり飛んでしまったり…。
これではダメだと思い、ぼちぼちしだして、なんとかできるようになりました。

 

ンティークを扱っている雑貨屋さんとの出会いが古道具の世界へ

木の器やテーブル作りが徐々に慣れてきたころ、鈴鹿の材木店が行っているイベントに商品を出すようになりました。
食堂の長テーブルに、作った器をたくさん並べて売りました。
そのときに来てくれた雑貨屋さんが、小さなお皿を買ってくれました。
終わってから息子に話したら、「そこに委託をお願いしたらどうか」と言われ、さっそく連絡したところ、快く承諾してくれました。
そして先方のお店に行って初めて、古道具の世界を知ってしまいました。
それからですよね!
そこからパン皿やらボウルやら、依頼を受けて作って。
その頃はここは何もなくて、鉄骨むき出しの小屋だったので、古いものの世界を知ってから、見方が変わりました。
こういう古い板に鉄の足をつけると、お洒落なカウンター・テーブルになります。
あ、じゃあ、家具の勉強しなくても、このくらいならできるな、と。
教えてもらって。
じゃあここをギャラリーにしようとなって、今の様子になりました。
最初からこんなするつもり全然なかったんですけどね。
出会いって不思議ですよね。
古びた木の味わい、使いこなした木の味わい…ということは古道具もしてもいいんだな、と。
私は、要は木をPRしたいんですよ。
その一環として古道具もあるという感じ。
ガラスとかは関係ないんですけど、でもこれも面白いな、と。
基本はやっぱり木を楽しんでほしい。
あとはテーブルとか、こっちが主流になってきましたね。
みなさん、こう、注文されて。
私の家具でこんなに楽しんでくれるは、ありがたいと思います。

 

れいにリメイクしたら1か月は手元に置いておきたいがすぐに売れていく

掃除とか、ちょっと壊れているところを直してから、それから綺麗にして出すと、可愛いです。
本当は一ヶ月くらい置いておきたいですね。
でも商売でそんなことを言っていたら切りがないんで。
だいたい、自分がいいなと思っている商品から先に売れていきます。
不思議なもんで。
この中は、99.99%が売り物です。
本当にこれだけは絶対無理というものだけは、売り物ではありませんが。
原木を積んだトラックの、小さなブリキのおもちゃとか、友だちからもらった蛙の置物。
あとはもうみんな売り物。
本当は売りたくないなというものもありますよ。
でも、よっぽど気に入ったものでなければ、これはやはり商売ですからね。
綺麗にしてあげて、お客さんが喜んでくれたら、それが一番。
古道具であるこの子たちも喜びますからね。

 

の人はよく考えて作っていたんだなと古道具を見て思う

昔の人って、ちょっとしたことをちゃんとこだわって作っていますよね、意外と。
裏側を見ると、三角になった木など、捨てる材料を上手に使っていたりします。
昔の人が物を大事にして、あるものを生かして作っているということがわかりますよね。
丸みのある木なんか、使ったらゴミにしますよね。
四角い木しか使っていないのに、昔は丸いのは丸いなりに見えない部分で、ちゃんと使ってあります。
昔の人の思いが、よくわかります。
どんなものにしても大事に使ってある。
細かいとこにもこだわって作ってあります。
そういうところがまた面白くて、いろいろ総合的に考えて古道具は面白いし、古材を使った家具なども、みなさんに楽しんでもらっています。
木の部分だとやはり、使いこなした味わい、それに尽きますね。
これだけは本当に技術のある人が真似をしようとしてもできない、長年使った味わい。
いい感じだと思います。
それをわかってくれる人にも、そうでない人にもわかってもらえるように、これからもやっていきたいと思います。

ものを大事にすることは良いことなので、それも世の中に貢献するひとつなのかなと思っています。