『M子の地産地消レストラン』2014年4月(後編)

一週間お待たせいたしました!
今回こそ、もうすぐ旬を迎える採れたて『アワビ』をいただきます!
悶絶必至です!

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すいません、いやらしく一週間ひっぱりました。
ようやく『海女小屋磯人』の後編です。

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「(注文されたのは)今、用意してるでさ、これ先に食べてな!」
と出されたのは、生きているアワビ。
と、いきなり貝をはがして口の部分を取り、


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四つ割りに!
それを、そのまま食べてみなさい、と。
何かの罰ゲーム!?・・・と思いながらも、おそるおそる噛み締めると・・・。

柔らかい!
そして旨味が深い!

コリコリではありません。
ムチムチとして、歯が心地よくアワビの身に沈んでいきます!
何て言ったら良いのか・・・ちょっと、この質感を表現する例えを思いつきません。
噛んだ跡が、上の歯と下の歯の形がくっきりと残る固さ。
しかし固いのではなく、みっしりとしています。
しかも、どんな新鮮なアワビでもかすかに感じる、特有の匂いが全くなく、旨味のみ。
一瞬自分が何を味わっているのか、わからなくなるほどです。

生で食べると、固くて噛み切れないときがあるのに、と不思議に思っていると。

「このアワビが柔らかいのは、本当に目の前の海で採れたばかりで満腹だから。
固いのは身が痩せている証拠。
たとえ直前まで生きていても、採れてから市場に出て、お店に来るまでにどうしても時間が経つもんやから、お腹がペコペコで、身がカチカチになっているんさ」

ほおお、そうだったんですか!!
お腹がパンパンで幸せなアワビだからこそ、身が柔らかくて美味しいんですね!!
ち、ちなみにこちらの黒アワビ、お店でいただくと2000円。
めっちゃお得です!


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ここで「油物の前に食べると身体に良い」と出していただいたのが、『アカモク』。
今、三重県が積極的に的に食材として広めようと勧めている海藻です。
ねばりの多い海藻の中でも、最強の粘り!
自然薯に匹敵するほどで、混ぜて粘りを出すと全体が持ち上がります。
フコダインやミネラルが豊富で、血圧の抑制など、最近注目されている食材だとか。
ここでは甘酢で和えてありますが、醤油と鰹節を混ぜると、ご飯にめっぽう合います!!


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そしてようやく、注文の『アオリイカ天丼』!
みそ汁付きで1000円。
一本一本の足が太く、ムッチムチ!
絶妙な火の通し加減です!
これは絶品!
しかし、今回の私のお目当ては。


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こちらの『アワビ天丼』!!
なんとみそ汁付きで、1500円です!!!
どうですか、これ!?
アワビを丸々1個使用!
キモの大きさが、このアワビの栄養状態の良さを物語っています。
つまり、お腹がパンパンで幸せなアワビです。
もちろんこのキモ、トロリとして、どこまでも深く濃く・・・新鮮だからこその味わいです。


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生でも美味しいのに、火を通すことで食感にコシが生まれ、旨味が倍増!!
しかも衣を付けて揚げてあるので、油のコクもプラス。
さらにさらに見えますでしょうか。
天丼のタレに混ざっている、黒いツブツブ。
なんと、サザエのキモをすり潰したものが混ざっているのです!
これが全体の味の深さを倍増しています。

ちなみに若葉の天麩羅のように見えるのは、アオサ。
噛みしめると、これまた清々しい磯の香りが広がります。

うおお。
語り尽くしても語りきれない美味しさです。


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そしてこのおみそ汁、なんと味噌はM子の暮らす美里町産。
山下さんの娘さんが嫁いだのが美里町。
そこの味噌を気に入った山下さんが、毎年作ってもらっているのだとか。
津市美里町の味噌と、よもや志摩市御座白浜で出会おうとは。

なみなみならぬ縁を感じました。

私が『磯人』に来るのは、必然だったのですね!!
そして『アワビ丼』を食べるのも必然だったのです!!

・・・と思いたいほど、幸せを感じる一品、いや、一食でした。

サザエにウニに、アワビにアカモクにアオリイカ丼にアワビ丼・・・ここを知ってしまったら、正直危険です。

ご馳走様でした!!

※単品は予約不要。『サザエ2000円コース』『アワビ4000円コース』は要予約です。