『M子の地産地消レストラン』2013年12月

「その地でとれた食材をその地で食す!」
M子が暮らす三重県の美里町から、峠を越したお隣の伊賀市阿波地区で、今年10月、お母さんたちが『山里レストラン あわてんぼう』をオープン!
地元のお母さんたちが作る料理の味は?こだわりは?
さっそく潜入してきました!

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私、新聞の地方版をくまなくチェックするのが趣味なんです。
そんなある日、中日新聞の三重版で見かけた記事。


『伊賀・猿野に交流の場 閉園の保育園利用し「山里レストラン」 地元の女性団体 地産食材で料理提供』


阿波地区の猿野といえば、『さるびの温泉』近くの地域で、伊賀の町に出る際には必ず通る場所。
しかも、お世辞にも栄えているとは言いがたいゾーンです。
保育園までもが閉園となるほど過疎化が進んでいる中、『山里レストラン』をオープンさせるという心意気に、まず感動しました。
さらに、M子宅から意外に近いということもあり、興味深々だったのです。


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来ました、『山里レストラン あわてんぼう』。
おおお、本当に保育園の建物をそのまま使っています。
外観は手作り感満載で、ほっこりした気持ちになりますよ!


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敷地の入り口には、『伊賀市大山田東保育園』との表札が。
これが何というか・・・まだ新しいのが、ちょっと切ないです。

建物の裏に回ると、まだまだ遊べそうな遊具の数々。
その奥には田園風景が広がっています。


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建物の中も、保育園の面影が色濃く残っています。
小さな洗面台が、かわいい!
最後の園児たちの写真や、絵本もそのまま残っています。
それにしても既存の施設を使うというのは、いろんな意味で良いですよね。
よけいな設備投資をしなくても済むし、ここに関して言えばノスタルジックな気持ちにもひたれます。


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教室だったスペースは、大人数向けのお座敷に。
そしてホールはそのままイベント時に使用。
12月8日には、地域のクリスマス会も開催されたそうですよ!
お母さんたち手作りの料理をバイキング形式でいただけるとのこと、私も参加したかったくらい。


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室内の一角には、その日使っている野菜の生産者さんの顔写真が。
こういうのが見えると安心しますよね。


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こちらは給食室を活用した厨房スペース。
まだオープンしてから2ヶ月ほどなのに、みなさん息が合っているというか、手慣れているというか。

実は、地域活性化のために『あわてんぼう』を結成したのが平成20年。
それから山里コンサートや収穫まつり、農家民泊・・・さまざまなイベントで、料理を提供してきたのです。
そしてこの保育園の閉園が決まった2年前から、『山里レストラン あわてんぼう』のオープンを見据えて来たのだそう。
なので息が合っているのも道理なんです。


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食事スペースは、職員室だった部屋。
テーブル4つのカウンター3席ほどですが、先ほど紹介した座敷スペースの他、さらに大きな教室もテーブル席となっているので、かなりの人数の受け入れができるそうです。
実際、数日前には、害獣対策視察の団体さん2〜30名ほどを受け入れたそうです。


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前置きが長くなりましたが、お待たせしました!
日替わりの『おばんざい定食』800円です。
ご飯は地元・大山田産。
ピカピカです!


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おばんざいアップ。

『ブロッコリのふんわりキッシュ』と『豆腐とひじきのかき揚げ』。
『豆腐とひじきのかき揚げ』はサクッとしている中に、お豆腐のふんわりとした食感が 登場して、ちょっとびっくり。
軽い味わいで、とても美味しいです!


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『白菜と厚揚げのオイスターソース煮』はオイスター+桜海老とショウガの風味。
これはご飯に合いますよ!


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『塩麹蒸し鶏』は鶏自体を塩麹で漬けて柔らかくしてあり、さらにタレにも塩麹の風味。
塩麹に漬けると、パサつきがちな胸肉がやわらかくしっとりします!
これは驚きの美味しさ!


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何気に感動した『柿と蕪のなます』。
実は私、柿が苦手なんですが、これは美味しくいただけました。
なますといっても酸っぱくなく、薄めの塩味に柚子の香りが。
優しい味わいなんです。
ふろふき大根と魚の柚庵焼きも美味しかったですよ!


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そして、さらに感動したのが、このお味噌汁!
滋味深く、思わず「あ〜・・・」と声が出るほど、しみじみ身体に沁み入ります。
あまりの美味しさに、おかわりしてしまったほど。
聞くと、このお味噌、『大山田農林業公社』で作っているそう。
オンライン、そしておそらく『さるびの温泉』でも購入できると思います。
これは私も買わねば!


は〜、全部美味しかった〜・・・。
お世辞抜きで、どれもがホッとする味わいです。
何ていうんしょうか・・・うん、「がんばりすぎないお母さんの味」という感じ。
あんまり「地元のものだけを使おう!」とこだわりすぎると、ガチガチになってしまいますよね。
地域で手に入る食材はそれを使い、地域にないものは潔く購入。
なので食べているこちらも気負いがなく、楽しくいただけます。
そして、その中で「このお味噌が美味しい」「柿と蕪ってこんなに合うんだ」と、自分なりの味を見つけていけば良いのかな、と。

また、食べている最中に、
「ご飯のおかわりは? お味噌汁もあるよ」
と聞いてもらえるのも、実家にいるような嬉しい気持ちになります。

こちらでは地域の人向けに、予約制でお弁当の宅配も行っているそう。
こんな美味しいお弁当だったら、私も注文したいくらいです。


awatenbou0 のコピー

『あわてんぼう』の名前の由来は、
地区の名である『阿波』を『展望』する活動のこと。
郷土を愛し、地産地消の活動に取り組んでいるお母さんたちが『あわてんぼう』なんです。

新鮮で美味しい食材があり、それを心を込めて調理する人がいれば、どんなに田舎でもお客さんは足を運んで来ると思います。
それだけの価値があるお店です!

『あわてんぼう』のお母さんたち、ご馳走様でした!!