三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2013年7月28日放送

60代、70代のお父さんたちが、趣味の日曜大工で耐震化工事に挑戦!
大工仕事やボランティア活動を通して、地域をゲンキにします!

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津市香良洲町は潮干狩りや海水浴の人気スポットで、季節になると大勢の人で賑わう地域です。
しかし、香良洲町は、伊勢湾と雲出川に面した巨大三角州地域。
その大半が海抜2メートル以下の地域で、現在、津波などの防災対策が進められています。


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そんな香良洲町で、住民が互いの命を守り、そして地域を守るためにはじめられた取り組みが『NPO法人ワクワク工房』。
日曜大工を趣味にする60代、70代のみなさんが、木造住宅の耐震化工事に挑戦!
ワクワクドキドキの、やりがいと仲間づくりをしています。

『ワクワク工房』の設立は2009年で、現在は6名のメンバーで活動中。
耐震工事はこれで3軒目。
県の木造住宅耐震診断者の資格を持つ土性さんが中心となって、工事を進めています。
この活動をはじめた理由を、土性さんにお聞きしました。

「歳とともに消えていく感動や感激を、大好きな日曜大工やモノづくりを通して感じ、仲間と分かち合えたらなあ、と。
また、最近では大工さんも減ってきたので、家のいろんな困り事などの受け皿になれるよう、こういった現場で学習し、スキルなり技能なりを高めて、地域で社会貢献、ボランティア活動できればベストだと思います」


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こちらが『ワクワク工房』が耐震工事を行なって3軒目となるお宅。
すでに2週間ほど作業しており、耐震工事はほぼ完成しているそう。

この家は築51年。
市の無料診断を受けたところ、阪神大震災の震度6強に対して、40%ほどの強度しかなかったそう。
この耐震補強工事をすると、郷土は110%、およそ3倍弱になるとのこと。
これは心強いですね。


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耐震工事で補強された室内。
土壁を『耐力壁』にすることで、4倍から5倍に耐力が上がります。
さらに地震で柱が抜けないよう、柱と基礎が一体となるようにアンカーボルトで結合。
阪神大震災の時は、2t~3tの重さがかかると、柱が引きぬかれたそうです。


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慣れた手つきで作業を続けるメンバーのみなさんですが、プロの大工さんではありません。
自動車のディーラー、造船所勤務、バスの運転手さん・・・さまざまな職業を務め上げてから、『ワクワク工房』へと来ました。


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施主さんもいっしょにみんなでお昼ごはん。
こうしたコミュニケーションも活動の大きな楽しみです。

「家に閉じこもっても仕方ないし、外に出て話し合えるのが良いですね」
「自分自身、いつまでも何かプラスしたい、勉強したいと思っているので、楽しさがいっぱいです」
「受けた仕事で自分を活かせたら良いし、結果的に地域に貢献していることになると嬉しいです」

みなさん、この活動に大きなやりがいを感じていますね!

耐震工事以外にも、『ワクワク工房』では、さまざまな活動をしています。
地域の人が集う場所づくりのお手伝いなど、自分たちも楽しみながらボランティア活動をしています。


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こちらは市内で暮らす、ある女性のお宅。
土性さんが耐震診断で訪ねると、床が大きく傾き、生活にも支障をきたす状態。
しかしひとり暮らしで改修資金もなく、困り果てていました。
土性さんたちは様子をみて、材料費ももらわず工事を行ったそうです。

「無料でしてくれるという言葉に甘えさせてもらいました。今は快適になり、本当にありがたく思っています」

と、家主の女性。


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他にも、体操教室・・・ではなく、実はこれ、防災出張講座なんです。
いろいろな集まりに出かけては、災害の怖さ、防災の重要性について説明しています。


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健康体操教室主催者である木下美佐子さんに、防災出張講座についてお聞きしました。

「東日本大震災以降、香良洲地区においても人事ではありません。
根拠のない安心感にすがるのではなく、しっかり知ってもらい、高齢者であっても災害弱者にならずに参加する側になって欲しいとの思いから、体操教室での防災出張講座をお願いしました」

こういった取り組みが、地域全体に広がって欲しいですね。

困っている人がいる・・・。
やりがいを求めている人がいる・・・。
その人たちがつながり、いっしょに取り組むのが、『ワクワク工房』の地域づくりです。