第63回『サルシカ隊長レポート』2013年11月

松阪市飯南町で、田舎でがんばる職人たちのがんこ市が開かれるという。今年で2回め。どんながんこ親父がやっているのかと思ったら、サルシカ隊の古参メンバー「チェンソーたかお」さんが仕掛けているものであった。
どれどれ、そのがんこっぷりを見てやろうではないか。日曜の朝、隊長は飯南へと向かった!!!

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伊勢自動車道の松阪インターを降りて国道166号を奈良方面へと走る。
途中から清流「櫛田川」が並走し、すばらしい道であるが、この日のワタクシは焦っていた。
なんとこの日は高校生駅伝。
まもなく第一走者がスタートしてしまうのだ。
そうなると、対向2車線のこの道は、しばらく通行止めである。

が、こういう時に限って、前をのんびり走る車がいる。
まあ大体そういうのは軽トラック。
運転手はおじいちゃんかおばあちゃんだ。
制限速度の半分ぐらいのスピートで、うしろにイライラ集団を引き連れて走る。

まあね、高齢者ですしね、安全運転は大事ですしね。
でもイライラ。
そんなに慌ててないなら、一度脇によって止まったらどうかな。
ほらそこに大きなパーキングスペースがあるよ。
あ、ダメ?
やっぱりとまらない・・・?
ふーん、そう。
そうなのね、ああ、イライラ・・・。

きっとこのイライラが大きな事故につながるのだな(笑)。


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そんな苦難のドライブを終えて、がんこ市の会場へと到着。
会場といっても、しょっちゅうお邪魔している「たかお農機店」である。
この店前と周辺で行われているのが、がんこ市なのだ。

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店のまえのテントには、2台の薪ストーブが鎮座している。
冷えた手をそのぬくもりにかざすと心地よい。
暖かさで肌がピリピリする(笑)。

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店の脇にテントのお店が並んでいた。
どんながんこ親父がにらみをきかしているのかと思ったら、お店番をしている人は大半が女性である。
若くて美しい人が多い。
ぜんぜんがんこじゃない(笑)。

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しかも商品だって、パンもあり、採れたて野菜もあり、とても女性向け。

「あら〜、これ安くていいじゃない?」
「味もいいですよ。ひとつおまけしますからぜひ!」
「あらそうお、じゃあおひとつくださいな」

みたいな感じである。
ぜんぜんがんこじゃない(笑)。

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おお、薪割り機を発見。
さあそろそろがんこ親父が出てくるぞ。

「この機械で割れない薪はない、おらおら薪を持ってこい、ぶっといの持ってこい!」

そんな親父が鉢巻まいて出てくるかと思ったが、誰もいない。
みんなまずは野菜や食べ物のようである。
だって早く買わないと売り切れるからね。
薪割り機はそうそう簡単に売り切れないからね。

で、誰もいない(笑)。

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ようやく若きがんこ親父に遭遇。
鍛冶屋の大徳さん。
サルシカの「三重の100人」にも登場していただいた鍛冶職人さんである。

うん、確かにこの人はがんこだ。

「町の方からくるの大変だったでしょう。
 きょう駅伝だから」

わかってるならなぜきょう市をやるのさ。
やっぱり今日じゃなきゃダメっていうこだわりがあるんだよね?

「いやー、駅伝のこと、すっかり忘れててぇ。
 雨も降ってきたし、きょうはお客さん来ないかもなあ。
 困ったなあ」

そう言って大徳さんは笑うのだ。
ぜんぜん困っているように見えない。
あと、若きがんこ親父という言葉、撤回(笑)。

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しかし大徳さんの作品は、こだわりの塊である。
存在自体ががんこである。
物欲のめらめらと燃え上がる。
ああ、ほしい。
新しいナイフがほしいぞ〜!!!

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そして主催者のたかお農機店の「たかおさん」と。
彼も薪ストーブユーザーで、サルシカ薪ストーブ班の班長でもある。

で、なぜこのがんこ市をはじめたのか。

「鍛冶安の大徳君と立ち上げたイベントなんです。
 手作りの良い物を分かってくださる方々に販売したいとの想いで、声を掛け集まってくれた職人さんたちと開催してます」

あまりがんこな人がいないけど。

「人ががんこなんじゃなくて、がんこなのは作品や商品ですから!!」

ま、そういうことらしい。

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店前のテントにあった薪ストーブ。
ピザを焼く専用ストーブであるらしい。

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そしてもうひとつ、オーブンつきの薪ストーブも。
お店でピザを買って、ここで温めて食べる・・・という趣向らしい。
ええじゃないか、ええじゃないか。
さっそくピザを放り込み、じわじわと焼いていただく。

「うんまーい!!!」

短時間であっという間に熱くなるので、思わず口の中をやけどした。
恐るべし薪ストーブ!!

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私がいただいたのは、たかおさんが育てているクレソンを載せたピザ。
うまかったので、このピザはパクります。
今度サルシカ秘密基地のピザ釜でもつくります(笑)。

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最後は、たかおさんの娘さんから、クレソンを購入。
ちょこっとおまけしてくれた。
うれしい。

個人が集まり、手づくりではじめた市だけれど、県内あちこちからお客がやってくる。
宣伝はインターネット、ブログ、Facebookで。
きちんと情報発信をすれば、これだけの反応があるんだなあ。

いやー、感心しました。