三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2014年7月13日放送

年間500万トンを越えるといわれる、賞味期限前に廃棄される食品を有効活用!
生活に困っている人たちや施設に、無料で提供します!

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津市高茶屋にある、外国人の子どもたちを対象にした保育・支援施設『アート・ヴィーダ』。
日本語は話せるのに母国語が話せない・・・そんな子どもたちを対象にした母国語の語学教室や、小さな子どもたち向けの保育サービスなどを行っています。


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こちらの施設では、お昼の給食はもちろんのこと、おやつの時間もあります。
そこで子どもたちが口にする食べ物は、『フードバンク』から提供された食品です。


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『フードバンク』とは聞き慣れない言葉ですが、直訳すると『食べ物銀行』。
こちらは、その『フードバンク』の活動を行っている『フードバンク多文化みえ』の倉庫です。

『フードバンク』活動とは、包装の傷みや消費期限が近いなどの理由で、品質には問題はないが市場に出さずに廃棄する食品を企業などから無償で譲り受け、それらを必要とする個人・団体に無償で提供するもの。


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『フードバンク多文化みえ』の和田京子さんに、『フードバンク』を利用している人たちについてお聞きしました。

「提供している先は、養護施設さん。
また、三重には外国出身の方がたくさんいます。しかし頑張っていてもなかなか正規の職に就けず、生活が大変な中、子育てもしているという方が結構います。
私たちは『フードバンク多文化みえ』の名の通り、そういった方にも多く配布しています」

『フードバンク多文化みえ』は、2013年10月、県内に在住する外国人の支援に、長年関わってきた仲間5人が立ち上げました。
2008年のリーマンショック以降、日々の食事に困る外国人の姿を目の当たりにする機会が増えていると感じたことがきっかけ。

国内で、年間500万トンを超えるといわれる、賞味期限前に廃棄される食品の有効活用に取り組んでいます。


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このようにラベルが少し剥がれていたり、缶が少し凹んでいるだけでも、もう商品にはならないそう。
しかし品質にはまったく問題ないので、生活が大変な人に提供し、活用してもらいます。
一番人気は、やはり主食である『お米』だそうです。


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と、そこに、ワゴン車が到着。
積まれているのは名古屋のフードバンク団体『セカンドハーベスト名古屋』が
企業などから集めた食品。

『フードバンク多文化みえ』では、企業などから寄付された『セカンドハーベスト名古屋』などから食品の提供を受け、それを、県内の施設・団体に配っているのです。
食品を引き取りに来ていた施設のみなさんも一緒にお手伝い。
この日届いたのは、飲料水に、トマトソースに、デミグラスソース、他にも、調味料など。
週に1回のペースで、食品がこの倉庫に届けられています。


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『セカンドハーベスト名古屋』は東海地方最大のフードバンク団体として、東海4県の協力団体を通じて、食品を配布しています。

『セカンドハーベスト名古屋』理事の山内大輔さんに、『フードバンク多文化みえ』の活動についての考えをお聞きしました。

「とても頼もしいですね。
『多文化みえ』さんは、フードバンク活動を行う上で、三重の窓口的な役割を、担ってもらってます。
とはいえ、まだ始まったばかりで、提供いただける企業さんも少ないです。
ただ、一方で必要とする人たちは、近年増えてきていますので、ますます『多文化みえさ』んの活動の重要性が増してくると思います」


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食品が届いたら、今度は、仕分けして、配布となります。
施設や団体さんが受け取りに来たり、配布を希望する団体によってはメンバーが、食品を届けに行くこともあります。

人から人へ運ばれるごとに、そのありがたみは増していくようです。


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「困っている家族を助けるのに一番必要なのは『気持ち』。誰かが食べ物をもらって嬉しいと、私たちも嬉しい気持ちになる。それが大切です」

「生活が厳しいと世の中から見捨てられたような、不安な気持ちになると思います。
そんな時、食べ物をもらうことで元気が出たという話を聞くと、とても嬉しいです」

「届けに行ったとき、彼らの生活で困っているポイントを聞いたり、また、彼らに色々なニュースや情報を伝えたりすることも大切だと思います。
伝えることで、社会に溶け込んだり、自分たちが活躍できる場を発見してもらえると良いですね」

と、『フードバンク多文化みえ』のみなさん。


まだ食べられるのに、様々な理由で、処分されてしまう食品。
それを困っている人や施設・団体に、無償で届ける活動。
しかし、必要としている人に届くのは、食品だけではありません。

そこに届くのは、食品を提供してくれた企業や団体・・・そして、手から手へと運んでくれる「たくさんの人の思い」です。