FM三重『ウィークエンドカフェ』2014年7月5日放送

今回のお客様は、松阪市観光協会の岡山広行さん。
松阪を観光で訪れる人の多くは、松阪肉を食べることを楽しみに来ているようです。
おいしいお肉を食べた後は、松阪の名所めぐり。
松坂城跡、御城番屋敷、魚町や殿町など絵になる景色がたくさんあります。
では岡山さんおすすめの場所の見どころをいただきます。

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■『松阪を着る』の由来

江戸時代、松阪から江戸に『松阪もめん』を送っていたんですね。
当時は贅沢品禁止令が出ており、絹などの高価な布を使うことができなかったので、その代わりに松阪のもめんを。
『松阪もめん』は、藍染めで縦縞がシュッとしていて、とてもオシャレなんですよ。
松阪の商人さんが、日本橋に『松阪もめん』の店を出したところ、折から贅沢禁止令があったこともあり、とても流行し、トップモードになったそうです。
つまり、『松阪もめん』を着るのが江戸っ子の粋。
現在でも今歌舞伎役者さんが縦縞の着物を着る時は『松阪を着る』と言われるようですね。
歌舞伎を好きな方には『松阪を着る』の意味を知っている方も多く、松阪に来た際に『松阪もめんが着てみたいわ』と言われる方もいます。


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■古い町並みが残る松阪・魚町界隈

古い町並みが残っているので、そのあたりを見て、みなさん「良い町だな」と行ってくださるのが嬉しいですね。
松坂城の下の御城番屋敷、殿町には同心町などがあります。
同心(江戸時代の警察)さんが住んでいた町並みなので生け垣が綺麗です。


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御城番屋敷


原田二郎さんという方の家も公開しているので、良かったら見てください。
原田さんは銀行の立て直しなどをし、日本で最初に『財団』を作られた、とても立派な方です。

建物自体は武家屋敷なんですが、元々平屋だったところに、原田さんが2階を増築したので、その辺りが見どころかと思います。
増築して2階があるのは非常に珍しいんです。


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旧長谷川邸


魚町、本町界隈はそれこそ旧長谷川邸、三井・三越さんの元のお家、それから『松阪商人の館』など、見どころ満載です。

特に『松阪商人の館』は外せませんね。
本町通りにあり、昔の紙問屋だった建物です。
ここは昔の伊勢街道で、伊勢にお参りに向かう方がたくさん通りました。
紙問屋でありながら、店先に釜を置いて、お伊勢参りの方々のおもてなしをされたということで、大きな竃もたくさん残っています。
間口は広くないのですが、奥にずっと広く、倉が3つもあります。
京都と同じように、昔は間口の広さで税金を取られたので、狭くしてあるんですね。
まさに鰻の寝床です。

松阪の町は蒲生氏郷が街づくりを行ったそのまま、綺麗に区画された場所があります。
四角に綺麗に区切られ、とてもわかりやすいです。
地震の被害もなく、空襲でも燃えなかったので、そのままの町並みが残っているんですね。
伊勢街道には他にも昔の家が残っているので、それも見てほしいです。
それこそ、230年前からある昔ながらの旅館も残ってるので、泊まっていただけると風情を感じられると思います。

松阪商人の町並みはちょっと変わっていまして、のこぎりの刃のようにギザギザの町並み。
それぞれの家がななめになっていまして。
蒲生氏郷が街づくりを行った際、攻める時に隠れながら攻め、隠れながら守っていくためだそうです
また、松阪にはとてもお寺が多いのですが、それも蒲生氏郷さんが、この界隈に集めたからなんです。
それも一つの守りとして使ったそうですね。


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松阪商人の館


■『射和祇園祭』について

『射和祇園祭』は、松阪から櫛田川へ向かうところにある射和で行われるお祭りです。
歴史は古く、元禄時代から続いていると聞いています。
今年の『射和祇園祭』は、7月12、13日に開催します。
12日の宵宮には、元禄時代に作られた、大小12基の屋台(鉾)が、町の中をゆっくりと巡行します。
神輿もありまして、『ちょーさやちょーさや』とかけ声をかけながら町を練り歩きます。
夜になるとたくさん屋台に提灯を灯すので、幻想的な雰囲気を楽しめると思います。
去年までは松阪の祇園祭と同じ日だったのですが、今年は違う日なので両方とも観ることができますね。

13日は本日(ほんび)。
朝の9時頃から屋台が巡行し、神輿も出ます。
普通の神輿は縦にゆするそうなんですが、『横ゆすり』とされる動作をするそうです。
これも珍しいので、見逃さないでくださいね。

本日の夜8時には高張りの提灯を張り、そこに神輿さんと小さい屋台が並ぶので、それもまた幻想的な光景です。

射和地区は、昔は国分家や滝川家などの有名な家が多かったそうです。
缶詰の『コクブ』の出が、この射和。
京都の方にお店を出したので、京都からこの祇園祭を持ってきたらしいですね。


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■『松阪祇園祭・松阪三社みこし』は今年も熱い!

一方、松阪祇園祭は翌週の7月19、20日です。
松阪の祇園祭は、子供会や自治会が神輿を持っています。
これは珍しいことで50基近くあるんです。
それぞれの町内会・自治会の子どもさんが担いだりして車に乗せて練り歩きます。

祭の前には御神輿洗いもあるので、それを見てもらうのも面白いかもしれませんね。
それぞれの町で見られると思います。
スケジュールなどについては新聞などにも載るので、確認してください。

『八雲神社』『松阪神社』『御厨神社』の三社さんの神輿は毎年、担ぎ手さんを募集をしているので、担いでみたい方は、ぜひ応募してみてください。
三社神輿さんの世話人会さんにお問い合わせするか、我々観光協会に連絡をくだされば、世話人会さんを紹介いたしします。
今年の三社祭は、宵宮が19日の夜7時頃から。
3つの神輿が日野町交差園に練り込みまして、ライトがあたってどんどん練り込まれ、最高潮に達します。





松阪へ来たならば本居宣長さんのことを知ってほしいので、ぜひ『本居宣長記念館』へ。
宣長さんの功績、様々なエピソードに触れることができますよ。
そして北海道の名付け親、松浦武四郎の記念館は今年で開館20周年を迎えます。それにちなんで企画展も開催するので、こちらにもぜひ足を運んでください。

魅力たっぷりの松阪、実は美味しいものもたくさんあります。
というか、何を食べても美味しいんです。
松阪肉はもちろん、他にも美味しい食材やお店がたくさんあります。
現在、商工会議所が『松阪肉三昧』というプロジェクトを行っています。
松阪は牛肉が有名ですが、豚も鶏も美味しいので、いろいろな商品を開発しています。
松阪駅前の『松阪交流物産館』でも商品を販売しているので、ぜひ足を運んでほしいと思います。

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