三重テレビ「ゲンキ!みえ!生き活きリポート」2009年2月22日放送

熊野古道のロマンと漁師町のぬくもりを両方体験できる、町あるきを体験!


熊野灘が目の前に広がり、古くから港町として栄えてきた紀北町紀伊長島区。
黒潮が届ける海の恵みによって築かれた、まさに『魚まち』。

毎月第二土曜日には『きいながしま港市』が開催され、県内外から訪れる多くの人々でにぎわいます。
コラーゲンたっぷりのウツボやカマス寿司など、名産品の数々。
一見栄えているように見えるこの地域ですが・・・。
実は、厳しい現実がありました。

漁業の衰退とともに、どんどん町の明かりが消えていっていたのです。
かつて漁が頻繁に行われていた時代には『新町』という繁華街があり、映画館も3~4軒営業していたそうですが、それらは廃業・・・地域全体の活気が失われつつありました。

そんな中、
「町で暮らす人も訪ねて来る人もいっしょに、この『魚まち』を盛り上げよう!」
と立ち上がった人たちがいます。
それが『魚まち歩観会』。

『魚まち歩観会』の代表、植田芳男さん。

『魚まち歩観会』は、魚まちにかつてのにぎわいを取り戻すべく、住民主体で結成されたボランティアグループ。
熊野古道のロマンと漁師町のぬくもりを感じてもらえる・・・そんな『魚まち』づくりを目指し、観光に訪れた方々との交流や情報発信、そして町の景観づくりなどを行っています。

手作りの陶板の番号に合わせて、MAPも作成。
この地図を頼りに番号の場所に行けば、誰でも自分がどこにいるかがわかります。
まさに『魚まち歩き』にうってつけ。
なんと62枚もあるそうです。

レンタサイクルも一味違います。
レトロチックな昭和時代の自転車を揃えました!
なんでも郵便配達用の自転車を集めたのだそうです。
このこだわりが、訪れる人たちが求めるものをわかっていますね。

町ある歩観会ガイドのコースリーダー、久保幸夫さん。
紀伊長島に生まれ育ち、古きよき時代を知る、生き字引的な存在です。

西長島地区は、細い路地が入り組んで迷路のよう。
今も残る古い街並みからは、魚まちの歴史と文化、そして漁師町としてにぎやかだった時代をうかがい知ることができます。

さらに、魚まち歩きは続きます。

■『手作り工房ワーイワイ』

地元産の野菜や、手作りの雑貨を販売。
販売価格も出品者自らが設定します。

こちらのお店は「学びながら楽しく作品を作り、地域に役立つことで生きがいを見つけられたら」との出品者の思いから、地元の主婦を中心になんと約100人が参加。
商品を作って売るだけの場ではなく、主婦やお年寄りの出会いの場、コミュニケーションの場にもなっています。

■『又吉屋商店』

地元の食材にこだわった、蒲鉾や竹輪などの魚介練製品を製造販売する練り物専門店。
蒲鉾の体験教室も行っています。

『手作り工房ワーイワイ』『又吉屋商店』ともに、『魚まち歩観会』のメンバーさん。
個人で、商店街で、そして地域全体で取り組んでいるのが『魚まち歩観会』の町おこしなのです。

さらに『魚まち歩観会』ではさらにガイドを増やすべく、公開講座を開催。
地元の人間と観光客の方々との架け橋となる人材を育てています。

地域が一丸となって町を盛り上げ、観光客の方々と交流を深める・・・。
そんな、人と人とのふれ合いとつながりによって、かつての『魚まち』の賑わいを取り戻すのが、『魚まち歩観会』の願いなのです。

訪れる人には癒しを・・・。
そして地域にはゲンキを!