三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2013年2月24日放送

江戸時代から明治初年、薬商・細川家の支店だった建物を観光交流施設に!
地域情報発信やカフェにランチ、書道教室、歴史講話会・・・、観光客と地元住人、どちらも楽しめます!

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名張市で毎年2月7日と8日、鍛冶町の蛭子神社で行われ、大勢の人で賑わう『八日戎』。

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たくさんの屋台の中に多く見られるのが、ハマグリ屋台。
山に囲まれた名張で、何故ハマグリなのかというと、昔は山の幸と海の幸が物々交換だったため。
名張からは植木を出していたそうですよ。
ハマグリがないと名張の八日戎ははじまらない、と言われています。


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そんな蛭子神社に程近い場所にあるのが、今回ご紹介する『旧細川邸やなせ宿』。
古き良き名張の面影を今に残す、歴史的な建物です。


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江戸時代から明治初年、薬商・細川家の支店として建設されたこの建物は、虫籠窓(むしこまど)や袖卯達(そでうだつ)などを備える典型的な町屋づくり。
初瀬街道(はせかいどう)の宿場町として栄えた賑わいを再現しようと、名張市が2008年に観光交流施設としてリニューアルし、現在は観光案内所、様々なサークルの集会所、そしてレストランやカフェとして利用されています。


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『旧細川邸やなせ宿』館長の辻本武久さんに、この施設についてお聞きしました。

辻本「この施設は市民団体『まちなか運営協議会』20名で運営管理しています。観光交流施設を目的とした施設でございますので、名張地域の方、それ以外の地域の方とのいろんな意味での交流を図れるよう、スタッフ一同で一生懸命がんばっています」


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『八日戎』のこの日は、歩き疲れた人にひと休みしてもらおうと、甘酒のふるまいなど、さまざまなおもてなしをしていました。
用意されていた甘酒は、酒粕を使ったものではなく、麹から発酵させた本格派。
生姜が効いていて、身体があたたまりますよ!


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こちらは日替わりで地域の方々がランチをつくり、お客さんに提供する『ワンデイ・シェフ』というシステムを使った、コミュニティ・レストラン。
作る人が毎日変わるため、メニューももちろん日替わり。
連日売り切れ続出の大人気だそうです。


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この日のシェフは、『やなせ』のみなさん。
イベント開催時は、ふるまいから接客まで対応してくれる女性ボランティアグループです。
限定20食の本日のランチは、『やなせ特製伊賀牛肉うどん』500円と『伊賀米おにぎり』200円。
ランチタイムは11:30~13:30です。


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蔵を改装したカフェでは、厚い壁に覆われた静かな空間で、落ち着いたひとときを。
同じく蔵を改装したギャラリーでは、期間限定でさまざまな展示がされています。

さらに『やなせ宿』では、毎日とれたて野菜としいたけを販売。
その他にも週に1~2回、書道教室や連鶴教室や歴史講話会を開催しています。
こうした地域に暮らす人向けのサービスだけではなく、地域情報紙の発行やバードウォッチング、自転車の貸出など、観光客のみなさんにも活用してみらえるサービスを実施。
これらの活動が評価され、平成25年度、国土交通省の『手づくり郷土(ふるさと)賞』を受賞しました。


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名張市都市整備部都市計画室室長の我山博章さんに、『旧細川邸やなせ宿』の取り組みについてお聞きしました。

我山「『旧細川邸やなせ宿』の取り組みが全国的に評価をされましたのは、本当に感謝しています。継続的にずっと続けていって欲しいですね」

将来的には、『やなせ宿』の前を流れる名張川で子どもたちが遊び、学ぶ、そんなプログラムや環境も整えていきたいとのこと。
たゆたゆといつまでも。
やなせ宿の活動は続きます。