三重テレビ『ゲンキみえ生き活きレポート』2022年7月24日

松阪市を拠点に活動している、「特定非営利活動法人 Mブリッジ」。
ひと・まち・企業の「いいこと」や「ステキ」を見つけて、伝えて、広めて、新たな可能性へとつなぐことをミッションに、コミュニティビジネス、出版、デザイン、IT等、専門的な知識を持つメンバーがそれぞれの知識を活かして事業を展開中!
このМブリッジの活動の一つで「人や社会、環境や地球に優しく配慮した考え方や行動」を意味する、「エシカル」をテーマに通り組む「エシカル推進チーム」が、三重県産の廃棄野菜と米粉を使ったグルテンフリーなワッフル型かたやきクッキー「ベジッフル」を開発!
地元の産直市場「きっする黒部」から廃棄処分となる野菜を。また伊勢市の明野高校から規格外の米粉の提供を受けています!
地域が一つになって身近なことから取り組む食品ロス削減プロジェクトをご紹介します!

松阪市黒部町の『きっする黒部(くろべ)』です。
こちらはJA直営の、県下最大級の売り場を誇るファーマーズマーケット。

 

まもなく閉店時間。
『あるもの』を作るための必要な食材を引き取りに、お子さん連れのお母さんが来ました。
なれた感じで、店内に入っていきます。

 

ダンボール箱に入った、この野菜たちがその食材のようです。

「私は『特定非営利活動法人Mブリッジ エシカル推進チーム 食品ロス削減プロジェクトメンバー』の清水目香織です。
まだ食べられるのに、さまざまな理由で捨てられてしまうお野菜を、農家さんから提供していただいて、私たちが違う形で美味しくいただけるように加工します」

 

『きっする黒部』の店長、佐藤直紀さんにもお話を伺いました。

「確かにまだまだ食べられる野菜ですが、こちらも定休日があるので、どうしても余ってしまうことがあります。
出荷過多になった商品を、定休日の前日に生産者に声掛けをして、夕方、協力して下さい!という形で置いてもらっています。
エシカルさんの取り組みに協力させてもらって、加工して頂いて次の消費者の方にお届けする。
この活動で食品ロスが減ってゆくということが、どんどん広がっていって欲しいと思います」

 

食べ残しや、売れ残りなど、様々な事情で、まだ十分食べられるのに廃棄されてしまう食品。
それを「食品ロス」といいます。
日本の「食品ロス量」は、年間500トン以上とも言われています。
そんな大きな社会問題にもなっている「食品ロス」をなくそうと取り組んでいるのが、松阪市を拠点に活動する「NPO法人Mブリッジ」のエシカル推進チーム。
廃棄野菜を利用した『ワッフル型のかたやきクッキー』、その名も『ベジッフル』を作って、身近な食の問題を消費者に伝えています。

 

松阪市の漕代駅から徒歩数分の場所。
『障害者通所施設まある(ぷらな)』で、廃棄野菜を使って、ワッフル型のかたやきクッキー『ベジッフル』を作っているそうです。

 

『特定非営利活動法人Mブリッジ』エシカル推進チーム統括マネージャーの安原智子さん。

「『Mブリッジ』は松阪市市民活動センターの管理・運営を主にしている団体です。
その中の『エシカル推進チーム』は、人や環境に優しいこと、『エシカル』を切り口に、自然と調和し人や社会が幸せに暮らせるように考えられた商品など、見慣れた景色の中に隠れた『三重のステキ』を発信し、新たな魅力や価値を見出す活動に取り組んでいます」

 

「『三重のステキ』を発信する観光ガイドブックや、地域情報誌の作成、人や環境や社会に配慮した商品を作る企業やお店の見学会等を開催しています。
2020年に『食品ロス削減プロジェクト『を立ち上げ、現在は廃棄野菜と廃棄米をベースにした商品『ベジッフル』の開発・製造・販売に取り組んでいます』

と、安原さん。

 

こちらが加工所。
活動に賛同する、松阪市を中心とした近隣市町在住の女性スタッフ約10名でチームを組み、開発から販売までを手掛けています。

 

練り込んでいる野菜は、廃棄野菜を洗って選定して、そしていろいろな調理を経て、自分たちでペースト状にしています。

 

働いている人たちは、みなさん子育て中のお母さんたち。
安原さんも小学2年生、年少さん、生後3ヶ月になるお子さんがいます。

「うちは上から8歳、5歳、4歳です。
おやつ感覚で子どもは食べやすくなるので、野菜嫌いな子どもにも食べやすいので、とても良いと思います」

と、冨地真理子さん。

「私は以前から食品ロスの問題に興味があり、ちょうどお話を聞いたので、入らせていただききました」

と、芦谷さおりさん。

 

こちらが完成した『ベジッフル』。
まだ食べられるが様々な事情で捨てられてしまう廃棄野菜や、規格外の粉米をベースとした米粉を活用して作ったワッフル型のかたやきクッキーです。
オレンジ色はかぼちゃ、プレーンは里芋、オレンジの線がついているのは柑橘と、なんと大根が入っています。
緑色のは小松菜とブロッコリー、そして岩塩です。

 

いざ、実食。
緑のお野菜は、良い香りが口の中に広がります。
見た目がワッフルの形なので、柔らかいものを想像していましたが、お煎餅に近いくらいの硬さのクッキーです!
お塩の塩味もありつつ、甘みもしっかりありますね。

「きび糖の甘みもありますが、野菜自身の甘みも十分に入っていると思います。
ふんわり野菜も感じて頂きながら、スナック感覚でも食べていただけるかなと思います。

なぜワッフル型にしたかというと、廃棄野菜を使っているというところでできるるだけ日持ちをさせたいという思いがありました。
また、日持ちをしても生モノですと中々持ち歩くことができません。
焼き菓子に変えることで手軽に持って出歩いてもらえる、2年程かけてようやくワッフル型の『ベジッフル』というかたやきクッキーが完成したんです」

と、安原さん。

 

スタッフのみなさんは、新商品のための企画会議も行っています。
子どもたちの未来のために、もったいないを無くしたい。
食べ物をもっと大切にしていきたい。
身近な食の問題を、まずは地域に向けて発信していこうと、ママさんたちは奮闘中です。

 

「今後作りたい味はいろいろあります。
カレー味とかはみなさんに何か受けるかなと思って、試してみたいと思います」

と、島田八重さん。

「今の状態は、まだまだ使ってる野菜の量が少ないので、販売する場所などを増やしつつ、もっと廃棄野菜を使っていけたらなって思っています」

と、西詩凡さん。

「この活動は、実は助成金をいただきながら行っています。
その助成金がいずれ離れた時に、自分たちで自主事業としてきちんと販売していけるようにする、というのが現在の大きな目標ですね。
それに合わせて、こういった商品を作っている背景を知ってほしいです。
もちろん廃棄野菜をなくしていきたいというのはありますが、商品のストーリーや背景を知って選択肢を広げてもらい、消費者の方々が地元で作っている、人や環境に優しい商品を選んでもらえる…そのきっかけになれる商品にしていきたいと思っています」

と、安原さん。

食品ロス削減プロジェクト『ベジッフル』
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