三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2014年2月23日放送

食に対する関心を高めるため、親子向けの食育・食農体験ワークショップを開催!
生産者とともに農作物を作り、安心安全な『食』を提案します!

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三岐鉄道北勢線が東西に走る、三重県北部の東員町は、総面積23平方kmにも満たない小さな町。
ゆるやかな丘陵がつづく、自然豊かな地域です。


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そんな東員町を中心に活動しているのが、『こどものおやつ農園』のみなさん。
主に親子向けの食育、食農体験のワークショップを開催。
生産者と共に農産物を育て、収穫し、そして加工して食べることによって、食に対する関心を高めることが目的。
地域の農業のPRや、地域おこし活動も積極的に行っています。


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代表の吉澤俊昭さんに、『こどものおやつ農園』を始めたきっかけをお聞きしました。

「ここ東員町では、米や大豆をたくさん作っているのですが、町民の方がそのことを知らないんです。そこで、生産者と消費者が寄り添える場を作りました。
また、『食』という字は『人を良くする』と書いて『食』、『食べる』です。
私たちの身体は食べ物から成り立っているわけですから、良い食材を食べることが将来の自分の身体への投資だと思うんです」


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活動の場となっている農園では、なんとサトウキビなども栽培。
天然の作物が持つ本来の甘さや美味しさ。
こどものおやつがスナック菓子だけでなく、畑で獲れた農産物を通して見直すきっかけとなればという思いから『こどものおやつ農園』と名付けたのだそうです。

ここ東員町の畑では、農薬や化学肥料を使わず、子どもたちと手間ひまかけて野菜づくり。
亀山市の加太では、耕作が放棄された田んぼで昔ながらの米作りに挑戦。
そして梅林も管理しています。


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この日は『農産物加工処理センター』にて、東員町主催の食農推進事業の一つ『昔ながらのアラレ作り体験』を開催。
参加者は東員町在住の子どもたちと、その保護者。
『こどものおやつ農園』代表の吉澤さんが、コーディネートと先生役をつとめます。
使うのはもちろん、東員町産の餅米です。


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参加者のみなさんは、昨年4月からこの講座に参加し、田植えや稲刈りを体験してきただけでなく、さつまいも掘りや焼き芋の楽しさおいしさも味わってきました。
だから食事の大切さ、農作業の大変さをすでに実感しているんです。


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今回のアラレ作りに使う材料は、すべて天然素材。
みかん、ゆず、小エビと青のり、醤油、梅シソ、くちなし(黄色)の6種類を作ります。
蒸し上げた餅米に、それぞれの材料を混ぜ込み、搗いていきます。


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搗き上がった餅を木枠に入れて成形し、数日間乾燥。
ほどよく固くなったお餅を、専用のスライサーでカットします。
この時点ではまだ、アラレというよりお餅ですね。
それでも子どもたちは「おいしい!」と大喜びです。


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完成したアラレは、電子レンジで加熱すると簡単に出来上がります。


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一方、アラレ作りと同時に行われていたのが、赤飯作り。
餅米に小豆の煮汁を混ぜ、いなべ市産の大きな小豆をふんだんに載せて蒸し上げれば完成です!


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参加者のみなさん。

「子どもが生まれてから食に関心が出てきました。身体に良いものを食べさせたいと思っています」

「仕事をしていると、一から作るということがなかなかできないので、子どもを通してこういう体験をできるのはとても良いことです」


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こちらは、この日参加した生産者の方々。
東員町でお米や大豆の生産をしている伊藤良子さん(右)と、水谷富子さんです。

伊藤「農家のことを知ってもらうのはとても大切なこと。
それから子どもの成長のためには安心安全な食材を食べさせてあげてほしいので、こういう勉強に親御さんも参加するのは重要なことだと思います」

水谷「体験事業に参加した方々は、とても生き生きとして喜んでくれます。これを機に、家でも作ってほしいですね」

農業の未来は、生産者と消費者が寄り添うことから。
食の安全は、親から子へ伝えることから。
時間と手間をかけて築いていくものなのかもしれません。