三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2012年12月2日放送

漁業の未来のために!
豊かな海を次の世代に残していくため、子どもたちに体験学習を開催!
今回は、赤須賀漁協のみなさんと子供たちが山に行き、植樹とドングリ拾いを体験します!

『赤須賀漁業協同組合①~干潟観察』はこちら


桑名市赤須賀は、木曽三川の豊かな水と、伊勢湾の恵みを受けてきた漁業の町です。
シジミ・ハマグリ・アサリなど貝の漁獲が、その中心となっています。

赤須賀は一時、環境の変化、海洋資源の枯渇により、特にハマグリについては、漁獲量がほとんど無くなる状態まで追い込まれました。

しかし、70年代から始まった厳しい資源管理、稚貝放流など、地域が一丸となった取り組みによって、再び、漁獲高が増え始め、漁業で生活をしようという新しい世代が育ちつつあります。


そして今、次の世代、未来の漁業を見据えた、新しい取り組みを始めてるのが、『赤須賀漁協協同組合』のみなさん。

その一つが、前回ご紹介した地元桑名の城東小学校と岐阜県の東白川小学校の、干潟鑑賞会を通した交流会への協力です。

干潟観察会では、干潟に生きる海の生物たちを実際に見て触って、海と山のつながり、自然の豊かさと大切さを知ってもらう活動に取り組みました。


そして今回、赤須賀漁協のみなさんたちと、桑名市の城東小学校の子どもたちが訪れたのは、岐阜県加茂郡白川町。
伊勢湾へと流る木曽川の支流、飛騨川上流域の町です。
この地域で毎年開催される植樹会に参加するためで、赤須賀漁協のみなさんは、毎年参加をしているのです。


赤須賀漁協青壮年部、長谷川宏平さん(左)と、水谷正敏さん(右)

長谷川「赤須賀漁協は、僕らが漁師になる前からこの植樹会に参加しているんですよ。僕は今回で8回めです」

水谷「植樹会の参加は恒例なので、やり甲斐がありますね。若いから頑張らないと(笑)」


この日、開催されたのは植樹会は『森・川・海~清流がつなぐ未来の森造成運動』。
豊かな海と川を育むのは『山』・・・というわけで、木曽川がつなぐ、岐阜と三重、二つの地域のみなさんが、植樹活動に取り組んでいます。
今回でなんと15回め。

参加者は、地元・白川町からは、飛騨川漁協と、森林組合など林業に関わるみなさん。
三重県からは、沿岸各地の漁業組合のみなさんをはじめ赤須賀漁協のみなさん、そして、城東小学校の子どもたちです。


三重県漁業協同合連合会、永富洋一代表理事会長に、この取組についてお聞きしました。

永富「木曽三川が元となり、色々な川が伊勢湾に流れ込んでいます。ですから川と山を大事にしないと、漁師さんは生きていけません。
海がだんだんと変わっていく様子を漁師さんも見て、山が良くないといけないんだ、という気持ちが強くなったからこそ、この会が続けてこられたのだと思います」


普段は海で働く赤須賀のみなさんも、今日は山での作業。
ですが、回数を重ねているだけあって、作業も手慣れた感じです。

若手のみなさんは、急な斜面の担当ということで、結構、大変そう。
みんなで手分けをして、苗木を植えていきます。


自分たちの生活の場である海を育ててくれる山。
その山に感謝しつつ、そして、再生を願って木を植えていきます。


以前、植えた木がよく育つように、雑草を刈りこむ『下草刈り』。
こうした山の手入れも大切な仕事です。

ひとりが植えられる本数は限られていますが、たくさんの人の手で植え、そして、何年も続けること。
それが大切なのです。


一方、桑名市からやって来た城東小学校の子どもたちは、ドングリ拾いの真っ最中。
ここで拾ったドングリを学校へ持ち帰り、みんなで苗木へと育てます。
それを、また、次の4年生・5年生たちが、ここに植えるのです。


子供たちが探しているのは、芽の出ているどんぐり。
植えると、すぐに発芽するのだそうです。

「これを植えると、川が綺麗になって、桑名の海も綺麗になるんだよ!」

楽しくどんぐりを拾いながら、たくさんのことを学べたようです。


作業を終えた後は、交流会を兼ねてみんなでバーベキュー。
地元岐阜からは白川町特産の豚肉と鶏肉、三重からは、桑名・赤須賀で獲れたハマグリと、各々の特産品が用意されました。


赤須賀漁協青壮年部の安田博幸さん(左)、伊藤翔太さん(右)

安田「山から綺麗な水が流れないことには、川の栄養も成り立ちません。岐阜の飛騨川漁協の方や三重の漁協が一緒になってすることに意義があると思いますね」

伊藤「植樹することで少しでも水が良くなり、貝がたくさん育って欲しいです」

山、川、海・・・自然の恵みは、つながっています。
守り、育て、そして、その自然の恵みの中で生きる。
その大切さを子どもたちにも伝えていく。

木曽三川、伊勢湾の恵みを次の世代へ。
赤須賀の漁業の文化を未来へ。

赤須賀漁協のみなさんの取り組みは、これからも続きます。