三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2013年5月12日放送

開発からおよそ50年が過ぎた『千里ヶ丘団地』、現在開発中の『杜の街』、そして古くからある集落の『西千里地区』・・・それぞれ違う課題を抱えたエリアを持つ千里ケ丘地区を、交流と体験で結びます!

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今回ご紹介する『千里ヶ丘地区』は、開発からおよそ50年がすぎた『千里ヶ丘団地』、現在開発中の『杜の街』、そして古くからある集落の『西千里地区』の3つから成り立っています。

『千里ヶ丘団地』は現在、高齢化率が40%。
ひとり住まいの高齢者が多いという問題を抱えています。


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一方、現在も開発中の『杜の街』。
こちらは高齢者率は2.9%。
若いお父さんやお母さんが多く、子育て真っ最中です。

「今は朝なので静かですが、夕方はものすごい数の子どもで賑わっています」と、お母さん。


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そして古くからここにあるという『西千里地区』。
しかし最近では、アパートが増加し、地域のつながりが薄くなってきているといいます。


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そんな、3つの違う課題を持ったエリアがある地域でがんばっているのが、『河芸町千里ケ丘地区社会福祉協議会』のみなさんです。


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『千里ヶ丘地区』で、まずはじめられた取り組みが、2年間からスタートした、千里きっさ『わらい』。
孤立しがちな高齢者が気楽に集まれる場所を作ろうと、地区の社会福祉協議会や自治会連合会が協力して、朝食を提供する喫茶店をオープン。
月に一度営業しています。


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準備や調理などには、老人会やPTA、民生委員・児童委員など幅広い年齢層の地元の皆さんがボランティアで参加しています。
ちなみにこちらのモーニングセットのお値段は、なんと100円です!

しかし、こちらの人気の秘密は、なんといっても地域のみなさんとの楽しいおしゃべり!!
スタッフのみなさんも食事の提供だけでなく、利用者のみなさんとのコミュニケーションを積極的にとっているそうです。

「人を誘ってきて、ここで喋られる。最高ですね」
「普段話さない人とも話せるし、朝を楽しく過ごせるということは、一日が良い感じで始まります」

と、利用者のみなさんの声。


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きっさ『わらい』の取り組みを始めたきっかけを、千里ヶ丘地区社会福祉協議会会長の柏葉博さんにお聞きしました。

「この地区で2007年に孤立死、孤独死された方が2人おりまして。
『何とかしないと』との思いから、当時自治会長だった私と社会福祉協議会の役員さんで話し合ったのがきっかけです」

スタート当初、60人程度だった利用者も、今では100人を越え、今では、2号店の『フレンズ』、3号店の『つどい』も誕生。
お客さんだった人が、新店舗のスタッフとして参加するなど、新しいつながりと可能性が広がっています。


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そして、『千里ケ丘地区』の新たな取り組みの場所が『ふれあいセンターちさと』。
ここは、世代、性別を越えた、出会いとふれあいを目的として、毎週火曜日と金曜日、手芸教室などを開催。
得意なことをみんなで教えあう、サークル的な存在です。

この日は、5月のお節句の人形作りを行なっていました。
3月にはお雛様づくり、7月には七夕飾り、12月にはクリスマス飾りを作るそうですよ。
ちなみに材料はすべてメンバーのみなさんの持ち寄り。


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こちらの3名はスタッフさん。
1週間に1回、午前と午後に分けての当番だそうです。

「最初はお友だちに誘われてきたのですが、来たらとても楽しくって」
「この団地はつながりが薄いので、こういう機会があると、とっても楽しい」
「火曜日と金曜日を楽しみにして、毎回出席しています」

参加者のみなさんも、とても楽しんでいるようです!

ひとりでも多くの人にセンターに足を運んでもらいたい。
新しい出会いのきっかけをつくってもらいたい。
そんな理由から、センター内には、地域のみなさんの特技を生かした作品を数多く展示しているそうです。
また、作った作品は幼稚園や施設などに持って行っているとか。
地域の子どもたちとの交流もあるんですね!


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また、センターの稼働日には、健康診断や悩み事相談などのサービスも実施。
出会いとふれあいだけでなく、健康と安心をも見守っています。

「(メンバーである)私もここに住んでいるので、地域の方の家族構成や人数など、ある程度わかるんです。
ご主人の調子が悪いな、とか、この方は以前骨折していたな、とか、比較的目が届きやすいし、お互いに理解しやすいですね」

当初は、男性スタッフが中心となって運営してきたこの『ふれあいセンター』も、女性スタッフの協力が得られたことで男女の垣根を越えた交流も増え、その輪は地区全体に広がり始めています。

人と人をつなぎ、それぞれ特徴のある3つの地域の架け橋となる・・・。
高齢者から子どもまで、世代の壁を超える・・・。
みんなが楽しく語らい、ゆかいに笑いあえる、そんな場所づくりから、河芸町千里ヶ丘地区のまちづくりははじまっています。