三重テレビ「ゲンキ!みえ!生き活きリポート!」2010年3月21日放送

生きがいづくりで、お年寄りたちが生ゴミを使った堆肥作り!
その堆肥を使った野菜は、味が違うと大評判で、相可高校でも使われています!

松阪市松名瀬町。
清流、櫛田川が流れ込む松名瀬の海は、遠浅で栄養に富み、かつては海苔養殖が非常に盛んな地域だったそうです。
現在でも地元の人たちには潮干狩りや釣り、海水浴場などとして、よく知られてられている場所でもあります。

その松名瀬に、堆肥作りで頑張っているゲンキさんがいます!

『NPO法人 生ゴミリサイクル 亀さんの家』のみなさんと、代表の亀井静子さん。
亀井さんは、月一回、民間宅老所『亀さんの家』を開所しています。

その中の元気な人たちで、平成16年『NPO法人生ゴミリサイクル』設立。
生ゴミで堆肥を作り野菜を育て、その堆肥を使ってできた野菜を亀井さんが買い取り。
そしてその野菜を配達し、得たお金がゲンキさんたちの売り上げとなる・・・という仕組み。

非常にエコな活動ですが、その第一の目的はお年寄りのやりがいづくり。
最初は宅老所に通うおばあちゃんたちのうち、10人が参加してスタートしました。

堆肥作りに欠かせない床材は、もみがら、米ぬか、落ち葉、そして粘りのある土。
これが生ゴミの発酵の手助けをするのです。
ここに生ゴミを入れて混ぜるのが、各家庭で行う一時処理。

また生ゴミは、メンバーの家庭から出る量だけでは足りないため、近くの特別養護老人ホームなどの施設にも一次処理をお願いし、週に一度回収。
地域の人の協力が不可欠です。

その後、一箇所に集められ、二次処理を行います。
湯気が出ているのは、発酵がすすんでいる証拠。
切り返しという、堆肥を混ぜて空気を入れ発酵を促す作業を5回。
二次処理をはじめて3ヶ月経って、ようやく堆肥の完成です。

手間ひまかけて堆肥をつくり、その堆肥とお母さんの愛情で作った野菜。
なんと自分たちで販売、配達します!

向かった先は、『まごの店』『高校生レストラン』などで全国的に有名な相可高校。
ここが『亀さんの家』の野菜を使うようになったきっかけ。
それは野菜に虫がついていることでした。
天然の堆肥だけをつかった『亀さんの家』の野菜は、美味しくしかも安心安全だったのです。

相可高校 村林新吾先生

村林先生「ここの野菜は本当に素晴らしいです。。大根なんかすごい甘い。すっごいやわらかい、ほんとやわらかい。一週間に一回ですけど持ってきていただいて、野菜の感覚が変わってきたくらいです」

調理する側に喜んでもらうことが、野菜を作るゲンキさんにとって何よりの活力。

とはいえ、『亀さんの家』では、作業以上に休憩時間を大切にしています。
それはメンバー同士の語らい、そして笑顔が何よりも重要だからです。
お年寄りが楽しめる生きがいづくりと地域活性化・・・堆肥と野菜と人が、その輪を作り上げました。

いつかは自分たちのお店を持って、おじいちゃんおばあちゃんの憩いの場所にしたい・・・。
亀井さんと『亀さんの家』のゲンキさんの夢は、まだまだ広がります!