FM三重『ウィークエンドカフェ』2014年1月25日放送

今回のお客様は『青蓮寺湖観光村』の観光部長で、いちご部長の森本博次さん。
1月3日から、『青蓮寺湖観光村』ではいちご狩りが始まりました。
初日は、お正月で故郷へ帰ってきた家族連れの人たちがたくさんやってきたそうです。家族みんなでイチゴ狩り・・・楽しそうですね。

もともと会社員だった森本さんがお父さんの跡を継いだのが7年ほど前。
朝早くから、日が沈むまで、暑い日も寒い日も一日中、体を動かしています。
おいしいぶどうといちごを作るため、家族3世代でがんばっています。

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■ぶどう狩りとイチゴ狩りをはじめて30年以上

青蓮寺湖でぶどう狩りが始まったのが44年前、いちごは36年前です。
私は父の跡を継いで2代目なので、お客さんも2代続いて来られる方が多いですね。
夏場はぶどう狩り、冬場はいちご狩り。
一年を通して、ほとんど休みはありません。
ぶどうを収穫するのは夏から秋にかけてですが、手入れは一年間かかります。今は剪定の時期ですね。
いちごに関しては、5月いっぱいで観光農園が終わったら、すぐに苗作りを始めます。
実際に本田(ほんでん)に定植するのが9月の半ば。
その頃はぶどう狩りの真っ最中です。
だから一番忙しいのは9月になるのかな。
それでも来てくれたお客様が「おいしかった、また来るよ」と言ってくれたときが嬉しいですね。
Lサイズのイチゴをパックに詰めると、だいたい15〜18粒。
そのくらいはみなさん食べますし、中には100個食べる人もいますよ。
「いいものができますように、おいしくなりますように」と思って育てています。


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■いちごの一番おいしい時期

果物作りは天候に左右されることが大きいです。
ぶどうはやはり、冬はちゃんと寒くて夏が暑いと、良いものができます
雨が多いと、全然だめですね。
名張は盆地のため、寒暖の差が激しいので味が良いぶどうやいちごができるんですよ。

これからはいちごが旬を迎えます。
いちごの旬は春だと思われがちですが、自分たちで作っていてると、一番おいしいのは1月、2月だと思います。
寒いとイチゴが赤らむのが遅くなり、その分味が濃縮され、甘味がたっぷりとなる。
だから、あまり赤くなくても甘味は乗っているんです。
だいたい花が咲いてから収穫できるまで、今の時期だと40日かかります。
4月5月になり、暖かくなってくると、25日から30日で収穫ができますが、その分、赤くなるのも早いので、甘味が乗りません。
時間をかけて赤みが増していった方が、甘味も増すということです。


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■組合の仲間は心強い

『青蓮寺湖観光村』では私のように、会社勤めをした後に、跡を継ぐ人が増えてきてまして、今現在、私より若い年代が7〜8名います。
その生産農家でグループを作り、年に一回ぶどうの研修や地方に行ったりしています。
1人ではなかなかこういう仕事もできませんし、仲間がいると心強いです。
いろいろな相談ができるし、わからない時は仲間に聞いたり、情報を得ることができますし、急にぶどうやいちごに病気が出たりなどの、とんでもない時にも力になってもらえるし。
いちごでもぶどうでも、病気になるのが一番怖いですね。

病気の症状はいろいろです。
見分け方がありますが、当然ぶどうは、雨が多いと病気にかかりやすくなります。
自然は怖いですよ。
地球温暖化なども、作物にとっては良くないと思います。
今までにないケースが出てきている。
例えば、秋の紅葉。
この辺りは紅葉が奇麗なんですが、最近では紅葉がなく、いきなり冬がやってきてしまいます。
秋がないというか。
いちごの苗作りにしても、苗作りの時期に花芽が出てしまうことがあるので、見えない部分が怖いですね。


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■作っているいちごは『あきひめ』『女峰』『紅ほっぺ』

イチゴの好みはお客さんにとっていろいろ。
なので1種類ではなく、3種類のいちごを栽培しています。
種類は『あきひめ』『女峰』『紅ほっぺ』。
『あきひめ』は酸味がまったくなく食べやすいのが特徴で、実が若干柔らかい。
『女峰』はやや酸味があり、『あきひめ』に比べて果肉も固めです。
『紅ほっぺ』はその2つの中間。ちょっと甘酸っぱい感じで食感は固め。

ただ残念なことに、3種類のいちごのうち、その日になってみないと出せる品種がわからないんですね。
その日に一番赤くなっているところのハウスに入ってもらうことになっているので。
3種類どれでも食べられる日は、まれですね。
当たったお客さんはラッキーです(笑)

私が個人的に好きなのは『紅ほっぺ』。
固さもあり、酸味と甘味のバランスが良いので。
ただ、お客様は圧倒的に『あきひめ』です。
酸味がないので食べやすいんでしょうね。

食べごろはいちごの種類によっても違うので一概に言えませんが、赤く色づいているのが一番。
それから軸の部分がちょっと首が長くなっているのを採ってもらうとおいしいかな。

みなさんどうしても、大きなイチゴを選んで採りますけど、変形しているいちごの方がおいしいかもしれませんよ。

今、品種改良が進み、いちごもぶどうも、どんどん新しい種類のものが出てきています。
この土地に合ったもの、多くの人に好まれる味、いろんなことを考えて、新しいことにも取り組んでいきたいですね。

『青蓮寺湖観光村』のイチゴ狩りは、5月31日までです。
バレンタインの時期には素敵なイベントも開催するので、楽しみにしていてください。