三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2013年5月5日放送

草木染めの魅力にはまったお母さんたちが、自ら草木染めにチャレンジ!
いろいろな植物を使い、風合いがよく、思いもよらぬ仕上がりの染物を生み出しています!
そして自分たちの住む地域『国津』の魅力を発信します!

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名張の『とれたて名張交流館』は、昨年8月に出来た日帰り温泉『癒しの里 名張の湯
』のすぐ隣にある産直の施設です。

新鮮な野菜や産直品が豊富なのはもちろん、こちらで販売されているのが、草木染めのハンカチやスカーフ。
自然の色合いが素敵です。


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その草木染めを行なっているのが、国津地区の『大地の想(おもい)』のみなさん。
国津地区は名張の市街地から車で20分ほどの新興住宅地の近くにもかかわらず、静かな山間にたたずむ集落。
トトロが住む場所と地元の人が笑う、そんな地域です。

『大地の想』を結成したきっかけを代表の柿坂さん(中)、橋本さん(左)にお聞きしました。

橋本「小学校の親子の集いで草木染めがあり、国津の先輩に教えてもらったのがきっかけです。(子どもが)柿坂さんと同じ小学校に通っていて、意気投合しまして、我々も草木染めを始めようじゃないかと」

柿坂「草花で、こんなに綺麗なスカーフやハンカチができるなんて、びっくりしました!
教えていただいたときは3種類だったんですが、他にももっと、たくさんの植物でこんな色が出るんですよ、ということも教えていただいて」

草木染めの魅力にはまって『大地の想』を結成したのは昨年8月のこと。
現在は4人のメンバーで活動しています。


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草木染めの材料を採りに向かったのは、国津小学校近くのなばな畑。
観察に来ていた国津保育所の子どもたちにも手伝ってもらって、さっそくなばなの花を集めます。

なばなは菜種油にもなり、、花が終わった後は肥やしになります。
食べて美味しい、見て綺麗、そして肥料になる・・・まさに一石三鳥です!


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そして今回、初めての試みが、『天台烏薬』染め。

『天台烏薬』は、秦の始皇帝に不老長寿の薬草を探してくるように命じられた徐福が、いろいろな場所を探し、見つけた薬草の一つだとと言われているそう。
胃腸薬になるとも言われているとか。

今は花が咲いていますが、実になるとまた違う色が出るかもしれないそう。

「草木染めの魅力は、自分で染めてもどんな色に染まるかわからないので、出来上がった時の感激がひとしお」

染めてみるまで、どんな色になるかわからないんですね!


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摘んできたなばなと天台烏薬をそれぞれ、洗濯用のネットに入れ、色が出るまで煮込みます。
『天台烏薬』は漢方薬のような、身体に良さそうな匂いがするとのこと。

煮出して色の抽出が終わったら、そこにミョウバンを入れます。
こうすることによって色がより鮮やかに出るそうです。

続いて入れる媒染液は、色をしっかりと繊維にしみこませ、より発色させるためのもの。
少しずつ、様子を見ながら入れます。
同じ素材の量、同じ液の量でも、その時によって違うそうです。


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濡らした絹の布を入れ、しっかりと繊維に色を入れます!
あとは、流水でしっかりと水洗い。
色落ちがなくなったら、乾燥させて、ようやく完成。
ずいぶん手間がかかるんですね!


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布が乾くまでの時間は、みんなでお昼ごはん。
この日は、国津で捕れたイノシシを使った猪汁。
こうして、みんなで食事をし、語り合うのも活動の大きな楽しみです。


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そして染まった布がこちら!
色の淡いほうが、なばな。
朱色に近いほうが、天台烏薬だそうです。
思いがけないほど、鮮やかな色に染まりました!


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世界にひとつだけの色。
こうして作られた『大地の想』の草木染めは、その色合いのように、淡く、染みるように人気を広げています。


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そして今、『大地の想』のみなさんは、伝統の味を引き継ごうと、『国津味噌』づくりにも取り組んでいます。
味噌の完成はこの秋の予定。

国津の自然のめぐみを、その色と手触りで感じてもらいたい。
味と香りで楽しんでもらいたい。
そして、『国津』という地域を誇りに持ってもらいたい。
『国津』という地域の魅力を、みんなに知ってほしい。

草木染めからはじまった『大地の想』のみなさんの活動は、国津の未来を何色に染めるのでしょうか。